その怒りはどこから?
小さい頃から、母はとてもキレやすかった。
とにかくヒステリックで、自分の思い通りにならないと、すぐキーッと頭に血が上り、私に当たり尽くした。そしていつも、祖母の悪口を言っていた。
ずっと思っていた。絶対にあんな母親にはなるまいと。もし自分が母になる日が来たら、精一杯子供に愛情をそそぎ、抱きしめ、絶対に不安な気持ちになんかさせない。自分の感情のはけ口にするようなことだけはすまいと。
そして今、娘に怒りをぶつけない代わりに、私は夫に怒りをぶつけている。
夫は完全に犠牲者で、自分の怒りをコントロールできずに、子供のように突如キレる私に、傷つき、驚き、失望していることだろう。
「俺にはいくらでもぶつけていいから、◯◯(娘の名前)にだけはやらないで」
そう言っていた夫も、さすがに先日の私の理不尽なキレ方に途方に暮れてしまい、珍しく私を罵倒した。
あまり喧嘩をしない夫婦だったが、子供が生まれてから、言い合いをすることが増えた。
原因は大体、私のアンコントローラブルな“怒り”のせいだ。
夫にひどい言葉を投げかけていた私は、同じことを自分にされて急に冷静になった。
「ごめん。自分でもどうしていいのかわからない。こないだサクちゃんのnoteを読んで、“あ、これ私だ。本当に気をつけなきゃ”って思ったばかりだったのに。
怒るっていうことは、その相手を信頼していない、ということなんだって」
怒りをそのまま人にぶつけてしまったり不機嫌な態度で人を動かそうとするのは、プライドが高くて人を許せないとか自信がないから言えないという理由があって、その裏には「相手を信頼していない」という原因がある。
すると夫は即答した。
「だから俺、怒るんだよ。なんで一番信頼してほしい人が味方じゃないのかって」
「あとちょっと、プライドが高いんだよな」
「そうだね……」
この喧嘩というか、私のヒステリックがGWの序盤で、この長いおうち時間をどう過ごしていくのかと、キレている最中は心配だったのだが、このやりとりの後、なぜか私のメンタルは凪のように落ち着いた。
夫が締め切りに追われている間、娘と二人で近所を散歩したり、オンラインでやっと買えたSunday Bake Shopのパンケーキキットで優雅な朝ごはんを食べたり、そして太ったりして、平穏なGWを過ごしている(今のところ)。
あとはやり残した仕事を明日中にできれば最高なのだけれど。
(つづく)