5/15(日)の日記:d47食堂@渋谷ヒカリエにて
上京したばかりの頃、真っ先に向かった場所がある。
奥沢のd &departmentだ。ナガオカケンメイという人が作ったその場所は、学生時代に得た数少ない知識の中で、超絶おしゃれ(言い方笑)なスポットで、私の中では聖地のように感じていた。
カリモク60という破産寸前だった家具のデザインの素晴らしさに目をつけ、見事に返り咲かせた(事実は違うかもしれないのだけれど、そう思っていた)というストーリーなども相まって、民藝や、大嫌いだった田舎の郷土料理の素晴らしさに気づかせてくれたのは、ナガオカケンメイさんだったと思う。
東京中の人がナガオカケンメイを知っていると思って上京したのだが、もちろんそんなことはなかった。
当時編集プロダクションで働いていた私の給料は手取りが13万円程で(何故かバイトから正社員になると手取りが減るスタイル)、素敵な椅子とか学校給食で使っていた小物入れや教室の椅子などがやけに高級なお値段に設定されていて欲しいものは何も買えなかったので、1000円くらいの業務用みたいなシャーペンを買った。でもすごい楽しくて、わくわくしたことを覚えている。私、東京に来たんだなって。いつかあの家具を買えるようになりたいなって思った。
それから10年後くらいに、渋谷ヒカリエができて、その8Fにd47食堂ができた。初めてそこで食事をした時、感動した。あの奥沢から始まって、コツコツとナガオカさんやd &departmentの編集者たちが全国を周り、地元の方々との繋がりを得て、選りすぐりの食材を集めてできた全国の郷土料理が現地に行かずともここ渋谷にくればいちどに味わえるなんて、なんと贅沢な場所なんだろう……!
比較的渋谷には出やすい路線に住んでいたので、そこから何度か足を運んでいる。土日はすごい並んでいるので、平日がおすすめ。一番美味しかったというか嬉しかった定食は、学生時代を過ごした宮崎のチキン南蛮かな。
そして今日は娘とd47食堂に行ってきた。本当は後輩も誘っていたのだけれど、残タスクがありすぎてこれないという。日曜日なんだけど……平日も夜中まで仕事しているみたいで、デザイナーである彼女の体が本当に心配。ご飯中の娘の写真を送れというので送る。
最近真剣に会社を辞めることを考えていて、毎日をどう生きることが自分のために、娘のためになるのかをずっと考えている。お金も必要だけど、私にとって一番大事なものってなんだっけ?と。
いい食事をすると、複雑に絡み合っていた悩みのようなものがどんどんシンプルになって、ストンと腑に落ちるような感覚がある。
もう少ししっかり考えて、後悔のない40sを過ごしていきたいな。
ごちそうさまでした!