【自由詩】月めくり〜シロクマ文芸部〜
月めくりは素敵だね
真っ白で輝くような一枚が
暖かく包みこむオレンジに変わった日
あなたが振り返って言った
君が好きで好きで好きで
駆け出しそうになる気持ちが抑えられ
待って咲かせて一枚にして
届けることができるんだよ
美しいね
ええ うっとりするほど美しいわね
微笑むあなたに私は言った
でも反対だったら?
あなたを思って切なくて切なくて切なくて
これ以上ない程ほど積み重ねられ
疲れて傷んだ一枚なんて
めくる手さえあげられそうにない
残酷だね
ええ 例えようもなく残酷だわ
泣きそうな私にあなたがまた微笑んだ
でも愛だ
どちらも紛れもない愛だよ
欲張りな僕らにはぴったりだ
絡めた指先が熱を持ち
あなたの微笑みがさらに深くなって
私の世界をいっぱいにした
ねえ そうでしょ?
揺れる想いを満たしに満たして
与え合って奪い合って
二人して溺れればいい
中秋の名月ですか……NYは大雨ですが
今週も張り切って小牧さんの企画に参加します。
みなさんの作品を読みながら、
私もロマンチックな何かを書かねば!
と思ったのですが、気がつけば……
なにやら歪んで傾いた恋物語に。
まあ、そういうこともありますよね。
月ですから! 月繋がりですから!
月と言えば……慈悲と狂気を
同時に降り注ぐもの(大いなる自論)。
というわけで自己満足自己完結な一作ですが
楽しんでもらえたら嬉しいです。