不動産を相続するときにやらなければいけない3つの事。
親が亡くなり、実家の家や土地を相続することになった場合、どのような手続きが必要でしょうか。また、相続税はいくらかかるのでしょうか。実家の相続には、さまざまな問題が絡んできます。このコラムでは、実家の相続に関する基本的な流れや注意点を解説します。
①相続人を確定する
まず、親が亡くなったら、相続人が誰なのかを確定する必要があります。相続人は、法定相続人と遺言による相続人に分けられます。法定相続人とは、民法に定められた親族の順位に従って相続する人のことです。遺言による相続人とは、親が遺言書を残していた場合に、その内容に従って相続する人のことです。
法定相続人は、次の順位で決まります。
配偶者と子
子がいなければ、配偶者と親
子も親もいなければ、配偶者と兄弟
配偶者も兄弟もいなければ、祖父母
祖父母もいなければ、叔父叔母
遺言書がある場合は、その内容が優先されます。ただし、遺言書は公正証書遺言や自筆証書遺言などの形式を満たしていなければ有効ではありません。また、法定相続分(法定相続人が最低限受け取るべき財産)を守る必要があります。
相続人が確定したら、戸籍謄本や戸籍抄本などの必要書類を揃えておきましょう。これらの書類は、後述する相続登記や相続税申告に必要になります。
②相続登記を行う
次に、実家の家や土地を相続する場合、土地と建物の所有権移転登記が必要です。これを相続登記と呼びます。相続登記は法律上義務ではありませんが、不動産の名義変更をしないと売却や贈与などができなくなります。また、不動産税や固定資産税も名義変更しないと正しく納められません。
相続登記は原則として3ヶ月以内に行うことが望ましいとされています。相続登記には、登録免許税と司法書士の報酬がかかります。登録免許税は、不動産の評価額に応じて決まります。司法書士の報酬は、不動産の所在地や相続人の数などによって異なりますが、一般的には10万円~30万円程度です。
相続登記の費用は、原則として相続人全員で負担することになります。ただし、相続人の間で話し合って、負担割合を変えることも可能です。例えば、実家を相続した子が全額負担することや、実家を売却した際の代金から差し引くことなどが考えられます。
③相続税を申告する
相続登記を行った後には、相続税の申告も必要になる場合があります。相続税とは、相続した財産に対して国に納める税金のことです。相続税の申告は、相続開始日から10か月以内に行う必要があります。
相続税の申告を行うには、相続税申告書という書類を作成して、国税局に提出します。相続税申告書には、被相続人や相続人の情報、遺産や債務の詳細、遺産分割協議書などが記載されます。相続税申告書の作成は、税理士や司法書士に依頼することができます。
相続税の申告が必要な人は、基礎控除額を超える遺産を受け取った人です。基礎控除額とは、相続税がかからない財産の金額のことで、令和4年度では3,000万円+600万円×法定相続人数です。例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は2,100万円(3,000万円+600万円×3)となります。この場合、2,100万円を超える遺産を受け取った人は、相続税の申告が必要です。
◯相続税を節税するには
相続税の申告を行う際には、相続税の節税も考えることができます。相続税の節税とは、相続税の負担を軽減するための方法のことです。相続税の節税には、生前対策と死後対策の2種類があります 。
生前対策とは、被相続人が生きている間に行う節税方法のことです。例えば、生前贈与や生命保険を活用することが挙げられます。生前贈与とは、被相続人が自分の財産を相続人に贈与することです。これにより、相続財産の金額を減らすことができます。生命保険とは、被相続人が死亡した場合に保険金を受け取ることができる契約です。これにより、相続人に資金を提供することができます 。
死後対策とは、被相続人が亡くなった後に行う節税方法のことです。例えば、正味の遺産額を抑えるや税額控除を検討することが挙げられます。正味の遺産額とは、遺産から債務や費用を差し引いた金額のことです。これを抑える方法としては、遺贈返還や遺留分減殺請求などがあります。遺贈返還とは、被相続人が生前に贈与した財産を返還させることです。遺留分減殺請求とは、法定相続人が遺言で不利益を受けた場合に、遺言による分配を変更させることです 。税額控除とは、相続税の計算時に差し引くことができる金額のことです。これを検討する方法としては、配偶者特例や寄付金控除などがあります。配偶者特例とは、配偶者に遺産を譲る場合に相続税を減免する制度です。寄付金控除とは、公益法人などに寄付した場合に相続税を減額する制度です。
相続は複雑で難しいし、考えることがたくさん
相続では、上記で書いてきた内容に加えて
相続登記の手続きや書類作成
相続人間の話し合いや調停
相続税の申告
遺産や債務の評価や計算
などなど複雑で難しく、考えなければいけないこともたくさんあります。
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