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【スト6】中級者こそモダンを使え!~脱・格ゲー苦手勢への道~

スト6発売からモダンを使い続けてきて思ったことはタイトルの通り。
ここで言う中級者とは現在のスト6でのランクではなく、前作スト5の最終ランクがゴールド~ダイヤ帯ぐらいの人を想定している。

世間一般からすればかなり強い。
ただ、これぐらいのランクの人の実感としては「中級者」というのは要するに、、

格ゲー苦手勢ですよね!?

モダンは「初心者にオススメ」とまず言われる。プロや上級者は現状ほとんどがクラシックながら、モダンで強いキャラを開発している人も出始めている。

では、中級者はどうすればいいのか?現状、ほとんどがクラシックを使っていると思うが、ここではあえて「モダンを使え」と言いたい。

私自身はスト5でスパダイまでいけたが、結局ウルダイやマスターには上がれず、体験版で触ったときからスト6はモダンでいこうと思っていた。
実際にモダンキンバリーを使ってまず目標としたダイヤまでいけて、モダンでもマスター目指せると思えたので、ここまでの印象を書いてみる。


中級者とは?

もちろん、中にはちょっと遊んだらすぐに目標としていたランクに到達したのでやめてしまったという人もいるだろう。
ただ、多くの人は何百時間、人によっては何千時間も費やしながら上のランク帯に上がれなかった、あるいは、LPが停滞してやめてしまったという人ではないだろうか?駆け足でダイヤやマスターへ上がっていく人たちを横目にしながら。

そんな、決して格ゲーが得意ではない人たちが「中級者」。

別にコマンド入力だってできるし、コンボだって練習すればできるはずなので、あえてモダンを使う意味はないように思える。

格ゲー上達のサイクル

モダンの話に入る前に、格ゲーはどうやったら上手くなるのか。そのプロセスを考えたい。
格ゲー上達のサイクルはこの図のような感じ(のはず)。

スト6が発売されてから、プロや上級者の方々が一から攻略を進めていく様子を配信してくれているのは非常に勉強になる。
ランクマしながらわからないところがあればすぐにトレモで調べ、練習し、また実戦に戻る。このサイクルが染み付いている。時間当たりの成長度合いが高い。

格ゲーにおけるPDCAサイクル(※)が機能している。
「上手い人がいるのではなく、上手くなるのが早い人がいる」ということなのだろう。

※ Plan, Do, Check, Actionの頭文字を取ったなんかビジネスで横文字好きな人が使う言葉

何故我々は中級者から抜け出せないのか?

それでは、何故私たちは成長が止まってしまうのか。それは、この格ゲーPDCAが上手く回ってないから。

まず多いと思われるのが、そもそも成長する取り組みになっていない。
a) ランクマばっかり
a') トレモばっかり

自分の好きなことをしているのでゲームとしては楽しいが一定レベルから上達はしない。スト6からモダンで始めた初心者にこの先追い越されていったとしても、「自分エンジョイ勢なんで、、」という意志を貫けるならこれはこれでいい。

しかし、「あとからきたのに追い越され、泣くのが嫌ならさあ歩け」と水戸黄門も言っている。
上達したいなら次の②に進んでいかないといけない。

で、特に問題なのは「b) 原因分析が間違っている」というパターン。

モダンが中級者にとって救世主となる理由

敗因分析が適切になる

負けたときの敗因分析としてどんなことを考えているか?
・今のは相手が上手かった
・この組み合わせはキャラ差があるから負けてもしょうがない
という漠然としたものは論外だが、自キャラの操作にいっぱいいっぱいだと、よくわからないうちになんとなく負けてるということは多い。

中級者の人たちは自分が上手くないと思っているので、「◯◯ができてないから負けた」、「もっと高いコンボができれば勝ってた」というように、自分側に敗因を求めがちなんじゃないかと思う。
それでマッチング間のトレモでただコンボ練習を繰り返してる。

スト5だとプラチナ帯でも難しいコンボをきっちり決めてくる人は結構いた。何ならゴールドぐらいでもコンボは完璧という人はいた。
そこまでできて試合数もかなり重ねているのにランクは停滞している。

おそらく敗因分析が適切じゃなくて、効果の低い努力を続けてしまっているのだと思う。

中級者の敗因分析にありがちなのが「対空昇竜が出てればなぁー」というもの。それで、ひたすらトレモで対空昇竜出す練習する。

もちろん重要な練習であることは間違いない。ただ、練習ではできるのに、実戦で対空が出ないのは他に理由があるのでは?
例えば、相手がどう攻めてくるのかわかってなくて、QJK(※)の状況になってしまっているのではないか。

※ 急にジャンプが来たので

その場合、対空昇竜の練習をするだけでは足りず、「この距離ではこのキャラはこの技を牽制で振って、タイミングを見て前ステか飛んでくる。牽制にはこうやって差し返しを狙い、飛んできたら対空で落とす」という理解・整理をしておくことの方がより重要ではないか。

しかし、中級者は「自分のできなかったこと」により意識が向きがちで、相手への対応がおろそかになっている。

ここでようやくモダンの話が出てくるが、モダンであれば対空昇竜は意識さえしてれば絶対出せる。つまり、対空出ないというのは相手の飛びが意識になかったということ。

モダンを使ってて一番感じたメリットは操作の負担が減ることで「対戦に集中できる」ということ。さらに、敗因分析としてコマンド入力等の操作ではなく、立ち回りや意識配分といった対戦ゲームとしての本質的なところに目を向けられることだと思った。
その結果として、対戦後に対策すべきポイントが明確になる。


スト6では対空の代わりに「ドライブインパクト返せてればなぁー」という嘆きが多くなると思われる。
これも対空昇竜と同じで、「反応が鈍いから鍛えなきゃ」というので、ひたすらトレモでドライブインパクト返す練習に突入してしまうと同じことになってしまう。
この練習自体は無駄ではないと思うが、敗因分析がそれだけに留まってしまうと成長が限られるし、それでもなお返せないと「自分は反応が遅くてインパクトが返せない、向いてないから引退する」となりかねない。

どういうときに相手がインパクトを撃ってくるのか、インパクト以外の選択肢に何があるのか、という整理ができていれば返せる率は上がるはず。

現状、プロだって画面中央のインパクトを全部返せてるわけじゃない。ただ、返すべきときにきちんと返せてるのは(多分)反応がずば抜けてるのではなく、危ない場面で「ここはインパクト撃つでしょ!」と意識配分ができているからだと思う。

より対戦に集中する、自キャラの操作だけでなく相手の動きに意識を向ける、アシストコンボを出しているときにゲージ状況に目を向ける、こういったモダンを使うことによる「目に見えないメリット」が格ゲー力を上げるために非常に有効だと感じている。

対策の習得しやすさ

もうひとつのメリットはコレ。
トレモで調べたり解説動画とか見て対策がわかったとしても、器用ではないためにそれを身につけるまでに時間がかかる。

「この技は昇龍拳で返す」、「この状況では最大コンボが入る」と言われても、実戦で使えるレベルまでは何時間もかけて練習する必要がある。

最初に挙げた「ランクマばっかり」に陥ってしまうのは、対策すれば効果出るのがわかっていても、成果が出るまでに時間がかかるのもわかっているから。
いわゆる現在バイアス(※)によって、対策を先延ばしにしてしまう。

※ 1年後の100万円より、目の前の50万円の方が価値が高いと思ってしまうような話

毎日4~5時間もゲームする時間があるわけじゃない。仕事や学校を終えて、一日の余暇を楽しく過ごすためにゲームしているのに、なんでわざわざ自分の敗因(ダメなところ)に目を向け、残りの時間を対策の練習で終わらせないといけないのか。
それだったら対戦してる方が今日は楽しいというのは当然の話。


そこをモダンだったらとりあえず簡易入力で昇龍拳は出るし、コンボにしてもまずはアシストコンボや一部簡易入力を混ぜて完走できるようにしておけば、そこそこの練習で実戦投入できる。
それで対策として間違ってなさそうならちゃんとフルで完走できるように伸ばすとか、対策が間違ってそうなら敗因分析に立ち返る。それによって格ゲーPDCAサイクルを早く回すことができる。

一生懸命練習した末にようやく実戦投入したら敗因分析・対策が間違ってたとなると2周、3周遅れになっていく。

それでもモダンに抵抗がある理由

でもモダンって弱いんじゃないの?

ここまで読んでも、なおモダンに抵抗がある理由として代表的なものはこれではないか。プロだってほとんど使ってないし。
通常技一部出せないとか、必殺技もコマンドで出せないのがあるとか。

クラシックでMax100のパワーが出るとしたら、モダンでは80までしか出せないのではないかという不安。

でもね、、

そんなのは70~80ぐらいのパワーを引き出せるようになってから考えればいいんです。
我々はせいぜい50~60しか引き出せないからマスターに上がれなかったんです。


100同士で戦うことを前提にキャラ選びをしているプロとは状況が異なるのは当たり前。

ただ、まだ全キャラは触れてないが、キャラによってモダン適正の格差はありそう。中にはモダンだけどMax100か、さらには100以上のパワーが出るキャラもいそうで、そういうキャラは今後プロで使う人も増えてくるはず。現状だとルーク、ジュリ、マリーザあたりはいけるのではと言われている。

逆にモダンだと50までしか出ないというキャラがいるかもしれないので、実際使ってみてそう感じたらクラシックに戻すか、キャラを変えるかすればいいと思う。中級者からすればモダンからクラシックにするのはむしろそんなに問題ないはずなので。また、今モダンで弱いキャラも今後の調整で最適化されていく可能性もある。
いずれにしろ最初からモダンという選択肢をなくしてしまうのはもったいない。

モダンの方が難しく感じる

もうひとつは「クラシックの方が操作に慣れてるし、簡単」というもの。
確かに今までのストリートファイターに慣れてる人からすると、モダンの方が最初難しく感じる。
ただ、これも一週間ぐらい練習すれば慣れるはず。ボタン配置含めて自分のやりやすいものを探っていくのが大事。特にAutoボタン(アシストボタン)は研究の余地あり。
アケコン使っている人はこれを機にパッドも視野に入れていいと思う。

また、「モダンでクラシックと同じ動きをする」というのは確かに難しい。ただし、モダンにはモダンなりの戦い方があるので、それを考えていくことが大事。

ひとつ言いたいのは上のランクで戦おうとしたら「モダンでもクラシックと同じく練度が要求される」ということ。操作が簡単というのと勝つのが簡単というのは別の話。

「モダンで楽して勝ちたくない」、さらに言うと「モダンで楽していると思われたくない」と思ってる人もいるかもしれないが、上にいけばいくほどそんなこと思う人は少なくなる。その歪んだ思考こそが勝てない要因とも言える。
ゴールドぐらいまでなら確かにモダンが強すぎると感じるかもしれないが、上にいくほどモダンのデメリットも目立ち、バランスが取れてくる。
発売前こそ色々懸念されていたが、非常によくできたバランスだと思う。

モダンは誰を参考にしたらいいかわからない

あとは「モダンの攻略情報がほとんどない」というもの。
これは逆にいい環境だと思ってる。情報が少ないということは自分で攻略を進めないといけないということ。

中級者であれば既にある程度の格ゲー力はあるはず。
誰かの作った攻略をなぞるのではなく、モダンキャラの強み、弱みを自分で考えて(あるいは他の人と情報交換しながら)レベルを上げていくことで、「攻略力」が身についていくと信じている。

これから長く付き合っていくスト6。目先の勝利ではなく、長期に渡って使える力を今から鍛えていくほうが、結局はマスターへの近道なんじゃないかと思う。

おわりに

ダイヤに上がるまでプラチナ帯での対戦が長かったが、体感95%ぐらいがクラシックだった。たまーーにリュウかルークでモダンがいるぐらい。

「中級者」でありながらクラシックにこだわり続ける人たち。今はゲームが出たばかりで学ぶことが多く、やればやるほど上達を感じているはず。
しかし、どこかでまたスト5と同じように停滞し、おそらくこの先スト6からモダンで始めたプレイヤー達に抜かれていくだろう。
今まで書いたようにモダンの方が成長が早い可能性が高い。

それでも今までと同じクラシックを続けますか?
一度偏見をなくしてモダンを触ってみてほしい。

上達するために必要なことって対空やコンボ練習以外にもいーーーーーっぱいあるんだな、というのを実感している。

今後はモダンキンバリーでマスターを目指しつつ、他のキャラもモダンで触っていきたい。

ぶっちゃけモダンうんぬんの前にスト6のトレモが神すぎて上達が早いのではという気もしている。

追記(6/25)

本当にマスターまで到達できた。自分の仮説は間違ってなかった。

モダンありがとう!