[事例]経営からの「月イチメッセージ」の実行プロセスとポイントの話
こんにちは!CCO(チーフ・カルチャー・オフィサー)の竹谷です。
今回は前回お話した読書会から生まれた企画である「月イチメッセージ」についてお話しますね!
この月一メッセージとは、経営が何を考えているのかを定期的に発信し、従業員に今考えていることや向かっている方向、戦略の背景の理解を深めてもらうために始めたものになります。
弊社は完全リモートワークです。
それはとてもありがたいのですが、リモートワークが続くとただでさえ遠い経営との距離がさらに開いてしまいます。
そうすると、
「経営がなにを考えているかわからない」
「言っていることが毎回変わるからどこを目指しているかわからない」
などの声が従業員から漏れる状態になりかねません。
そんな背景からスタートしたこの月一メッセージの企画から実行までのプロセスについて今回はじっくりお話いたします!
なので、
「経営からのメッセージ配信してみたいけど、やり方がわからない」
「従業員から『経営がよくわからない』と言われる」
「もっと全社の一体感のようなものを醸成したい」
など考えている方は必見です!
それでは、早速いってみましょう!
結論:目的に合わせた定番ネタを内部で集める
こういうメッセージ配信系の施策の場合、一番困るのがネタ集めになることが多いと思います。
SNSなんかもそうですね。
よくネタがないという声を聞きますが、そんなときは初心に戻りましょう。「そもそも何のためにやり始めたのか」これが一番大事です。
結局は何かしらの目的を達成するためにやっているので、それを見失うことなく実行し続けましょう。
ただ、今回はSNSではなく、社内メッセージとなります。
目的によりますが、定番となるネタを外部に依存すると集めるのが難しくなるので、内部で完結するものにしたほうがよいです。
さらに定番以外にも不定期なものを発信する場合には従業員も巻き込んで、一緒に作っていきましょう。
部署内で影響力のある人を巻き込むことで、自然とメンバーも気になって見たり聞いたりするようになります。
そうやって参加する習慣を醸成することもポイントになります。
実行プロセスとポイント
それでは、ここから私たちが実行してきたプロセスをお話していきますね!
0.背景(Before)
オンライン時代になり組織のサイロ化(自部署以外の情報が見えにくくなっている状態)が加速しています。
特に業務が自部署だけで完了する場合、他部署とのコミュニケーションが不要となります。
そうすると普段から自部署のメンバーとしか話さなくなります。
意図的にコミュニケーションを取らなければ、他部署との会話が生まれることはありません。
経営層との会話となればさらにその壁は高く厚くなります。
全社会議や方針発表などでしか、話を聞く機会を持てません。
しかし、週1回行われる全社会議では、業績進捗の共有だけとなります。
これだけでは目の前の話に終始してしまい、長期的な視点では何を考えているかはもわからないままです。
また方針発表は3ヶ月に1度の実施となるので、期間が空くことにより、前回の話を覚えていなかったり、新しいことが発表された場合は急にアップデートされた印象を抱いてしまいます。
こういう状況が続くと従業員はどんな印象を持ってしまうでしょうか?
例えば、
「他部署がなにをやっているのかが全然わからない」
「会社がなにを考えているのか、どこに向かっているのかわからない」
「経営はいつも違うことを言っている(気がする)」
とこんな感じになるかもしれませんね。
こんな状態で「一体感を持とう」などと音頭を取ったとしても効果は得られませんし、何よりミッションの達成などもってのほかです。
当時のアンドデジタルがこのような状態だったわけではありませんが、もっと経営との距離を縮めたいと考えていました。
読書会の書籍の中でこの施策を見つけ、「めっちゃいい!」と思い、企画案をまとめ代表の伊藤へ提案しました。
1.企画(初期設定)
まずはこんな感じのことをやりたいというのをスプレッドシートにざっくりとまとめました。
意識したのはやはり目的です。
この目的とねらいをしっかり考えておけば、そのメッセージは勝手に決まります。
今回一番に考えたのはやはり経営との距離を縮めるということでした。
リモートワークに伴い物理的な距離は開いてしまったが、伊藤の声がきちんと届き、全社員がその考えや方向性を認識してほしいと考えていました。
そうするとやはり伊藤単独で話す際にはミッションや行動指針をベースとした話がよいと思いました。さらに、方針発表などが実施された後にはその意思決定の背景などを話す必要があると考えました。
ただ、方針発表後に発表した内容の背景を話すのでは結局急に変わったという印象を持ってしまうかもしれません。
そのため、この月イチメッセージの中で日々考えていることや方向性を伝え、方針発表の際にいい意味であまり驚きがないようにしようと考えました。
ただ、メンバーからしたら通常業務で手一杯なのに、わざわざメッセージを聞くのはハードルが上がると思いました。
そこで、自分ごと化しやすいように伊藤以外の方(他経営層、マネジメント層、メンバー)にも登場してもらい、自分にとって身近だと感じるようにしました。
2.実施における論点
そして、論点となったのは①配信プラットフォームと②撮影方法でした。
まずは①配信プラットフォームです。
候補になっていたのはこんな感じでした。
弊社では自社プロダクトとしてジッセン!というeラーニングプロダクトがあります。そのLMS(ラーニングマネジメントシステム)*1を使うのが一番いいだろうと考えていました。
しかし、当時はまだ新しいプラットフォームが完成しておらず、完成を待っていると、この施策の開始が遅れてしまうため、別ツールを利用することにしました。
他のツールを選ぶ際に、一番気にしていたのはプラットフォームはできる限り増やしたくないということです。プラットフォームが増えるだけで見るハードルが高くなり、離脱してしまう懸念がありました。
ただ、まずはやってみようと言うことから、見るまでのハードルが最も少ないSlackへの投稿スタイルに決めました。ただ、投稿内容が流れてしまうことや後から見返せるようにするため、撮影したものはGoogleドライブへ格納することにしました。
またきちんと真剣に見てもらうと言うよりは仕事のBGMとして流してもらうぐらいの感覚のほうがいいということで、音声だけをSlackに配信し、動画は音声のみと一緒にドライブへ格納することにしました。
続いて②撮影方法についてです。
これについては編集の有無と撮影機材・ツールについて考える必要がありますが、わりとすぐに結論がでました。
●編集の有無 → 無編集の一発取りの実施(編集リソースの削減)
●撮影ツール → Zoom(音声のみ抽出ができるため)
状況からこう判断しました。
編集をするとリアリティがなくなるかなと思ったのと、事前に大枠どういうことを話すかを決めておけば無編集でもいけるだろうということになりました。
そのため、撮影時間を1時間とし、前半30分で話す内容をある程度決めて、後半30分で撮影するという感じに決めました。
3.結果とアップデート
実際に配信してみました。Slackへ流すことにしたので実際の数値はわかりませんが、想像以上に多くのものを得られました。
個人的には伊藤と定期的に企業としてどうあるべきか、どういう方向へ向かいたいのかという話ができる機会が得られたのも大きかったです。彼のその想いを引き出してあげることも自分の役割だと思い取り組んでいます。
そして、一番は発信したことで同じような想いを持つ仲間が増えました。
一緒にこの月イチメッセージをやろうとジョインしてくれる人も現れたし、配信内容についてのメッセージをもらう機会も増えました。
会社が進んでいくのを実感するような感じがしています。
そして、今後もこの月イチメッセージはアップデートしています。
まず大きなアップデートとしてはついに自社LMSを使った配信が可能になりそうです。これができると誰がどのぐらい視聴しているのかを把握できるようになり、コンテンツのブラッシュアップが可能になります。
さらに、自社内の情報についても集約したり、自社プロダクトの理解に繋がりますので、早めに実装したいですね!
さらに、もっとメンバーを巻き込んだ企画もどんどん始動していこうと考えています。元々企画であった「教えて!雄剛さん」みたいなものや社内部活の紹介など会社の雰囲気が伝わるコンテンツを増やしていこうと計画中です。めっちゃ楽しみ!
今回は読書会から派生して生まれた「月イチメッセージ」についてお話しました。
リモートワークが続くとなかなか部署を超えたコミュニケーションの機会が減ってしまいます。そのときに「出社」というのも一つの手段ではありますが、物理的に難しいケースもあります。
また経営と従業員でその意識の乖離などもあり、従業員はせっかく得たこのリモートワークというメリットを手放したくないと考える人が大半です。
そんなときもこの月イチメッセージを使い、しっかりとメッセージ配信していくことは重要だと考えています。
ぜひ、なにかの参考になればとても嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございます!
他にも「こんな施策とても有効だよ」「実施して面白かった」などあればぜひ教えてください。弊社でも検討して取り入れてみます!
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