その15 麗しの花咲く季節
気がつけばもうすっかり夏の終わり。つい先日は、ハリケーンからの熱帯低気圧による嵐のため、ロングアイランドの至る所でトルネードが起きて、多くの木がなぎ倒されて大停電に。うちは4日間で復旧しましたけれど、2週間近くもダメだったところもあったと聞きました。久々にやられました……。
それでもうちの裏庭に被害がなかったのは幸いでした。かなりの数の枝が落ちてきましたが、大きく育っていたブドウもつるバラも無事でほっとしました。バラたち、ちょうど二番花が咲き始めたところでしたから。
そうです、二番花ですよ。どれだけサボっていたんでしょうか、この更新。本当にすいません。気を引き締め直して……この春〜初夏の麗しの花たちをご紹介したいと思います。
今年は暖冬で、バラが休眠せずに活動を始めたため、春の強剪定ができませんでした。それなのにその後、温度が上がらず長く低温期が続いたんです。おかげでイチゴの花の芯が黒くなりかわいそうでした。もちろんバラたちの動きも鈍くなり……。
けれどそんな傍で、小さな春の球根たちが生き生きと!今年初めて植えたアネモネ・ブランダです。植えた球根数より花数が多いような気がするのはなぜ。まあ、疑問よりも喜びが勝りましたが、この地上15cmにも満たない紫の世界は本当に魅力的でした。来春も元気に芽吹いてほしいなあ。
もちろんシラー・シベリカに水仙にチューリップにムスカリに、宿根草のヴィオラとニゲラも芽生えてローズガーデンは華やかになっていきました。ヒースも秋からずっと綺麗なまま。そんな中で心配だったのが、ノイバラ。いつになく蕾がつくのが遅い。まさかつかないことはないでしょうけれど、なんだか心配でした。
そうそう、果たして何色が咲くのだろうかと期待していた原種系のバラたち。しかしさすがに1年目。花が咲く気配はありません。それでもバラの新芽はそれだけで可愛いもの、大きめの鉢に植え替えて、今年は緑を愛でることにしました。お楽しみは来春に持ち越しです。
そうこうしているうちに、アーチのつるバラたちがお目覚め。一気に蕾がついてきました。特にザ・レディ・オブ・ザ・レイク、もう凄まじいとしか言えないような勢い。いや、嬉しいんですけどね。
そして、もういくかいくかとジリジリ待つ5月の終わり、ピンクのブラックベリーが咲き始めてすぐに、ノイバラも開花!つるバラたちも一斉に咲き始めて、いつになく賑やかなシーズンと相成りました。
ブドウ棚の向こうの物置扉前に誘引したノイバラも開花して、なんだか秘密の花園感も増したような……と一人ほくそ笑んでは、その甘い香りを胸いっぱいに吸い込む日々。ああ、幸せ(笑)。
そして恒例のノイバラティーパーティーです。今年はどんなケーキにしようかと悩みに悩み、最終的にはイチゴのシャルロットケーキに決めました。ノイバラを含む春のエディブルフラワーももちろん使います。
これで「蚊」さえいなければ……。暖冬のせいか早くから蚊が、それもかなりの数。ちょっと泣けてしまいます。ああ、もう少しバラのシーズンをゆっくりと楽しみたかった……。それでも花の美しさには癒されます。自慢の可愛い子たちを見てやってください。
*ザ・レディ・オブ・ザ・レイク*
*ア・シュロップシャイア・ラド*
*レディ・オブ・シャーロット*
*ホット・ココア*
*アプリコット・ドリフト*
*ノヴァーリス*
*クレア・オースチン*
しかし悲しいこともありました。新しくコロラドのナーサリーから迎えたウィリアム・ロブとヴィオラセ。小さな苗でしたが順調に育っていたある日、ヴィオラセが根元から!完全に切り離された状態で倒れていたものを見つけ、「お願い、助かって!」と急ぎ挿し木にしたのですが……念願は叶わず(涙)。かなりショックでした、悲しかった。原因は不明のままです。
それと、オースチンから迎えたエミリー・ブロンテ。届いた時にいつもと違ってなんだか随分と乾燥していたのです。これ大丈夫なのかしら?と思いつつも移植。そうしたら、1ヶ月経ってもうんともすんとも……もうダメか、明日にも連絡するかと思っていた時、ようやく新芽の気配が。
ほっとはしましたが、やはり株の成長は遅く、今年はもう花は咲かないだろうと思っていました。けれど蕾がついたんです。いや、これはダメだろう、ピンチしようかしら、そう思っていたら、ぽろっと。ええ、ぽろっと自分で小さな蕾を二つとも落としてしまいました。
待ち望んだエミリーだったので、花の咲かない初夏はショックでしたけれど、縁あってうちに来てくれた子。必死で根付いてくれた子。ゆっくりと成長を見守っていきたいと思います。
では最後に、ローズガーデン向かって左のコーナー。ああ、アプリコットな色合いのみなさん(右側のストロベリー・ヒルはピンクなのですがなぜかしっくりと馴染んでいます)。好きなんですよね、この色。ついつい手が伸びてしまう……。違う色を集めるべきだと思うのに、やっぱり選んでしまう。
奥のア・シュロップシャイア・ラドはつるバラですから、来年以降はぐっと大きくなってくれるでしょう。ますますアプリコットの色合いは増して、私の幸せも倍増するのではないかと思います(笑)。
ようやく気温も下がってきましたから、ガーデニングを再開せねば。伸び放題のハーブを剪定して秋に備えましょう。そうそう、ブドウも大きくなっているのです、秋晴れの中のローズガーデン、また違った表情をお届けできればと思います。
サポートありがとうございます。重病に苦しむ子供たちの英国の慈善団体Roald Dahl’s Marvellous Children’s Charityに売り上げが寄付されるバラ、ロアルド・ダールを買わせていただきたいと思います。