A Morbid Taste for Bones
翻訳版は「聖女の遺骨求む」、英国女流推理作家エリス・ピータースによる修道士カドフェルシリーズの1作目、1997年の作品です。英国でTVシリーズも作られた人気作だそうです。ボクは知りませんでした。面白かったら、20巻まで付き合っても良いかなと思いましたが、やめておきます。
時は1137年、シュールズベリ大修道院は聖人の遺骨を持たないことが残念でなりませんでした。ある日、修道士コロンバヌスがてんかんの発作でぶっ倒れると、その看病をしていた別の修道士が夢でお告げを受けます。聖女があらわれて、
「私はウィニフレッド。この者を私の元に連れてきなさい。病を治してあげましょう。」
聞けば、それはウエールズのどこそこに居た人で、生前数々の奇跡をもたらしたとのこと。
それでは早速行きましょうということになって、病人と付き添いの一行が、いざウエールズはグイザリン村へと旅立ちました。聖女の埋葬されている村ですね。何日かすると、病人はすっかり元気になって戻りました。
これは奇跡だ。ここシュールズベリ修道院でこそ、その聖女の遺骨を祀るべしという神の思し召しに違いない。そうだそうだ。ウエールズを治める殿様や司教様の許しを得て、遺骨発掘部隊が出発します。カドフェルはウエールズ語の通訳として一行に加わりました。言葉が違うのですね。
村に到着した一行は地元の教会へ。そこに集合した村人に向かって隊長のプライヤー・ロバートが厳かに告げます。すると村一番の大地主リシャートがすっくと立って抗議します。
「ウィニフレッドはウエールズのこの村の聖女です。遺骨を掘り返し、他の土地へ持って行くなどもってのほかです」
そりゃそうですわな。隊長ロバートはリシャートをわきへ連れて行き、それではこれでと金を渡そうとします。なんと、金で買おうとするなんて恥知らずな、と彼は呆れて帰りました。
地元の神父がなんとかとりなして、リシャートをお昼ご飯に招き、もう一度話し合うことになりました。ところが待てど暮らせど彼は現われません。家は昼前に出たということで、教会への道筋をみんなで捜すと、あわれ大地主リシャートは林の中で、胸に矢を突き立てられて倒れているのでした。
犯人は誰か。カドフェルはどうやって犯人を突き止めるのでしょうか。
お話の筋は面白いのですが、文がちょっと難しいです。これまで、地の文はなんとかなるけど会話の部分になると歯が立たないという経験はありますが、この本は逆で、地の文はわけわからんが会話の部分でほっとするという感じです。カンマで区切ってずらずら続く長い文です。時代物の雰囲気を出す為か、この作者の独特の文体か。ボクのレベルの上がるまで、2巻目以降はしばらくおあずけとします。
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