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【詩】夏の好敵手「#虎吉の交流部屋初企画」

アンティークレースのそれは
果たしてこの容赦ない日差しから
君を守ることができるのか否か
けれど君が嬉しそうに笑うから
きっとこれでいいのだと思う坂道

遠く立ち上がる雲を見つけて君を促す
足の早い夏の嵐が
じき僕らに追いつくだろう
降り出したらきっと
君は大事な傘をたたむはず
そして雨に濡れて笑うのだろ?

僕は胸に抱かれる傘に嫉妬する
柔らかな花びらのごとく震えては
君の心を盗み取る
なんて小賢しい技かと肩すくめ
雨くらい跳ね返せよと
心の中で毒づいて

けれど僕には腕があるから
君が濡れないように抱きしめよう
恋敵のアンティークレースごと
器の大きさを見せてやろうと鼻を鳴らせば
なんだか悪い顔をしていると
その鼻を君につままれた

太陽と雨雲と君と僕と日傘と
夏の午後の恋の駆け引きは
どうやら一筋縄ではいかないようだ



虎吉さんの交流部屋初企画に参加させていただきました。
季語は「日傘」です。夏の日傘は心くすぐるアイテムで、何かとこだわりがあったりしますが、密かに想う人がそれを見て、少しでも自分に何かを感じてくれたら……なんて妄想爆発させてみました。


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