Engineering Manager Meetup #11 参加してきました
noteでの投稿は初となるのですが、主にマネジメント周りで得た学びやメモをしていこうと思います。
少し時間が経ってしまいましたが、先日こちらのイベントに参加してきましたので感想をメモっておこうと思います。
https://engineering-manager-meetup.connpass.com/event/269920
なんと早くも1か月ほど経ってしまうという… 自分のタイムマネジメントの悪さと筆の遅さにより鮮度ガタ落ちですが、ここで得た学びを忘れないように書いておきます。
この会について
エンジニアリングマネージャー(EM)向けの数少ない(唯一の?)勉強会です。
タイトル通り既に開催回数は10回を超えていますが、自分は前回(1年前)にオンラインで参加したのが初めてで、オフラインはもちろん初でした。
前回のオンライン開催では、前半がLT、後半が話したいテーマごとにテーブルに分かれてOST形式(後述)のディスカッションでしたが、オフラインでは前半もディスカッションとなっていました。つまり、参加者が集まってひたすらディスカッションするという、LT形式の方が圧倒的に多い勉強会の中では異色と言ってもよいイベントになっています。
OSTとは?
イベントページに説明が書かれていますが、OSTとは「オープンスペーステクノロジー」の略であり、参加者が議題を提案してディスカッションをすることで、参加者の主体的な発案、対話を促す会議方法です。オープンスペースとは、各自が喋りたいテーマを持ち寄り、その中からテーマと進行役(セッションオーナー)を選出し、各グループに分かれて自由に発表、議論、雑談などを行うイベント形式です。
5,6人の少人数に分かれてのディスカッションになるため、必然的に「聞きに行くだけ」ではなく主体的な参加が求められます。
聴講がメインとなる他の一般的な講演・LT中心の勉強会に慣れていると若干敷居の高さを感じる形式ですが、EMのようなマネジメントポジションの人たちの関心って「みんなどうしてる?」「自分のやり方って普通?」ってことだったりするので、むしろ色々な現場の生々しい事例が聞ける貴重な機会になります。
雰囲気
また、特にディスカッションなど直接交流のある勉強会の敷居の高さを感じやすい理由として、よくネットで見かける登壇記事や積極的に発信されている「できるEMの方」たちをイメージして「自分なんかが行って大丈夫だろうか…」と二の足を踏むというのがあると個人的に思っているのですが、ほとんどの方は自分と同じ「いち現場EM」として同じ目線の方ばかりだと思いますので、それほど心配することはありません(というのを改めて理解した次第です)。
それでも本Meetup初めてのオフライン参加にペーペー感でいっぱいの気持ちで臨んで少し緊張しましたが、そもそもオフラインでの開催がコロナ禍を挟んで3年ぶりだからか、最初の挨拶で「少し硬いですね」と話されたりしていたので、どうやら緊張してたのは自分だけではなかったらしいです。
参加テーマ1:1on1 のときに意識していること
前半で参加したのはこちら。全マネージャがやっていると思われる1on1について、各社の皆さんどんなことに気を付けているかについて。
ちょうど自チームでも新しいメンバーが入ってきたり、チーム編成が変わったりしたことから1on1のスケジュールや内容などを見直そうと思っていたタイミングだったので、ぜひ聞いてみたいと思い参加しました。
最初の方は、
「最近楽しく開発ができているか」
「傾聴」
「いかに(自分が話すのではなく)相手に話をさせるか」
「素朴な疑問を聞きやすくする」
など、1on1の基本のような話が出ていて、みんな同じように苦労されていることが分かると同時に、自分もそれに共感ができる程度にはEMという仕事が身についているのだなと改めて分かったりもしました。
会社のカルチャーは日々の1on1からできている
個人的に一番刺さったのは、
「会社のValueやカルチャーを体現できているか?を聞く」
という話でした。
これにはハッとさせられました。
会社(チーム)のカルチャー・Valueを大事にしている会社は、当然メンバーにもそのカルチャー・Valueについても共感を求めています。ではその共感はどのようにして根付いているのか?日々の1on1でそれを体現できているか行動の振り返りとフィードバックをすることで実現されているということです。これほど真っ当で合理的な実現方法はありません。
会社のVisionやValueについて、面接などで社外の方に「大事にしている」とお話ししているのに、今チームにいるメンバーはそのValueを体現できているのか?
いや、そもそも覚えているのだろうか?
大事にしていると言いながらただのスローガンになっていないだろうか?
この話、人によっては「マネージャなら当たり前だろ」案件かもしれませんが、少なくとも今の私は恥ずかしながらできていないので、めちゃくちゃ刺さりました。
もうここで帰っても良いくらいのすごく大きな学びを得られました。。
その他印象に残った話
その他、参考になった話はこんなところ。
以前の自分と変わったことは?を聞く
毎回必ず尋ねることで考えるようになってくれるとのこと
確かにそういう根気強い問いかけを1つ持つこともしてみたい
困ってそうだなと思ったことをこちらから振ってみる
これはマネージャの普段の観察力がモノを言いますね
リモートメインだとさらに一層の努力が必要ですね…
今更聞けない質問などをしやすいような雰囲気づくりをする
素朴な疑問をする、引き出す、何でも聞いてよいSlackチャネルを作るなど
メンバーが一人で抱えないようにするために皆様あの手この手で工夫されていますね
参加テーマ2:組織の生産性を向上させるためにEMとして取り組むこと
後半の参加テーマはこちらにしました。
というか、テーマ候補の中で個人的に気になったので、手を挙げてセッションオーナー(※)という形で議論させていただくことにしました。
※セッションオーナーはそのテーマでの議論の進行役、時間枠をどう使いたいかの方向性の決定、および議論終了後に全体にまとめ内容を共有する役割を担います
EMをやっているとどうしても生産性という言葉が耳に入ってくることがありますが、これはすごく使い方の難しい言葉で、EMが迂闊に生産性向上しろなどと唱えようものなら現場メンバーとの間に厚い壁ができることになります。
とはいえ、プロダクト開発にも目標はありますし、無駄なく効率的に開発を進めていくのにEMとして、組織として何ができるのかというのは重要なテーマです。
ということで現場EMの皆様はどんなことをやっているのかを垣間見ることができればと意見を募りました。
ちなみに私自身は最近取り組み始めている Four Keys と DX Criteria について取り上げさせていただきました。
Four Keys
Four Keysに関しては色々言及されているものがありますが、以下2点の記事が参考になるかと思います。
最近はFour Keys指標をモニタリングするためのツールもいくつか出ており、個人的には本イベントのスポンサーをされていた Findy さんの Findy Teams+ が一番よく名前を聞くなぁと思っています。(すみません、まだ使ったことはないです)
DX Criteria
DX Criteriaは企業のデジタル変革(Digital Transformation) と 開発者体験(Developer eXperience) の2つのDXの要素を具体的に実践、活用していくためのガイドラインです。
他にも「DX Criteriaやってみた」という記事をいくつか見かけるので、そちらも参考になるかなと思います。
このMeetupに参加される方々にはもう当然のように知られているものかと思っていましたが、意外と初めて聞くという方もいらっしゃるようだったので、自分も自社での取り組み状況を今度自社ブログで紹介したいなと思っています。
SPACE
議論に参加された方からは「SPACE」というフレームワークを紹介していただきました。
個人的にはこのSPACEはこの時初めて聞いたものでまだあまり理解できていないため詳しくは上の記事を読んでいただければと思いますが、
SPACEは以下5つのカテゴリ(ディメンション)の頭文字を取った、生産性の計測指標ではなくあくまでフレームワーク(計測観点や指標例などに言及されたもの)であるとのことです。
satisfaction and well being
performance
activity
communication and collaboration
Efficiency and flow
5つの項目を見ると、開発者の満足度・幸福度といったDXのような観点やコミュニケーションなどの計測しにくい観点も生産性に影響を及ぼすものとして含まれており、開発者生産性を測るのがいかに困難であるかを再認識できそうです。
実際の使い方としては、単に生産性を測るものというより、チームの目標設定の項目として使うなどするとよさそうです。
懇親会
前後半の議論が終わった後、懇親会にも参加してきました。
議論で出た話を深堀りして話したり、皆さんがどんなチームをマネジメントしているのかなどを話し合ったりして、月並みですが改めて色んなチームがあるんだなーと思いました。
他社の現場の話はこういう場で聞くのが一番リアリティがありますね。
ちなみに、懇親会の飲食物は各自持ち寄りで、とのことだったので「みんなでつまめるものを持って行かねば!」と意気込んで会場に向かう途中のコンビニで大袋のお菓子をいくつか買って行ったのですが、会場の方でもご用意されていたようで、持って行ったものを未開封で持ち帰るばかりか、余ったお菓子やお酒を終了後に頂いてしまい、自宅飲み飲食料を五反田で調達して帰ってくるという何とも時間のかかる買い出しになったというオチがつきました。
さいごに
初めてのEM Meetup オフライン参加、楽しかったです!
行く前は少し緊張していましたが、他の現場のEMの方と話し合える貴重な機会になりました。運営の皆様ありがとうございました。お疲れさまでした。
良い学びの機会になったので、また今後開催される際には日程を合わせて参加したいと思います。