新記事スタート!疾患解説 その1~逆流性食道炎~
みなさん!お久しぶりです!
今日は「逆流性食道炎(GERD)」について詳しくお話ししたいと思います。主に医学生などの医学を学びたい人向けに、始めて記事を書いていきたいと思います!
(頻度は検討中です…😅)
逆流性食道炎。
皆さん一度は耳にしたことがある疾患では?
この疾患は実際の臨床現場でも珍しくない、疾患です。遭遇する機会もきっとあるでしょう!
ということで、いま1度確認してみましょう!
1.症状
2.病態
3.診断
4.治療
5.特徴的な検査所見
6.禁忌
1. 症状
逆流性食道炎は、胃内容物が食道に逆流することで引き起こされる疾患で、主な症状は以下の通りです。
胸やけ(Burning sensation in the chest):胸の中に焼けるような痛みや不快感を感じる。
逆流(Regurgitation):酸味または苦味を伴う胃内容物が口腔内に逆流する。
呑嚥困難(Dysphagia):食物を飲み込む際の痛みや不快感。
胸痛(Chest pain):心臓病と間違えられることもあり、心疾患との鑑別が必要。
気道症状:咳嗽、喘鳴、喉の違和感・痛み(LPR - 喉頭逆流)。
2. 病態
逆流性食道炎は、以下のようなメカニズムで発症します。
下部食道括約筋(LES)の機能低下:LESの圧が低下することで、胃内容物が食道に逆流しやすくなる。
腹圧の上昇:妊娠、肥満、重い荷物を持つことなどで腹圧が上がると、逆流を助長。
胃の排出遅延:胃からの内容物が長時間滞留することで、逆流のリスクが増加。
食道の粘膜障害:逆流した酸によって食道の粘膜が侵され、炎症が起こる。
※びらんが形成されていない逆流性食道炎を
非びらん性逆流性食道炎(NERD)と呼びます。
またびらんの程度はLos Angeles分類で評価されます。
3. 診断
以下の診断法が一般的に用いられます。
問診:症状や生活習慣についての詳細な聞き取り。
上部消化管内視鏡(EGD):食道や胃の状態を直接観察し、食道炎の程度を確認。
食道pHモニタリング:食道内の酸性環境を評価し、逆流の頻度と程度を測定。
食道動態検査:食道の運動機能を評価し、LESの圧の変化を観察。
4. 治療
逆流性食道炎の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が主なアプローチです。
生活習慣の改善:
食後2〜3時間は横にならない。
体重管理:肥満の場合は減量が推奨される。
食事内容の見直し:辛い食べ物、脂肪分の多い食事、カフェイン、アルコールを避ける。
薬物療法:
プロトンポンプインヒビター(PPI)(例:オメプラゾール、ランソプラゾール):
胃酸の分泌を強力に抑制し、食道の炎症を軽減。
ヒスタミンH2受容体拮抗薬(例:ラニチジン、ファモチジン):
胃酸分泌を抑え、症状を緩和。
制酸薬(例:アルミニウム含有製剤、マグネシウム含有製剤):
症状の急性緩和に使用。
5. 特徴的な検査所見
逆流性食道炎では、以下のような特徴的所見が見られます。
内視鏡所見:食道の紅潮、潰瘍、出血、バレット食道(上皮の変化)など。
食道pHモニタリング:食道内のpHが低下した時間の割合が上昇していることが確認される。
6. 禁忌(治療に関して)
治療における禁忌には以下が含まれます。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期使用:胃粘膜を刺激し、逆流症状を悪化させる可能性があるため、注意が必要。
喫煙:LESの筋肉に影響を与え、逆流のリスクを増加させる。
まとめ
逆流性食道炎(GERD)は、生活習慣の改善と適切な医療介入により管理可能な疾患です。症状をよく理解し、診断・治療出来るようになりましょう!💪
参考
日本消化器病学会:逆流性食道炎
Mayo Clinic: Gastroesophageal reflux disease (GERD)
Cleveland Clinic: GERD
それでは、今後の学びに役立ててくださいね!
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