地域移住の【コレいい、コレあかん】VOL.4 地域で出会ったあんな人こんな人編
『田舎って近所付き合い大変でしょ?』ってよく言われますが、私が住んでるところはほぼありません。ド田舎は大変だと思いますが、田舎はそんなことありません。
↓前にも言ったが田舎とド田舎のイメージ図↓
イラスト:森もりこ氏
ちなみに森もり子氏は隣町の出身だということが判明!
さてさて。
今回の地域移住のコレいいコレあかんのテーマはこれッ!
【移住先で出会った奇人変人凡人大集合ぉぉ~!!!】
今回は地域移住先で出会った素晴らしい人や変わってる人、頼むから関わってくるなって人をご紹介します。一応肩書や所属、名前は伏せますが、わかる人にはわかるかと思います(笑)。
こちらについては基本ノンフィクションでお送りいたします。セリフなどはやや意訳も交じってますが、事実です。大まかですが「好きな人3名」「関わらないでほしい人3名」をご紹介します。おそらく皆様の周りにも同様の方がいらっしゃるかと思いますので、ぜひその人たちと照らし合わせてご一読ください。
ラインナップは以下の通りです。タイトルを見るだけでおもしろそうですね。それでは行きましょー!!
【好きな人3名】
① 「移住の大先輩」マクドナルドを食べたい有機農家
私の移住した先にも移住の先輩と呼べる方がいた。
出会ったときには既にお子様も3名おり、どこからどう見ても地元の人のようであった。地域柄いわゆる農業圏でも観光圏でもないので「Iターン」で移住した人間は少なく、正直この方以外にシンプルな移住組はいない(Uターン組はいる)。そんな中なのでひときわ目立つ存在だった。
仕事はメインとしては農業、それも化学農薬などを使用しない有機農法を主としていた。
有機農家ともなると「環境」やら「健康」やらの意識が強く、そしてそれが行き過ぎてしまうと、慣行農家(化学農薬や化学肥料をを使用する農家さん)やさらに消費者にまで否定的になるのもしばしばみられる。
それが彼には全くない。
農業に限らずだが、全ての意見に対して肯定的に捉えてくれた上、きっちりと自身の経験やスキルを含めて提案を頂ける。移住の先輩として、こんなありがたいことはないのだ。
ちなみに奥さんも面白い方(家族で地域移住された人は奥さんが面白いという共通点がある)で、やはり移住したての頃は経済的にも苦しいことも多かったそうだが、その低空飛行の不安定さが楽しかったと言い張る。器がでかいのだ。
そんなお世話になりまくっている、彼の忘れられない言葉がある。
「やっぱり時々マクドナルドも食べたいよねー。おいしいし、食べたいものを食べることが心のゆとりになり、それが本当の意味での“健康”なんだよ。」
② 社会性の全くないアーティストが描く成長曲線
仕事柄ではあるが、いわゆるアーティストと仕事をする機会が多いのだが、彼と出会ったのは移住してすぐだった。
アーティストの特徴そのままで、社交性は薄め、言葉下手、それでかつ超絶ガンコ!
こいつはくせぇ!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーー!
ってのが第一印象でした(ホントすみませんすみませんすみません)。
そんな中ですが、責任が人を成長させた事例だと思います。ある種ベンチャー気質な職場であったので、ある程度「自由」にできる分「結果責任」が著しく伴う。狭い田舎社会ではあることないこと噂は飛び交う。そんな中、様々なプロジェクトを中心としてやってきたのだ。
先見性や人物の配置、うっとうしい人への根回し、それでいて秀逸かつ彼の言葉でいう“ダサくない”ことへの執念、自分の本当のやりたいことと周りの意見とのバランスや決め方の定義づけ、原価意識、体力的なキツさ等、書ききれないほどのことを経験してきたのを近くで目の当たりにしてきた。
今でも時々一緒に仕事をすることがある。口下手なのは相変わらずだが、彼のセンスが好きなんだよねー。
③ 口うるさい攻撃型、ロジカル思考&サバサバ系女性
タイトルだけ見ると「関わりたくない人」の部類のようだが、そんなことはない。一緒に仕事をする人の中で、「イエスマン」ではなく物怖じせずにバシバシ言ってくれる人かつ女性の目線を持ってる人って実はなかなかいない。
決して私がMという理由だけではないのだぞ!
さらに彼女はフリーランサーでもあったので、同じ目線の高さで仕事をしてくれる。これはとてもありがたい。公務員だと一歩引いた仕事をされるし、地域人はボランティアが当たり前という田舎社会、報酬がありその報酬分を結果で示し次の仕事に生かすということにかけては人一倍強いのだ。
ちなみに地域移住して嫁の次に言い争いをした数が多いのは彼女だ。しかも9馬身差くらいつけた圧倒的な差で。ただ同じプロジェクトを進めていく中で、ロジカルな指摘だからこそ言い争いになるのだ。これが“感情論”だとあえて言い争う気にもならない。
今後、様々なプロジェクトが動いていく中で必ずいてほしい人の一人である。
【関わってほしくない人3名】
④ 人間臭く、そして悪魔的にザルすぎる逃亡犯
とりあえず彼は人間臭かった。もちろんこれはいい意味で。
仕事をする上でも人と人との関係性を重要視するし、彼にしか持てないような人脈もあった。彼にしかできない仕事も実際多かった。
仕事に対する熱もあったし(なぜかキレだすこともあったが)、お客さんからの信頼も得ていた。
ただそれを全て無に帰すべきほど、金銭面がザルだったのだ。
金の切れ目が縁の切れ目との言葉がある通り、それを全てにおいて実践してしまった。
『人の信頼を築き上げるのは大変だが、失うのは簡単だよ』って誰もが一回は言われたことあるんじゃないかなって思うが、ここまで綺麗に美しく言葉を表したケースも多くはないぞ。
そりゃそうだ、金を借りて返さないどころか連絡が取れなくなるんだから。
時々私に連絡来る「彼にお金貸したんですけど連絡取れなくなって、何してるか知ってます??」って、いやいやいやいや、
『 お れ が 知 り た い 』
彼と会わなくなってもう少しで1年だ。正直何が起こったのか、どういう心境だったのか、とりあえず金がないんだろうとの状況はなんとなくわかっているのだが、一度酒でも酌み交わしながらあれこれ話をしてみたいものだ。
⑤ 二度と一緒に仕事はできない。超絶無神経だがメンタルは強い男。
実は一緒に仕事をしたいと声をかけて頂いたことがある。
彼がしていたことは地域に根付いた事業であり、私のスキルも十分発揮できるような環境でもあったので、私は前向きに検討し「週3~4日」で働く旨を伝えていた。
ただ、その頃から資金繰りがうまくいかずに開業が遅れていることは聞いていた。そしてそのまま連絡は一切途切れた状態となってしまったのだ。
その後、その事業に関しては資金繰りが結局うまくいかず、何とか出資先が見つかったものの彼自身は事業からの撤退を余儀なくされた。っということを新聞報道で知った。
そして何の連絡もないまま10カ月ほど過ぎたある日、突然彼からの電話が鳴った。そして言い放たれた言葉は、
『野菜の販売できないー???』
といつもの元気なトーンである。
週3日という少なくない日程を開けてもらっていたこと、その後するべき連絡ができてなかったこと等を鑑みると、私ならこのトーンでは絶対に話せない。っというか電話すらできない。
このとき思ったが、やはり事業を興し展開するにはこれくらい鈍感で無神経でないといけないということ。おそらく今後はある程度の結果を残すと思う。しかし、私は一緒に仕事をすることは一生ないだろう。
⑥ まさに生きた化石。“こんな人は嫌われる”を体現する役場管理職
基本的に役場職員(特に基礎自治体職員)は仕事をする気はない。私はこれはある意味被害者だと思っていて、ざっくり言うと民間と違い“仕事を一生懸命する”人が周りにいない上に、勝手に昇格し給料が上がっていくからだと思っている。この環境に最初からいたら私もおそらくそうなっていただろう。
そしてそれは基本的に自覚しているのである。一生懸命地域のことを考え、自ら動いていこう!ということではなく、与えられた仕事を最小限、とりあえずトラブルは少ないように言われたことだけをしようと思いながら仕事をしている人が大半だ。別にそのような人たちにあれこれ言うことはしない。
ただ役場職員の中で一部やっかいな人種がいる。
それは『自分は一生懸命しっかり仕事をしている』と勘違いしている人だ。
彼が私に言ったこと。『俺は他の職員とは違ってあなたの意見も吸い上げていく』とかっこつけなセリフを言いながら、首長に指摘されると『首長の意見が優先、俺のこの立場上当然だろ』と、ミスター中間管理職テイストを醸し出す。
飲み会では『昔はワルかった』話を延々とし、悪酔いし『お前はできるんだから頑張れよ』『俺が若かった時は残業も』etc…と、グーグル先生による「こんな上司は嫌われる」をまさに体現したかのような彼、このような状況もあり最終的には必要最低限以外は関わるのを辞めたのだが、さすがに関与しないようにしたのはわかったようだ。ただし『何故関与されなくなったか』は最後までわかっていなかった。
逆に哀れで居たたまれなかったが、それでも幸せに過ごしていけるのが役場社会なのかもしれない。
そんなこんなでとりあえず6名、キャラの濃かった方のご紹介でした。
。。。よく考えれば全員年上ですね。笑
次回は地域移住のコレいいコレあかんは“まさに戦国時代「地方創生イベント」乱立”をテーマにしていきます。
お楽しみに―