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【第6話】賭け

 開店して2〜3ヶ月経ち、常連さんらしき顔ぶれができ始めた頃。
開店1週間経つか経たないかからご来店下さってる当時の最高齢常連客本庄さんさんが、ニコニコしながらご来店。
「今ね、いつもの立ち呑み屋さんへ行ってきたんだけどね、」
と、それは当店とは反対南口にある立ち呑み屋さん。
他に居酒屋さんはいらくでもあるし、立ち呑み屋さんも数軒あったのに、なぜかそのお店の常連さんと当店のお客様は開店当初からかなりかぶっていた。
店の雰囲気が似てるかと言えば全然似てない。あちらは蛍光灯の白い色気の無い照明にご年配マスターと女将さんで焼鳥と焼き物と煮込み。
こちらは暖色の照明に自称ガールズたこ焼き立ち呑み。ガールズって言っても、うち1人しかいないけど笑
ただ、自分で言うのもなんだが、たこ焼きは都内でも指折りの、大阪人が懐かしがるたこ焼きである自信はあったし、後々その南口の立ち呑み屋さんへ行ったが、お料理全てがとても美味しかったし、マスターが歯に衣(きぬ)着せず白黒ハッキリ物を言う人なので、それらが共通しているせいなのかはわからないが、お客さんがかぶっていた。
そして本庄さんが、こう続けた。

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