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ビデオゲーム史:『スペースウォー!』

 ビデオゲーム史について,作品ごとにまとめたメモを書き残していきたいと思います。今回は『スペースウォー!』(Spacewar!) を扱います。


概要

 ブラウン管を使用した最初のビデオゲームとされています。1962年に開発されました。開発者は,マサチューセッツ工科大学(MIT)に所属していたスティーブ・ラッセルたちです。『テニス・フォー・ツー』(1958年)とともに「最初のビデオゲーム」といわれることが多く,ビデオゲーム史には必ずといっていいほど登場します。

 2人でプレイする対戦型のゲームです。プレイヤーは「くさび (Wedge)」と「針 (Needle)」と呼ばれる宇宙船の片方を操作します。DEC (Digital Equipment Corporation) 社のコンピュータであるPDP-1 (Programmed Data Processor-1) 上で動作していました。


作品メモ

 以下は,YouTubeにアップロードされている動画へのリンクです。

https://www.youtube.com/watch?v=ZfEBmGgKtmI

 プレイヤーは,ミサイルで相手を破壊することを目的とします。自機が被弾するか,または,太陽を模した画面中心部分に追突すると負けになります。

 開発者たちは,MITのコンピュータマニアの集団だったといわれています。また,当初から著作権は放棄され,自由にプログラムのコピーや改造が可能だったといわれています。評判になった1962年以後も,数多くのコピー版が生まれました。オリジナル版は対戦専用で,1人では遊べません。

 オリジナル版を動作させていたPDP-1というコンピュータは,アメリカの歴史博物館(Computer History Museum)にあります。Webサイト上で『スペースウォー!』が紹介されています。

https://www.computerhistory.org/pdp-1/spacewar/

(Computer History MuseumのWebサイトへのリンク)


 以上,ビデオゲーム史シリーズの2つ目の作品でした。実際にプレイしてみるとわかりますが,今のゲームと比べるとできることは非常に少ないです。ゲームの開発や研究にご興味があり,この作品をプレイしたことがない方は,ビデオゲーム展示イベントなどで,ぜひレプリカに触れて,限られた開発環境での面白さのデザインについて考えてみることをオススメします。

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