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The Tell-Tale Brain

 ヴィラヤヌル・S・ラマチャンドランという人の2011年の作品。邦題は「脳のなかの天使」。これはKindleではなくiBooksで読みました。図版のあるものはKindleではつらいし、自然科学物はiBooksの方が若干安いような感じです。面白いです。

 ファントム・リム、ブラインド・サイト、ミラー・ニューロン、シナスタジアetc、内容の濃い一冊。一回読んだだけでは消化できませんでした。この先も年に一度くらいは読み返したいものです。

 なかでもミラー・ニューロン。とある研究者がサルの脳に電極を刺して色々調べている時、偶然見つかったというニューロン群で、例えば、他の人の腕に何かが触るのを見ると自分の腕の同じ場所に、触られたのを感じるとかいうもの。この著者が見つけたわけではないです。

 著者は、自閉症がミラー・ニューロンの不全からくるのではないかと言います。また、ミラー・ニューロンが内側に向いたのがセルフ、「我」「自我」「自己意識」ではないかとも示唆しています。

 ボクは逆に、ミラー・ニューロンが豊富な人も居るのだろうと思いました。思い浮かんだのはYouTubeで見た、よくおしゃべりをする2歳児。おじいちゃんとご飯を食べながら色々おしゃべりをします。それに漫才の人とか詐欺師とか、しゃべりで人を魅了できる人はミラー・ニューロン・リッチなのではないかと思いました。

 エピローグで著者はヒトの脳の研究については、まだ19世紀の化学のレベルだと言います。だいぶ発達したとはいえ、当時の化学者はフロギストンという幻の物質を持ち出して化学現象を説明したそうです。今の脳神経科学でも同じような間違いがあるかもよと、謙虚に述べています。


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