読書の梅雨
完売してからの紹介で非常に申し訳ないのですが
どうしても話したい気分なので、、、。
THE BRITISH ISLES by Jamie Hawkesworth
Jamie Hawkesworth(ジェイミー ホークスワース)による13年間のポートレイトをまとめた作品集。
本日のBLOGはまだこの写真集を見たことない方や
バイアスをかけずに純粋に本を楽しみたい方は
これ以降、解説と私見が含まれるため読まない方が良いかもしれません。
私物を貸出し可能な状態でお店に置いていますので
気になる方はぜひ、お声がけください。
、、、、さて。
ジェイミーは1987年イギリス生まれのフォトグラファーで
世代的には同じくイギリス出身のデザイナーJonathan Anderson(ジョナサン アンダーソン) とも近く
ジョナサンとはJW Andersonの立ち上げから一緒に仕事をしており
彼らが新時代のファッションの開拓者であることは
現在のファッション情勢をみれば明白でしょう。
ジェイミーがファッション業界にビジュアル面で成した貢献は大きく
まるでその場の空気を支配するような、郷愁、憂い、静謐、今っぽくいえばエモい写真みたいな、、、。
大きな潮流を作ったのではないかなと思います。
他の作品でも見てとれますが、
構図が違えど被写体が違えど
ジェイミーの写真は彼が撮ったものだとはっきりわかるのです。
純粋にありのままにこの世界を受け入れている。
かといってありふれていない、非凡な才能が垣間見えます。
余談ですが写真集を広げてみて
誰かと雰囲気が似てるなー、、、と思っていつつ。
この本を買ってから1,2年と時が過ぎ。
モヤモヤしながらながめていたのですが
その答えが昨年ようやくわかりました。
17世紀オランダを代表する画家 Johannes Vermeer(ヨハネス フェルメール)です。
たまたま、大阪市立美術館でこの絵が来てるのを見て
あ、これや!となりました。
フェルメールは特別日本人好みとも言われますが
作品を目の前にすると
まるで僕らは時が止まったかのような、
絵には空気がとどめられたような。
そこに静寂があります。
自然光を取り入れたり、カメラオブスクーラを使用したりと
絵画技法において後世の画家たちに影響を与えたことは有名ですが
つい見落とされがちなのは、あくまでも風俗画家として
当時の人たちのありのままの姿を写す。
記録、、、という本来の絵画の役割を果たしているということです。
(30点弱と寡作ではありますが)
ジェイミーとフェルメールに共通しているのは
静謐の奥にある、作家の独自性。
被写体のありのままの姿を写し、何気ない風景や何気ない日常を丁寧に切り取っていることです。
このTHE BRITISH ISLESではイギリス全土のあらゆる人や場所が収められています。
あてもなく、歩き続け。
全くシャッターが切れない日もあったそうです。
誰のためでもない、何のためでもない。
反射的に。
撮りたい。という思いのままに。
カメラを覗く、その視線の先には写真の本質が写り込むようにと。
祈りを込めて。
そんなジェイミーの作品を是非、ご一読ください。
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