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微小変化型ネフローゼ症候群③|サイゼリアで号泣した、検査当日の話。

アルブミンがどんどん出ていき放題の3週間。

当たり前なんだけど、フラフラしていて、まともに歩くことができなかった。
おしっこの泡もこのころから確認するようになったけれど、私の場合は「ビールの泡」ではなかった。
「たしかに言われてみれば普通っぽい泡立ちが1分観察しても消えないかもです」レベル。

とにかく早く病名確定させてくれ。
とにかく早く入院させてくれ。
とにかく早く治療を始めてくれ。

この一心でした。ステロイドへの抵抗より、体調の悪さが圧倒的で。
漢方と組み合わせて副作用最小限にしてやる!この気持ち。


ほんとなら怖いはずの外来日。指折り数えて待っていた。


A4用紙4枚の検査結果

検査はとても簡単でした。血液検査と尿検査。
今ではもう3年も定期的に通っているので、どこに何があるかとか、すぐわかるのでスムーズですがさすがに初回、手間取ったような気はします。

というか、フラフラしていてやっとのことで検査を終えたような気もします。

むしろ、これでネフローゼ症候群じゃないなら何なんだ。。。どんな重病なんだ。。。と心臓バクバクさせて検査結果を待っていたことのほうが印象に残っています。


「はい、ネフローゼ症候群です」


と言われた瞬間のことはあまり覚えていないが、安ど感が強かったような気がする。ですよね、予想通りですよね、みたいな。


「ただ、型がいくつかあります。血液検査から一次性であることは確定なのですが、その中でもまたいくつかの型がありまして」


うん。知ってる。腎生検だろ?


「その型を確定させるためには腎生検といって、腎臓の細胞を採取する必要があります。あとすぐ治療に入るので、まぁ2か月くらいの入院ですかね」


ですよねーーーー!


だいたい予想通りの話をする医者の話を聞きつつ、検査結果を眺めてみる。
4枚ぎっしり、いろんな項目を測定していた。


あ・・・・


膠原病関係の項目も、シロだった。


父方が、膠原病傾向があることは知っていた。
父方の兄弟、祖母も腎臓関係でなくなっていることもあり
膠原病由来かもなぁ…とぼんやり考えていたのだ。
が、違うとわかった。


「状況的に微小変化型だとは思うんですけどね。成人しているので別の場合もあるので、一応」


事務的に、淡々と入院日を決めて、最後に先生が。


「塩分気を付けてくださいね。あと、体重を毎日測って。急激に2kg以上増えたら連絡してね」



知ってるよ、栄養士だもん。


「ネフローゼ症候群」聞きなれない人が多いと思う。
でもわたしは、知ってた。

栄養科の短大を卒業しているからだ。即ちペーパー栄養士だ。

こんなところで役に立った。


「塩分:1日6g」

知ってた。
外食すると1食で超えてしまう。

ラーメンなんか、無理だ。


※後日ステロイドが爆ききしたら、わたしは塩分制限はなくなりました。
とりすぎはなんでもよくはないので、現在はゆるく気を付ける程度です


この時点では、どうなるか、わからない状態。
いろんな可能性が少しづつ、残っている状況でどうにでも転べるみたいな。

そういう時は、最悪な状況しか考えられないものです。


「わたしはもう、今まで通りの食事はできないんだ」


サイゼリアで、号泣。

サイゼリアに行った理由は、単純です。

「豆がほんとうにおいしいか試したい」


わたしはエガちゃんねるユーザー(通称あたおか)なのですが、
「はじめてのサイゼリア」青豆のソテーが地味においしい、というのがずっと脳裏に残っていました。


「もう試せなくなるかもしれないし、塩分制限で済んでいるうちに」


と、サイゼリアへ。


いつもなら迷わずミラノ風ドリアをオーダーするのに。
青豆の塩分を考えて断念。

ライスと、青豆と、あと塩分低そうな何かをオーダーしました。


青豆のソテー、おいしかったです。
だいすきなベーコンも入っていました。
わたしは知っています。ベーコンもそれなりに塩分がある。


今考えると神経質になっていたのですが、
全部食べたら、塩分オーバーになってしまう!と



食事を残しました。



人によっては、残すなんてよくあることと思うかもしれません。


でも、わたしは。
食事を残すことが昔から本当になかった。
給食も、お弁当も、学食も、なにもかも
出されたものはおいしくぺろりと食べるタイプでした。



泣けて、泣けて、仕方ありませんでした。


もう、これまでとは違うんだ。
これからいろんな違うことが起きるだろうけど、
しっかり受け止めなくちゃいけないんだ。



そんなことを考えていました。


自分としっかりむきあうために。

ひとしきり号泣した後、お店を出て。体重計を買いました。

ちゃんとしたのを買っておこう、自己管理がこれから必要になってくるだろう、と考えたためです。

おいしいものを食べることが、だいすき。
金曜の飲み会がたのしみ。
お酒はいけるくち。ハイボールが特にすき。
でも、野菜もたくさん食べる。
健康診断はオールA。

ここから、突然の話だったから。

食べることが好きで、なんでもおいしく食べれて、好き嫌いほとんどなくて
食べ歩き、カフェ巡り、定食屋巡りをライフワークとしていた私だったから。


私の一部をはぎ取られる、そんな感覚もありました。
でも、受け入れよう、できることをしよう、今はしっかり養生しようと
前向きではある、けど、泣けてくる。感情がだいぶ迷子でした。


3年たって、今。

相変わらずなんでもおいしく食べていますが、やはり3年前とは変わってしまいました。

お酒はあれから1滴も飲んでいません。
定食も1食は多いと感じるようになりました。
ラーメンもほとんど食べなくなりました。
サンドイッチとコーヒーで充分になりました。


だいぶ変わりましたね。笑
でも、「つらい」とは1ミリも感じてはいないとわたしに伝えたいですね。


でも、あれから始めた朝卵がゆ、しょうが紅茶の習慣とか
タンパク質はきもち多めが調子いいとわかったこと、
ニンジンが相性の良い野菜、とか。

新たな楽しみ方もだいぶ増えてきました。


今でもたまに「大食いの片鱗」は出ますけど。


急に、当時のことを思い出して切なくなってきたので
青豆のソテーとランチとか食べに行こうかな。



その日の夕飯を気を付ければいいんです。ね!それでチャラ。

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