ビデオゲーム史:「アタリ2600」
ビデオゲーム史について,ゲーム機ごとにまとめたメモを書き残していきたいと思います。今回は「アタリ2600」(Atari 2600; Atari VCS) を扱います。
概要
アタリが開発したROMカートリッジ交換式の据え置き型家庭用ビデオゲーム機です。当初はVideo Computer System (VCS) という名称で,1977年に発売されました。8ビットCPUであるMOS 6507を使用していて,発売時の価格は199ドルでした。ジョイスティックと『コンバット』(Combat) という対戦型シューティングゲームのカートリッジが同梱されていました。
初期の売り上げは不調でしたが,ヒット作となっていた『スペースインベーダー』が1980年に移植されたことによって,大きく売り上げを伸ばしました。1982年に発売されたアタリ5200 (Atari 5200) に合わせて,アタリ2600と改称されました。1982年末までに合計で1100万台が出荷され,家庭用ビデオゲームの市場を拡大させたことが知られています。
「アタリ2600」(Photo by Evan-Amos, from Wikimedia Commons (2020/9/9) Retrieved from https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Atari-2600-Wood-4Sw-Set.jpg)
ゲーム機メモ
前回の記事で紹介した「チャンネルF」に対抗して作られたゲーム機だといわれています。発売されてからしばらくは売り上げが振るわなかったものの,『スペースインベーダー』がキラータイトルとなって一気に普及したということは有名な話です。1983年のゲーム市場の崩壊として有名な「アタリショック」前まで,アタリの売り上げをけん引し続けたことが知られています。
価格は決して安いとはいえず,日本への輸入販売はあまり成功しませんでした。また,後継機としてのアタリ5200は,アタリ2600との互換性がなく,1984年に販売停止になっています。
以上,ビデオゲーム史シリーズの4つ目のゲーム機でした。エポックメイキングなゲーム機のひとつであることは間違いありません。