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【シン・卯月絢華のシネマ馬鹿】Vol.33 ゴジラ×コング:新たなる帝国

原題 Godzilla x Kong : The New Empire
見に行った場所 109シネマズHAT神戸
フォーマット 4DX吹替
個人的評価 ☆100億……すみません4.3(Filmarksでの個人的評価)
備考 FM802の懸賞でムビチケが当選!


イントロダクション

ちゃんとした方のハリウッド版『ゴジラ』から端を発するワーナー×東宝×レジェンダリーのビッグプロジェクト「モンスター・ヴァース」シリーズ第4弾。(Appletv+ドラマシリーズの『モナーク』はノーカン)主役はもちろんゴジラとキングコングである。日本での公開がちょうどゴジラ生誕70周年というナイスタイミングになったのは東宝の粋な計らいだろう。
一応『ゴジラvsコング』の続編ではあるものの、原題が解禁されたタイミングで「vs」ではなく「x」に変わっていたのでこの2匹はとうとう共闘の道を選んだの……か? まあ前回のバトルもメカゴジラのせいでワヤクソにされたし……。
予告ではモスラと思しき怪獣も登場しているので彼女(?)がどう物語に絡んでくるのかも見もの。多分お説教枠。

モンスター・ヴァースシリーズ全般に言えることなので仕方ないのだが今回も吹替版はタレント声優を起用している。しかし『キング・オブ・モンスターズ』からずっと4DXで見ているので致し方なく4DXでの取材を決意。というか吹替版主題歌であるyaffle×AIが壊滅的にミスマッチである。まだ前作のマンウィズのほうがイメージに合ってた。

あらすじ

上海でメカゴジラが大暴れしてから3年後。
メカゴジラを倒して英雄となったキングコングは地底世界で悠々自適に(?)生活していた。しかし、「虫歯が痛む」として地上世界へ助けを求めることに。
怪獣専門の獣医の元治療を受けるコングだったが、コングの良き相棒である髑髏島の少女・ジアは「虫歯以上の異変」に気付く。それは地底世界に脅威が迫っていることを暗に示しており、モナークは調査団を送り込むことに。
一方、イタリアでゴジラが大暴れ。どうやら、ゴジラはコロッセオを寝床にしつつユーラシア大陸を移動している模様。やがて、北極近海へと辿り着いたゴジラは「ティアマット」という怪獣を捕食。そして放射能を貯めていた。一体、何のために貯めているのだろうか?

その頃、地底世界に辿り着いたモナークの調査団だったが、モナークが保有しているコングの保護施設が何者かに破壊されていた。それは明らかに人間の仕業ではなく怪獣の仕業であり、地底世界で「何か」が起ころうとしていたのは確かだった……。

個人的な感想

という訳であらすじではここまでしか説明できません。

承前として日本でゴジラ映画の完成形である『ゴジラ-1.0』をお出しされた後なのでハリウッド版ゴジラにおけるハードルがめちゃくちゃ低い。しかしそのハードルが低いからこそ「純粋な怪獣映画」として楽しめたのは言うまでもない。
最近の日本のゴジラは『シン・ゴジラ』や『ゴジラ-1.0』を筆頭に悪者として描かれがちなのだが、やっぱり平成vsシリーズを通っている世代からしてみればゴジラは「ヒーロー」である。なのでゴジラが悪い怪獣を倒すというハリウッド版の流れはぶっ刺ささる。
ちなみに、タレント声優否定派の自分でも『ゴジラvsコング』から続投した尾上松也は上手いと思ったし鈴木もぐら(空気階段)は意外と声優が上手いことが判明。まあ鈴木もぐらはすぐ死ぬ役だけど。

とにかく「ゴールデンウィーク何見ようかな?」と悩んでいるそこのあなた、この作品はゴールデンウィークにピッタリな映画であることは保証する。ついでに4DXならなおのこと良い。(予想通りのアトラクションなので)

ネタバレ注意

※ここから先はネタバレ及びモンスター・ヴァースシリーズへの言及を含みます。

モナークの未調査ポイントへと辿り着いたコングは、そこで自分と同類の巨大なサルと出会う。しかし、子猿のスーコは何かに怯えている様子。
やがて、コングはサルの王であるスカーキングの元へと謁見するのだが、それこそが地底世界の脅威だった!
古代獣・シーモを操るスカーキングから宣戦布告を受けてしまったコングは、逃げるのがやっとであり、手も足も出せない状態だった。

地底世界にいた髑髏島の民族・イーウィス族の生き残りは「スカーキングが暴れていることによって地底世界で異変が起き始めていること」を察し、そして地上世界へSOSを送っていた。それこそがジアが感じた「異変」の正体だったのだ。
古の言い伝えによると、スカーキングの蛮行を止めるにはゴジラとモスラの力が必要であり、ジアがモスラを目覚めさせる鍵になっていたのだ。
一方、瀕死のコングは獣医からの提案で腕にガントレットを装着することになった。そのガントレットはモナークがコングを強化させるために秘密裏に開発していたガントレットであり、コングは強大な力を手に入れることになる。

地底世界からエジプトへと向かったコングは、ジブラルタル海峡にいたゴジラと対峙する。上海での因縁から衝突する2匹だったが、既のところでジアとモスラがやって来た。モスラの説得の元地底世界へと向かったゴジラとコングは、スカーキングとの決戦に挑む!
死闘の末にブラジルへと飛ばされた怪獣たち。シーモの凍結光線によって常夏のリオは一転氷の世界となり、ゴジラとコングは凍結の危機に遭う。
しかし、スーコがコングの斧を持ってきたことによって形勢は逆転! シーモを操っていた杖を破壊したことによってシーモはスカーキングの呪縛から解かれ、かつての主を光線で凍結させたのだった。

世界に平和が戻り、地底世界へと戻ったモスラとコング。モスラは地底世界の守護神として繭を作るのだが、ジアはモスラの守護神となっていた。このままモスラの守護神となるか、それともコングの良き相棒としてモナークに残り続けるか。選択を迫られる彼女は、母親代わりであるアイリーン博士に対して手話である言葉を伝えた。
「――たとえ何があっても、私たちは離れない」
ジアの決断は、アイリーン博士の心を突き動かしたのだった。

戦いで放射能切れを起こしたゴジラはイタリアへと戻り、コロッセオで再び眠りについた。モナークは対応に迫られるが、「しばらくはこのままにしておいたほうがいい」とのことでゴジラはイタリアの守護神となった。

そして、コングは――。
スカーキングという暴君を倒したことによって、地底世界の王となったのだ。
シーモを引き連れて地底世界を駆け巡るコング。もちろん、そこには子猿のスーコもいた。

***

髑髏島の少女であるジアが日本のモスラでいうところの双子ポジションであると考えると説得力は100倍。むしろそのための『髑髏島の巨神』だったと考えると7年越しの伏線回収に拍手喝采である。
モスラの造形は『~キング・オブ・モンスターズ』から比較してモフモフ感微増。やっぱりあのモスラは日本人から考えると造形がかわいくないので妥当。そして安定のゴジモスである。(ゴジモス最大手がハリウッドなのはもはやシュールだが)
クライマックスであるリオの死闘で『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』を思い出したのは言うまでもない。平成vs世代というのもあるがやっぱり怪獣は街で大暴れしてこそである。損害額? 細けぇこたぁいいんだよ!

ポストクレジットがなかったので今後のモンスター・ヴァースがどうなるかは全くもって未知数だが、本作と『ゴジラ-1.0』を続けて見ると「日本人もアメリカ人もゴジラが大好きなんだな」と実感させられる。そういう訳で、今後も東宝とワーナーには切磋琢磨してもらいたい次第だが……そのためにもワーナーとレジェンダリーには二度と不仲になってほしくない。というかもう不仲にならないでクレメンス。

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