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衛宮士郎はビジネスモデルもコピーする

UBWルートでギルガメッシュと戦い、勝利を収めることができたfateの主人公、衛宮士郎。衛宮切嗣は予測変換できるのに衛宮士郎は『えみやしろう』と打っても変換できなかった私のパソコンですが、ともあれ完全に舐めプ状態であったギルガメッシュ相手に衛宮士郎は勝利したのです。
さて、衛宮士郎がギルガメッシュに勝つために必要だったプロセスが固有結界『無限の剣製(Unlimited Blade Works)』を繰り出すことですが、この技を使った時、衛宮士郎は次の言葉を口にします。

「そうだ、剣を作るんじゃない、俺は無限に剣を内包した世界を創る。それだけが、衛宮士郎に許された魔術だった。」

さて、この言葉、ちょいと邪な見方すると、ビジネスでも結構大事な要素がある気がします。
知っての通り衛宮士郎の魔術は投影です。投影に特化した魔術使い、それが衛宮士郎という人物です。しかし、衛宮士郎の神髄は造られる剣そのものに非ず、固有結界によって作られる『世界』の方なのです。
実はね、これと似たようなことをやってる会社があります。どこだと思いますか?
それはね、Appleです。Amazonも近いことをやってるかもしれません。

📱iPhoneは剣でiTunesは市場:ジョブズは宗教

偉大なるスティーブ・ジョブズはご存じの通り、iPhoneを作って世界の携帯電話を変えました。iPhone登場後、日本の電話機メーカーはすっかり存在感は失われ、Androidで世界を戦えているのはサムスン、シャオミ、OPPOなのです。
私は中古Xperiaを使っていますが、国内シェアでさえXperiaはAQUOSやGalaxyに及びません。AQUOSの製造メーカーであるSHARPは既に外資になっています。
ともあれ、日本のメーカーはスマホ市場では殆ど存在感は無くなっているわけです。
勿論、性能だけを考慮した場合、日本のスマホが世界のスマホと比べて劣るということは無いでしょう。ですが、iPhoneとXperia、価格が同じなら、殆どの人はiPhoneを買うでしょう。
じゃあiPhoneにあってXperiaに無いものは何でしょう。
衛宮士郎の言葉を振り返ってみましょう。彼は「剣じゃなくて無限に剣を内包した世界を作る」と言っています。
衛宮士郎の投影魔術において、作り出される剣というのは言わばプロダクト
(製品)です。いくら舐めプの状態とは言え、ゲートオブバビロンで無数の剣を放てるギルガメッシュ相手にプロダクトで勝負したところで、勝つことは不可能でしょう。
しかも衛宮士郎のプロダクトはコピーです。金ピカの持つオリジナルと比べて威力は劣ることになっています。
ギルガメッシュは現実世界で言うなれば、業界一位の大企業です。少なくともPC業界を見ればナンバー1は今もってMicrosoftでしょう。何せ企業ユーザーは殆どがWindows。スマートフォンだって大半はAndroidを使っている時代です。それでもAppleが高い利益を叩き出せるのは、iPhoneというプロダクトに非ず、iTunesを通して作り出される市場、Macとの一体感という世界観、スティーブ・ジョブズと言う名の宗教を作り出したこと。これがAppleの地位を確固たるものにし、MicrosoftやGoogleとも渡り合える巨大企業に押し上げたのではないでしょうか。

💻日本はビジネスモデルをトレース・オンすべし

ところで衛宮士郎の投影は単に武器を複製するというだけではありません。
「使い手の記憶もコピーする」というところが大きなポイントです。
少なくとも日本企業は「プロダクトを作る技術力」は今もって一流です。
中国のパクリ文化はネットでも良く言われていることですが、元はと言うと日本も一昔前まではパクリ大国だったのですよ。
艦これ好きな提督はご存じだと思いますが、比叡、榛名、霧島は金剛のパクリみたいなもんです。鉄道技術だって元は英国のパクリ(そもそも狭軌は英国から持ち込まれたし)。初期のフェアレディZもジャガーEタイプのパクリがスタート地点です。デジタルのハードウェアなんてメインフレーム時代にIBMのパクリをしたことが出発点みたいなもんだし。
で、日本は「プロダクトに関してはオリジナルを上回れる技術はあった」のです。少なくとも新幹線は安全性も加味すれば今も世界一でしょう(純粋な性能なら世界一では無いと思いますが)。在来線に関しても狭軌で走れる鉄道と言う意味では日本の電車はトップクラスと思われます。
そう、社会のインフラを支える重工業的なものに関しては、プロダクトで勝負はできたのです。
ただし、デジタル関連製品はそうも行きません。特に今後プロダクト以上に重要になるのはデータです。
プロダクト以上にデータの回収と運用が重要になる以上、プロダクトの技術力事態はそこまで大きな価値を生みません。
この点、中国企業は「ビジネスモデルをアメリカからパクる」ということに強かったと言えます。逆に日本はビジネスモデルをアメリカからパクれなかったのです。
ITなんて言うのは元はアメリカが原典です。プログラムもそうだし、マーケティングの仕方についても原典は今もアメリカが持ってるようなもの。
だから中国はコピーしたんですよ。アメリカのビジネスモデルの組み方を。だから中国企業は今、アメリカと対等に渡り合える実力を持つようになったのです。
ギルガメッシュが衛宮士郎に対して舐めプで掛かっていたように、アメリカも恐らく今まで中国に対して慢心していた部分はあったのではないでしょうか。今の中国がアメリカと比べて経済・技術ともに劣らないのはもう知っての通りです。
今後、日本の企業が再び世界でプレゼンスを発揮していくためには、シリコンバレーや深圳からビジネスモデルをパクれる人材が必要なのかもしれませんね。
トレース・オン!!

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