ビデオゲーム史:『平安京エイリアン』
ビデオゲーム史シリーズとして,作品ごとにまとめたメモを書き残しています。今回の作品は『平安京エイリアン』(Digger) です。
概要
固定画面アクションゲームで,当初は東大生が作ったゲームとして有名になりました。1980年に稼働を開始しました。開発元は東京大学理論科学グループ (Theoretical Science Group; TSG) で,発売元は電気音響です。アメリカでは,セガ・グレムリン (Sega/Gremlin) 社が許諾を受けて,Diggerというタイトルで製造しました。
プレイヤーは,検非違使を操作して碁盤の目のように区画されたステージの通路に穴を掘り,穴に落ちた敵のエイリアンを埋めて倒します。エイリアンを倒すことでスコアを獲得します。
エイリアンが穴に落ちてから埋めて倒すまでの時間が短いほど,高いスコアを獲得することができます。穴に落ちたエイリアンは,一定時間が経過するか,または他のエイリアンが接触することで,穴から脱出します。検非違使がエイリアンに触れると失敗となります。
検非違使の前後に穴を掘る「隠居掘り」や,十字路の4方向に穴を掘る「アキバ掘り」など,いくつかの攻略法が考え出されました。
作品メモ
以下は,YouTubeにアップロードされている動画へのリンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=nu-ehtiP-kk
1979年の夏頃に開発され,10月にアミューズメントマシンショーで発表されました。最初はApple II版として開発され,1979年11月の東大の駒場祭で公開されました。電気音響からアーケード版が発売されたのが1980年1月です。
シンプルなルールでありながら,プレイヤーに戦略を考えさせるタイプのビデオゲームとして,デザインのアイデアが注目されたことが知られています。
以上,ビデオゲーム史シリーズの17作品目でした。16作品目として紹介した『パックマン』と発売の順序が前後します。『パックマン』までのナムコのゲームについての記事を連続させるという意図がありました。次回以降も,リリース時期の順にこだわらずに書いていく予定です。
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