Backnumber『水平線』~失われた夢と言語に救われて~
最近、YouTubeでハマっている動画がある。
Backnumberの『水平線』を3か国語(日英仏)で3人の人が歌うものなのだけど、とても美しくて、素敵な動画だ。
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高校時代、大流行だったBacknumber。
『クリスマスソング』を仲良い子と口ずさんで「あれ~?誰のこと考えてるのかな?」なんて笑い合いながら、廊下を駆け抜けたのが懐かしい。
いたるところで、Backnumberが流れていたあの時代は、私にとって大切な大切な青春の1ページだった。
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そうして、2020年にリリースされた『水平線』。
歌詞もメロディも、全てが美しすぎて綺麗で、なんどもなんども曲を奏でた。
2020年。新型コロナウィルス流行真っ只中。あらゆる大会・ミュージックフェスティバル・試験が次々と中止の音を上げた。五輪のマークを掲げる国際大会でさえ、なくなってしまった。
「長年の努力がすべて水の泡になってしまった」
行き場のない呟きと、悔しさが溢れかえる世の中。
こんな時こそ、"upset"(怒りと悲しみがまざったような感情)という英単語が他のどんな感情を表す言葉よりも的確だと、私は思った。
そんなときに、リリースされた『水平線』。
美しすぎません?
ずっと叶えたかった夢、努力してきたもの、それらが目の前で崩れ去って打ちひしがれているときに、粉々になった夢の欠片はどうしようもなく綺麗で痛くて、遠い誰かが心を揺さぶられる。
努力は無駄じゃないんだよ。と言ってくれるように聞こえた。
たとえ、不本意に夢が叶えられなくなっても、夢に立ち向かった姿は、誰かを勇気づけてくれるんだよって。だから、無駄じゃないんだよって。
2020年。前を向けば向くほどに忘れ去られていく年であるけど、沢山のものを犠牲にして、沢山のものを失ってしまった年でもあった。
大事な大学の青春時代。私の記憶は、大学2年生で完全に止まってしまっている。どんなに思い出そうとしても、大学1、2年生のキャンパスしか思い出せない。必死にあらゆるものに蓋をして、一生懸命時間を進めてきたけど、かけがえのない2年間は取り戻せない。ふと、思うこともある。
ねぇ、綺麗だったかな。
私の、私たちの、散ってしまった夢や青春、思い描いていた時代は。
ここの歌詞を、先ほど紹介した動画では、英語でこう訳されている。(3:28〜)
最後の一言を"The world moves on to another morning shine"
と訳してくれたことで、救われた気持ちになった。
消化しきれない想いを抱えても、涙をのみこんでも、世界は変わらず次の朝日を迎えてくれる。
叶えられなかった夢も、失った日々もたくさんある。でも、私たち、ちゃんと進んできたんだよ。
頑張った自分たちを、認めてあげていいんだよ。
違う言語に救われることがある。
この世に、言語が沢山あって本当に良かった。
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忘れないでいたい優しさ。
「優しいと損することもあるけどね。」
この前、友達がふとそんなことをこぼした。
優しさなんて、捨ててしまおうかと思うことさえある。
人の痛みを感じとってしまっていたら、こんな激動の世の中で、自分の心が持たなくなってしまう。
でもそう思うたびに、やっぱり、優しくありたくて、正直でありたいと、この歌詞を握りしめるんだ。
それは、絶望に打ちひしがれたとき、私が守るべき最後の一つの砦かもしれない。
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なぜか、ここの歌詞がどうしようもなく好きだった。
痛い。同時に、見えないものをいたわる美しい歌詞だと思う。
心臓をわしづかみにされて、心が割れてしまいそうだ。
表舞台で、まばゆいスポットライトと歓声を浴びる勝者。
その背後で、暗い舞台裏で涙をぬぐう者。
勝者がいれば、必ず敗者はいる。
それは逃れようのない世の中の法則だ。
敗者は、忘れられがちだ。
ねぇ、「勝ち負けが全て」なんですか?
「結果を出さないと意味がない」
そんな言葉が世界一嫌いなのに、世界一正しいと思ってしまうこの矛盾を抱えながら、今日も息をしている。
でも、忘れないでいて。
「勝ち負け」という一つのステージに、無数の人の想いと日々が潜んでいることを。そこに散りばめられた一人一人の努力や夢は、優劣なんて絶対につけられない尊いものである、ということを。
◇◇◇
やっぱり、美しい歌詞だ。
私は英語と日本語しか解釈できないけど、3か国語で歌われたこの曲を見て、心が締め付けられるくらいに揺れ動いた。
日本語の透き通るメロディ。
英語の、痛みを溶かしていく歌詞。
フランス語の力強くて前向きな歌声。
1つの言語で、あるものを解釈・表現できない時に、別の言語に救われることがある。
”upset”という単語があって良かった、と何度も思うように。
だから、私は表現の幅を増やして、手の平からこぼれ落ちていく想いや、悔しさとともに呑み込まれる想いを、少しでも救えるように、今は英語を一生懸命頑張りたいって思うんだ。
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読んで下さりありがとうございます!
Backnumberの話から、最後の方は言語の話に移り変わりましたが、仕事で使うこともあって最近英語の勉強が本当に楽しくて、暇があれば英語の勉強をしています(笑)
Backnumber、好きな曲は『sister』『ハッピーエンド』『わたがし』です!
ぜひ聞いてみてください♫
あこ