小説『偶然でも運命でもない』 6話:年下の男の子
彼は、松本大河と名乗った。
18歳。高校3年生で、大学受験だが進学にあまり興味がなく、受かっても受からなくても地元に帰って早く仕事がしたいのだという。
大河の着ている制服は、県内でもトップクラスの進学校の筈だった。
秀才の考えることはわからない。
そう思って、響子はそれについて考えるのはやめた。
テーブルにトレイを置くと向かい合って座る。
「大河くん、本当にそれで足りるの?遠慮してない?」
彼のトレイには小さなハンバーガーひとつとセットのポテトとコーラが並んでいた。
高校生男