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2019年の初詣

元旦にきちんと初詣をしよう、と考えたのは、自分の生活がおととしの秋から激変したことによる。こんなときに神も仏も、と思うものの、自分の原点に立ち返る必要性を感じたからだ。

というわけで、今年の元旦は、実家の氏神でもあった東京の代々木八幡神社に詣でてきた。今は実家もこの地にはなく、親戚もここには住んではいない。私もこの地から引っ越してすでに四半世紀以上が経過している。それでも、神頼みか、と思い浮かべたとき、私の頭によぎったのはこの神社だった。作家平岩弓枝さんの実家としても知られているし、境内からたて穴式住居跡が出たことでも知られているかもしれないが、私には幼き頃から身近にあった「八幡さま」であった。

幼いころは弟と犬を連れてふらっと詣でていた神社。しかし、昨今は事情が違う。どこの神社も整然と並び祈願を待つ流れだが、この神社もまた、である。しかも、東京の中でも屈指のパワースポットでもあるらしく、出世をつかさどる稲荷などもその昔に合祀されている歴史事情などから新年の祈願に訪れる人は以前より増えているように思う。神頼みをするのに割り込んで列を崩し横入して祈願する罰当たりをする勇気もなく、私も息子とともに列におとなしく従う。この日、東京は穏やかな晴天であったが、さすがに日の落ちかけた時間は石造りの神社は下からの冷えがこたえる。ソールの薄いブーツをチョイスしたことを後悔しながら優に1時間超。しかし無事に参拝を果たし、数年ぶりにおみくじも引いた。結果は「大吉」。これによれば私は今大きな道の岐路にある。どう選ぶかによって今後が大きく変わるという。そしてその選択に大きく関わるのが日々の私の善行であるという。言い当てられているような気分を抱き、しかしありがたくこの言葉を受けとめ、日々の善行に努めながら前を向いて選択肢とその時を見逃さないように準備をしよう、と決意もあらたに私はかつての氏神様を後にした。

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