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ありきたりな恋の物語(444文字)

素朴で誠実な少年は幼馴染の少女に恋をしていた。
しかし少女はサッカー部のエースに夢中。
少年は悔しいけれども少女の恋を応援する。
しかしある日、エースがとんでもない遊び人で幾人もの同級生をヤリ捨てしていることを知る。少年は少女に警告するが曖昧な笑顔のまま。

やがて少女はエースに告白し晴れて付き合うことに。
そして散々弄ばれた末に捨てられてしまう。
少年は苦言を言うこともなくただ静かに少女に寄り添う。
傷ついた少女の心を癒やすように。
そして少年の温かさに触れ少女は呟く。
「ああ、これが恋なのね」。

「最高にいい恋だった。捨てられてしまったけれど」。

後悔などなにもない満ち足りた少女の笑顔に少年は絶望する。弄ばれた自覚があってなお、彼女の心はエースにあった。うっとりと恋を語る少女の白く細い首に少年の手が伸びる。少女は抵抗するがやがて動かなくなる。

少年は少女を殺してしまったのか? いや少年は少女を殺してなどいない。

そこに横たわるのは彼の知らない“女”なのだから。

そんなありきたりな恋の物語。

#創作 #恋愛

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