個人的にここが好き!ブラームス♪交響曲第2番
今回は「ブラ2」の愛称で親しまれている交響曲第2番を取り上げたいと思います。
ブラームスの中で全4曲ある中の2番目の交響曲は1877年に作曲されました。交響曲第1番は壮大でやや暗めな感じ(c-moll)ですが、それとは対照的に明るく重厚な感じ(D-dur)が出ています。
○ヨハネス・ブラームス
1833年ドイツ生まれ。
後期ロマン派に属します。
シューマン一家と仲がよく、一回り年上のブルックナーとは師弟関係(作曲・オルガン)にあたります。
元々作曲家で、ピアノ・歌・弦楽など60以上の曲は書いていましたが、交響曲に関してはベートーヴェンの交響曲に衝撃を受け15年かけて交響曲第1番を作曲しています。
シューマンのお嫁さんでクララ・シューマンを一途に好きだったという説があります。シューマンの死後も友人としてクララ・シューマンを支え続けた(らしい・説です)男の中の漢です。
○交響曲第2番
この曲は15年間かけて作曲した交響曲第1番の初演からわずか4ヶ月で作曲しました。
異例の早さでしたが、交響曲第1番がとてもうまくいったため、ひと息立たずに次の交響曲に着手したかったのでしょう。すでに構想はあったのかもしれません。
交響曲第2番のインスピレーションは、休暇先の南オーストリアのケルンテン地方、ヴェルター湖畔にあるペルチャッハにありました。
友人のテオドールに宛てた手紙で「ここは最高に素晴らしい。湖と森、その向こうには碧い山並みときらめく純白の雪」(《湖上にて》Op.59, No.2の歌詞にも反映されています)と書いています。
ペルチャッハ。ワイキキビーチと神戸の港を足したかのような…?
そして完成。クララ・シューマンも、指揮者のオットー・デッソフもウィーンフィルも大絶賛で初演を迎えます。結果はもちろん大当たり。
○ブラームスは5弦コントラバスを知らなかった説
1楽章13小節目なのですが、チェロはE→Dis→Eの刺繍音(裁縫の縫うさまから)なのですが、コントラバスは休符です。これは5弦コントラバスを知らない(4弦はこのEが最低音)からと言われています。
今日ではチェロと同じく演奏されています。
○個人的に好きなところ
1楽章冒頭の弦の低音から始まり、ホルンと木管によるコラールが美しいです。
ニ長調のトニックから2小節目にはドミナントであるイの音(伊:ラ 独:A)で緊張、そしてトニックに戻る。その後も紆余曲折しながら和声進行が進んでいくところが保続音を担当している身には良いですね。
【E】118小節
弦全員でほぼ同じ形をして、変拍子っぽい感じ(厳密には違うと思います)はブラームスの遊び心が表れているなと感じます。220小節目はそれと似ているのですが、こちらはヘミオラですね。3拍子→2拍子になっています。
その前からもあったのですが、236小節から2拍子になったりフレーズの締めで3拍子にしたり、この辺は面白いシーンです。
4楽章
この楽章は冒頭の慌ただしい感じと【C】78小節以降のゆったりした感じ、そして【D】108小節目以降のまた慌ただしい感じと、先輩の言葉を借りると『ジェットコースターのよう』という比喩はズバリと思います。
405小節以降
ブラームスお得意の終楽章クライマックスの持っていき方は素晴らしいなと思うわけですが、2番ではまさかの音階を使います!
417小節以降は金管楽器といい、弦のくどいまでのDのトニックで続くのは大尊敬のベートーヴェン交響曲第9番の最後からインスピレーションを受けたのでしょうか。
画像はチェロバスの譜面です。
○個人的推し動画
やはり小澤さんの動画に行きつきます。
この動画はサイトウキネンの動画で、リハから密着したものになっています。
○ブラ2にそっくりな曲がある
それはドヴォルザーク作曲の交響曲第6番です。
本当であれば一番初めに作曲された交響曲で第1番のはずでしたが、6番に変わりました。
このようなことは、ベートーヴェンの交響曲第5番と第6番でも言えます。
1楽章と4楽章がブラ2の影響を受け、2楽章はベートーヴェンの第9の影響を受けています。
エリシュカ大好き人間なのでこちらを!スメタナの《我が祖国》からファンになりました。笑