こころのエネルギーと不登校
認知行動療法カウンセリングセンター広島店の岡村です。学校臨床をしていると「こころのエネルギー」という言葉に遭遇する機会は多いです。不登校の理由を「こころのエネルギー不足」と決定づける専門家もいるほどです。正直わたしは「こころのエネルギー」という言葉が好きではありません。それは多くの問題の理由として都合よく当てはまりそうなザックリとした言葉だからです。それでいて本質をぼやかし例外を見ないことにする都合の良い使われ方をしているからです。言葉そのものというより、都合よくこの言葉を用いる支援者が好きではないのかもしれません。特に不登校支援においては都合よく使われ対策にはほとんど役立たない、、、なんだったら悪化する場合もあるわけです。
不登校は十人十色
上記ブログに不登校支援についてまとめていますが、不登校は十人十色なのです。原因も維持要因も人によって異なるのです。なので「こころのエネルギー」という言葉だけで説明なんてできるものではないのです。情報をしっかり整理しようとせず「こころのエネルギーが不足していますね。様子を見ましょう」なんてことを専門家が言うのはリスクがあるのですよ。〈いやいや、〇〇ができるなどやれていることはどのように説明がつくのですか?〉と反論してもそれはスルーされてしまうわけです。確かに10人中何人かは実際に疲弊し休息が必要な方もいるでしょう。それでもわざわざ「こころのエネルギー」という言葉を使わなくても説明はいくらでも可能です。
こころのエネルギーはいつ溜まるのか
「こころのエネルギーがたまるまで暖かく見守りましょう」
そういわれて3年が経つ
といった事態に陥る場合もあります。そもそもエネルギーが溜まったら自ずと再登校に向かうのでしょうか?それはいつなのでしょうか?そういった質問にはなかなか答えないわけです。「焦らずゆっくり待ちましょう」といった返事をされることも少なくなりません。
休息が確かに必要な人もいますが、それはすべての人ではありません。それなのにどうして誰もが「こころのエネルギー不足」なのでしょうか。
認知行動療法カウンセリングセンター
認知行動療法カウンセリングセンターは「こころのエネルギー」以外の視点からも不登校に対応しております。
こころのエネルギーを貯める方法
最後にこころのエネルギーを貯める方法について書いておきます。
安心してさまざまなことに取り組める状態を「こころのエネルギーが溜まっている状態」とした際、
1.興味関心が自然に湧かない状態であれば休息
2.自分を認めてくれる人とのかかわりを増やす
3.実際にやってみて安心感や達成感を味わう
といったところでしょうか。
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