ビデオゲーム史:『テレビテニス』
ビデオゲーム史について,作品ごとにまとめたメモを書き残していきたいと思います。今回は『テレビテニス』(TV Tennis Electrotennis) を扱います。
概要
日本初の据え置き型家庭用ビデオゲーム機です。1975年にエポック社から発売されました。このゲーム機では『テレビテニス』しかプレイすることができないのが特徴です。ゲーム機本体のパドルを操作してボールを打ち合うという,『ポン』と似た内容のゲームです。
UHF帯の電波を用いて,無線でテレビと通信します。スコアは画面に表示されません。そのため,ゲーム機本体にあるダイヤルを使ってプレイヤーがスコアを記録しなければなりません。
作品メモ
ひとつのゲームしか遊べないゲーム機でしたが,電波通信なので,このときすでにワイヤレスの機器でした。アメリカの電子機器メーカーであるマグナボックス社(Magnavox)と技術提携して開発されました。
価格は19500円で,販売台数は約1万台だったといわれています。以下は,YouTubeにアップロードされている動画へのリンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=iTLe4c7IozA
2つのパドルを回すことで,ラケットを上下左右に動かすことができるようになっています。赤色のゲーム機本体に,左右2個ずつのパドルがついているのがわかります。
以上,ビデオゲーム史シリーズの7つ目の作品でした。初期の有名なゲーム機といえば「ファミコン」です。玩具メーカーのエポック社から発売されたワイヤレス機器が日本初だということを知ったときは,驚かされたことを覚えています。今でこそワイヤレスのゲーム機はたくさんありますが,アイデアの源はファミコン以前からあったというわけです。