【2022.02.23に新設した看板へのせた願い】
3月も下旬にさしかかり、少し前の冬の寒さも薄れ。春の息吹とともに、私たちの記憶をほっこりと暖かい気持ちに誘ってくれているような気がして。世の中では想像を絶するような辛いニュースが飛び交っているのですが、熊本県は春の兆しを精一杯教授し。寒くも無く暑くも無い。一年の中でもとても貴重で過ごしやすく、気持ちもほがらかになる季節の到来を喜ぶように。
柔らかく、優しい空気で満たされているように感じる日々を過ごしております。
こんにちわ。センチャの高宮でございます。
新たに有機食材を使用したグラノーラを仲間に4年目を迎えるという事で、2022年2月23日、お店の外に新たに看板を新設することを決めていました。
看板設置当日は吐息すら白くなりませんでしたが、外に少し出るだけで手が赤く悴むような寒さの中、アーティストの北村さんが看板へアートを描いてくださっている過程をライブで見て頂ける様、ライブアートというイベントを掲げ、皆様のご協力を頂戴する形でイベントも無事終了し。看板へのアートも素晴らしい仕上がりで完成させてくださいました。
改めまして、当日の看板を設置してくださった岩本さん、看板へのアートを描いてくださった北村さん、イベント当日活版印刷のワークショップを開催してくださった長嶋さん、イベント当日に体をあててサポートをしてくださったセンチャファミリーの皆様、イベントのフライヤーを置いてくださったお店の皆様、イベント当日寒い中足を運んでくださった皆様、そしてお店の前を通ってライブペイントの様子を見てくださった、全ての方へ感謝申し上げます。
●写真/liz.graphic様
熊本県新大江にて、どのような意味を持つ看板にするのか。看板を新設するにあたり、看板へどんな命を宿し使命を与えたらいいのだろうか。
グラノーラ導入を決めた時から、私の心の中ではお店の経営とは別軸の、思いを馳せる時間が増えていきました。
ただお店を知って頂く集客のみに特化した看板ではなく、センチャを起点として”日常にもっと豊かさを”を提供するという当店の使命を店内での体験だけにとどまらず、外観からもお届けしたい。
そんな構想を考えるようになりました。
蝶が空を優雅に舞う時、小さい羽から、誰も気づかないような小さい空気の摩擦が地球の反対側にとても大きな影響を与える現象を例えたバタフライエフェクトのように。一見、なんの影響も無いような変化が次第に大きくなり、気づかない所で影響を与え、その連鎖の中で、少しづつ世の中が変わっていく。
お店の看板を新設するのであれば、少しでも社会的に意義のあるものにしたい。
まだ眠気も残り、靄のかかった思考に鞭打ち、車に乗り込む朝。午前中の家事や育児をひとまず終わらせ夕飯の材料の買い出しへ、家族の顔を思い浮かべ夕飯の献立を頭の片隅で考えながらハンドルを握る午後。一日の出来事を振り返る余裕すら無く帰路へつくためアクセルを踏み込む夕方。。。
人には人の地獄の中で一人一人の理想があり、理想と現状の乖離をかかえ、他者には言えず硬く胸にしまっている葛藤と対話しながらセンチャの前を通ると、ふと看板が視界に入る。
劇場では顔を隠し、演劇が滞りなく進むためにサポート役に徹する最高の黒子の様に、新大江2丁目にあるOff-Grid Cafe Cenchalloresの前を通ってくださった方々へ新設した看板を通してポジティブなバタフライエフェクトを起こす事ができたとしたら。
世界の中の日本、日本の中の熊本、そして熊本の中の新大江から。『大切にしてもらいたい』という人間なら持ち合わせている欲求にふれるエフェクトを発信できとしたら。
カフェという業態を超えて、どれだけの貢献ができるのだろう。
この構想を懐にしまい、看板へアートを描いていただけないかというお願いと共に、福岡を拠点に活躍されていらっしゃる北村磨(キタムラ オサム)さんへ相談させていただいたところ、快諾して頂き、今回新設した看板へのアートが完成いたしました。
●写真/liz.graphic様
このアートにのせた願いは『大切にしてもらい』という欲求をアートを見た人に潜在的に感じていただくことで、ポジティブなエフェクトの起点を新大江2丁目のセンチャから創造する事。
To soften the asphalt that has been stepped on strongly. The tears shed are also to make the flowers bloom. "Vivid comes first"
強く踏んできたアスファルトも地面を柔らかくするため。流した涙も花を咲かすため。鮮やかさはこの先に。
このアートを描くために北村磨さんが紡ぎだしてくださったアートのコンセプトです。
このアートのベースには黒色のインクで薔薇が描かれています。
2022.02.23から新大江に産声をあげたアートからどのようなエフェクトを発信できるのでしょうか。お店の経営と合わせて見守り、一緒に過ごしていきたいと感じております。
看板にのせられた願いを知ってくださったうえで、改めてアートに目を通すと、今までとちょっと違った見方ができるかもしれません。
当店、私に関わる方へ少しでも。
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