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頭痛薬を使うタイミング大解説 現役医師が解説~偏頭痛、片頭痛、エムガルティ~
今回は多くの方の朗報になっている最近発売されたばかりの頭痛の回数そのものを減らしてしまうエムガルティによって素晴らしさを実感している人も多いかと思います。 このエムガルティという2021年夏前に発売されるまでは トリプタンという片頭痛治療薬として5種類が存在していました。具体的には 1 イミグラン(スマトリプタン) 2 ゾーミック(ゾルミトリプタン) 3 レルパックス(エレトリプタン) 4 マクサルト(リザトリプタン) 5 アマージ(ナラトリプタン) になります。 飲み薬もあれば点鼻薬という鼻からのスプレーもあれば注射薬もあるので使っていらっしゃる方も多いかと思います。 ここで大切なのはトリプタンを使うタイミングになります。頭痛が頭の中に広がってしまうと、トリプタンでも抑えられなくなるのでタイミングがとても重要になります。 一番効果がある使い方が「痛み始めた時」です 痛みを広げる前に抑えてしまおうという事ですね。トリプタンも画期的な薬なので効く方はいいのですが、トリプタンのAという薬は効くけれど、Bという薬は効かないといった同じトリプタンの薬でもその時々で相性があるのですね。 どのトリプタン製剤が自分にとって一番相性が良いかな?という すこし気長な目線で頭痛外来の先生と二人三脚で通院してもらえたらと思います。 ここでエムガルティも関係する話なのですが、トリプタン自体が使えない人がいました。 2021年夏前まではトリプタン自体を使えない人に対してはもどかしい思いをしていらっしゃった方もいらっしゃったのも事実です。 トリプタンという薬自体が、血管に作用する薬なので血管に関係する治療歴のある方には使いにくくて、具体的には 1心臓の血管の病気である心筋梗塞や狭心症にかかったことがある人や 2脳梗塞などの脳血管障害になった事がある場合は使えない薬でした
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頭痛撃退!頭痛治療を始める前に知っておいて欲しい事【医師解説】片頭痛(偏頭痛)
頭痛が起こりやすい場面として次の3つが挙げられます。 ①ストレスがかかりやすい状況や睡眠不足の時 ②ストレスから解放された後や眠りすぎた後 ③女性であれば生理前後の時です 副鼻腔炎や動脈瘤やその他の病気が隠されていないかどうか 採血やMRIなどで本当に片頭痛なのかどうかも大切です。 もしまだ一度も頭痛外来に通院していらっしゃらなければ 是非頭痛外来に通院していただけると楽になるのではないかと思います。 最近はすぐに治したいという時に使えるトリプタンという薬もありますし エムガルティという頭痛の回数を減らしてしまう注射薬も発売されています 今までなかなか足を運びにくかった方も 朗報となる方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
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頭痛の治療効果を高めるツールを医師が伝授!エムガルティ片頭痛(偏頭痛)
エムガルティを始める前により効果を実感できる効果的な使い方があるので今回はお伝えしますね。 最初にとても大切な質問があります。一緒にこたえてください。 では質問です 6つ質問をあげてみますね。 「今かかっていらっしゃるあなたの頭痛は月に何回ありますか?どの位続きますか?」 「その頭痛は一か月で何日の間寝込みましたか?」 「吐いたのは何日程度、何回ありましたか?」 「女性の方であれば生理が始まる何日前にありましたか?」 「どんな状況の時に何時間、どの程度辛かったですか」 「お薬はどういった状況の時に飲みましたか?」 今質問をしてみましたが、これを瞬時にこたえられるでしょうか?一瞬で伝えられる物があったらいいですよね。 そんな時に役に立つのが「頭痛ダイアリー」です。 日本頭痛学会のホームページにありますので概要欄に貼っておきますね。 ダイアリーを記入してから頭痛外来に通院していただくと、 先ほどの6つの質問も軽々とクリアできますし、 何より頭痛の辛さを共有できるので、 どれほど頭痛でつらい思いをしてきたかをわかってもらいやすくなります。 頭痛は目に見えない病気です。 目に見えない頭痛なので、 職場や家庭でわかってもらいにくいと悩んでいる方も多く、 「頭痛ダイアリー」はその悩みを解消できる見える化できるツールとして とても重要な物なのです。 日本頭痛学会員であれば頭痛ダイアリーの存在を知らない人はいません。 むしろ持って行っていただくと、 わかりやすいのでありがたがられる部分があります。 片頭痛の回数が多い慢性片頭痛や反復性片頭痛という状態の方は、 エムガルティを検討いただけますし、 急性治療としてのトリプタンを飲んで頂き、 その経過も記載していただけると、 エムガルティ前後の変化を実感としてとらえやすくなります。 頭痛の回数が減ったり、日常生活の辛さが軽くなった経過を エムガルテー開始前後で実感できるツールになります。 頭痛ダイアリーは特に毎日のように頭痛がある方にとっては、 細かい情報が書き込めるので、書ききれないほどになる方もいらっしゃいます。 エムガルティは頭痛の源になる血管の拡張や、炎症を広げたり、 痛みの伝達をする神経たんぱく質を抑える治療薬になります。
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オードリー若林 エムガルティを絶賛!片頭痛の新薬について現役医師が解説!~偏頭痛、片頭痛、CGRP~ エムガルティ効果
頭痛が起こる時に 血管が拡がっていたり、 血管の周りの三叉神経が痛みを伝える事にかかわっているのに加えて、 最近は神経の周りに放出されるたんぱく質の研究が進んだ結果、 片頭痛にかかわっている「たんぱく質」が発見されました。 そのたんぱく質が 「カルシトニン遺伝子関連ペプチドという略してCGRP」 であると報告されました。 CGRPは主に3つの役割をもっていることがわかっています。 ① 血管を拡張させる ② 神経への炎症を促す ③ 痛みを伝える神経に直接痛みを伝えていく役割 の3つになります。 新薬のエムガルティはこのCGRP自体に直接働きかけて、 この3つの役割を直接抑え込んでしまうという画期的な新薬です
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群発頭痛の治療法を大解説 !【医師解説】
群発頭痛は1年のうち限られた数週間から数か月の間に連日連夜に決まった時間に集中的に起こり、20歳~40歳代の働き盛りの男性に多いとされ春や秋に多いとされています。 群発頭痛の期限は群発期間という発作が起こる期間の半分以上で1日当たり1-8回も生じる左右どちらかの目の周囲や側頭部に15分~180分続く激痛が起こります。 この群発期間は半年から2年に1回起こるもので、1~2か月継続します。 特に春や秋の季節に起こる人もいます。 頭痛が起こるときに頭痛が起こった側と同じ側に目の充血や涙が止まらない、鼻づまり鼻水、眼瞼のむくみ、額と顔の紅潮発汗、耳閉感、眼瞼下垂の一つ以上があり 眼の奥がえぐられるような激痛なのでじっとしていられないし激しく動きたくなります。 こういったことが群発期に5回以上生じるものです。 ここで大切なのはこういった症状が出るときに激しい一側に起こる痛みはくも膜下出血や動脈解離、脳腫瘍などでも起こる事があるので必要に応じてMRIを実施してそういった疾患を除く必要があります。 群発期での治療としては医療機関で処方される治療が非常に有効です。 頭痛発作時の治療は2点あります。 1点目は「スマトリプタン」という注射薬があります。これはすぐに頭痛に効果があるもので、激痛が和らぎます。 2点目は高濃度の酸素をゆっくり15分吸入する事です。 これは医療機関での高濃度の酸素が必要で、市販での酸素スプレー缶では数分で酸素がなくなってしまうので頭痛専門のDrと協調して自宅使える酸素療法が重要となります。 頭痛発作の予防治療も内服薬として数種類とても良く効く有効な内服薬があります。 予防としてはアルコールやたばこを控えたり、睡眠時間を十分に確保する事や生活習慣の改善により、頭痛の頻度や程度が改善していきます。ただ突然睡眠中に発作が起こる事もあるので医療機関から処方されたとても良く効く治療がとても重要で効果があります。 これらの群発頭痛の治療薬は市販薬では一切手に入らない治療薬です。 群発頭痛かもしれないと思ったら近くの頭痛外来専門医のいる医療機関で処方していただくことをお勧めします。 最近は「オンライン診療」ができる頭痛の医療機関も増えてきていますので 仕事に忙しい方でオンライン診療を望まれる方は頭痛専門医のいるクリニックもありますので是非受診していただけたらと思います。
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片頭痛(偏頭痛)緊張型頭痛なら必ずやってほしい頭痛ダイアリー
片頭痛や緊張型頭痛がいつ起こるかわかれば事前に備える事ができます。 片頭痛は以前の動画でも解説しましたが、頭の片側や両側に強い痛みが発作的に脈打つようにズキンズキンした痛みが出て、吐き気を伴うなど生活に支障がでるほどの頭痛が月に2~4回程度起こります。また目に見えるようなキズとは違って頭痛は他の人から見えにくい状態なので痛みで苦しんでいる事を、家族や職場の人に理解してもらいやすくなるように記録を残しておいて、痛くない時に共有する事がとても大切になります。 特に痛みとともに吐き気を伴う場合は横になって眠ると改善する場面もあるのですが、頭痛の事を知らない人が見ると一見すると怠けているように見えて理解してもらえない事を体験する方もいらっしゃいますから、事前に周りにわかってもらうために記録を付ける事が大切になります。 記録をする方法には頭痛ダイアリーをお勧めしています。 お勧めポイントは主に3つあげられます。 1、1枚の紙に1か月分が書き込める割に略した記号だけで多くの情報を盛り込めるので傾向と対策を立てやすい特徴があります。 2、女性に多い生理や女性ホルモンの影響による頭痛があるのかどうかを記入できる事です。記録を始めた後に実際に起こるパターンをご自分で見つけて対処ができるようになった方が多いのも特徴です 3、これも薬の治療の略号を記載しておくことで、薬を毎日飲んでいないか薬の連用による頭痛がないかどうかなど頭痛専門医に診てもらう際にも役立ちます。 頭痛専門医であれば「頭痛ダイアリーを持ってきました!」と頭痛外来でお話して下されば、専門医であればどなたでも理解していただけますので安心して使えます。 具体的な記入方法です。 痛みの程度を3段階の縦線で軽度は1本、中等度は2本、重度は3本といったように縦線をつけます。薬を飲んだなら何を飲んだか略号で書いておきます 日常生活への影響がでたのなら3段階の縦線で記入します。日常生活に支障がなければ1本、仕事や家事の効率が半分以下なら2本、何も手につかず横にならないとならないなら3本といった形です。ここのメモの部分には症状のマークと吐き気や前触れ、誘因を記録します。もし脈うつ痛みなら〇の中に「脈」と、重い痛みは「重」と書きます。また吐き気があったら「は」と書いて実際に吐いた時は嘔吐の「吐」を書きます。 メモは一日の出来事や前触れ、誘因や痛みの時に気になったことを書いておきます。 ご家族や職場の方の理解を得やすくするために記載しておくとどれだけ辛い日が多いのかを共有していただける可能性が高くなりますから是非頭痛学会にアクセスしてみてください。
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片頭痛(偏頭痛)の原因5つを解説!生あくび、肩こりは危険の合図!?頭痛ダイアリーの重要性!
◎片頭痛(偏頭痛)治療の現状 2019年の保険診療の解析をしている論文では日本人の片頭痛を持つ約16000人 のうち29%が予防的治療のみ、52%が予防治療と片頭痛治療薬で治療されていましたが、 予防治療は平均60日間と短期間で中止される割合が高く、そのまま予防的治療が 中止されたままでいる事も明らかになっています。 ◎片頭痛を引き起こす誘因5つ 1.ストレスから解放された後 2.空腹を我慢しすぎた後 3.排卵期前後や生理前後 4.ワインチーズチョコレートといった食事内容 5.生活リズムが崩れた時 (特に過眠後、便秘) 誘因が何かを考える時に、頭痛ダイアリーがとても役に立ちます。
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緊張型頭痛の治療法大解説!
今回は緊張型頭痛の治療について解説していきます。 治療としては大きく2つ薬物療法と非薬物療法があります。 非薬物療法としては筋電図バイオフィードバックや認知行動療法や リラクゼーション法といった精神行動療法の内容や、運動プログラムや 鍼灸療法がありますし、薬物療法としては2つの急性期治療薬と予防薬があります。 急性期の治療は薬物療法が中心ですが薬物治療により薬を毎日など何度も飲みすぎる事に よる頭痛(医学用語的には薬物乱用頭痛などといいますが)ならないように注意する 事が必要です。また緊張型頭痛は女性に多いので妊娠する可能性がある女性は 是非、頭痛専門医の先生とご相談していただきながら対応していただけたらと思います。 急性期治療としては痛みをとる治療が主体となりますので、代表的なアセトアミノフェン、 アスピリン、メフェナムサン、イブプロフェンがありますが、胃腸障害や妊娠期の方に 使えない薬もありますし毎日など薬を飲みすぎる傾向がある方には予防療法も併用して いただけたらと思います。 予防療法の中には薬物療法としての筋肉の緊張を除く作用を持つチザニンなど、 抗うつ剤のアミトリプチリンという薬以外に非薬物療法としての 筋電図バイオフィードバック療法や理学療法、鍼灸治療、運動療法として以前の動画に 挙げている頸や後頭部の筋肉の緊張をとるリラックスさせる運動、心理療法や 認知行動療法があげられます。心理療法や認知行動療法は心療内科という心と身体を 見る精神科とは異なる専門家もいます。