映画「ミッドサマー」 それは最高のギャグ映画(感想・ネタバレあり)
ツイッターで公開初日にトレンドワードにもなった「ミッドサマー」を初日に見てきた。
・あらすじ
主人公ダニーは4年付き合っている彼氏クリスチャンとの関係性にモヤモヤしていた。ある日ダニーとクリスチャン始め大学の友人数名たちは同じく大学の友人ペレに連れられスウェーデンの奥地ホルガへ90年に一度の特別な「夏至祭」へ行くこととなる。そこで惨劇が起きるとも知らずに・・・・・・。
・一言で言うと
一言で言えば精神不安定な主人公女子がしょーもない彼氏と尋常じゃなく壮絶な別れを告げカタルシスを迎える話だ。
・感想(ネタバレあり)
アップリンク渋谷とかの小さい箱でみんなでゲラゲラ笑いながら見たいタイプのホラー。
・老人2人が顔面グッシャグシャになるシーンとか、
・死にきれなかった老人がハンマーでグッシャグシャにされるシーンとか、
・クリスチャンとマヤがやってる時に周りにいる裸の女子13人がハァハァしてるシーンとか
・メイクイーンになったダニーが過呼吸起こしてみんなでハァハアしてるシーンとか
・ジョシュが地中に埋められて黒い足だけ飛び出てるシーンとか
・サイモンが内蔵飛び出つつ目に花がぶっ刺されつつ息してるシーンとか
・クリスチャンが生のクマさんにぶちこまれて焼かれるシーンとか
ギャグ以外の何物でもないから!!!最高だよね!!!!
そして作中における主人公のダニーの成長、進化ぶりは一見の価値あり。
最初の頃のダニーは
「クリスチャーン!私を見て!私のことを思って!なんでわかってくれないの!シクシクぴえん」
ってなってたのに
最終的に
「にっくきクリスチャン、村のために死ねィ!」
に変わって最後笑顔で終わるのスカっとするんだよな。
自己肯定感が低い女の最高のカタルシス譚ではなかろうか。
さらに一連の惨劇をもたらした諸悪の根源ペレ、この男かなりのやり手である。だって一途に好きだったダニーを、自分が心の底から慕ってる故郷ホルガに連れてきて、そそのかして、その気にさせて、本当にメイクイーンにさせて、おまけに余計な人たち全員排除して、ダニーをホルガに取り込むことに成功するんだもん。相当な無垢さがないとここまでできない、普通。信じる心って強いな。
以下ストーリー全容をざっと書いておく。ネタバレ知りたい人はどうぞ。
・参考(ストーリー詳細)
心が不安定な主人公(ダニー)が妹の行方が分からないと彼氏クリスチャンに鬼電してヒステリーを起こしてたら、ほんとに双極性障害の妹が両親道連れにして自ら仏さんに。大ショック受けるダニー。それをなだめつつ、ぶっちゃけそんなことより大学友人と行くスウェーデン旅行(=セックスアンドドラッグ、そして大学の論文のための「夏至祭」目当て)の方が興味津々の彼氏クリスチャン。口論の末ダニーも旅行についていくことになった。
夏至祭が行われるのはスウェーデンの奥地、ホルガ。案内をしてくれたのはホルガ出身の大学の友人ペレだった。
ホルガに到着したその日は夏至祭の初日であり、ダニーの誕生日であった。ダニーに心を寄せるペレは自分が書いたダニー絵をプレゼントする。
ダニーは感謝の意を伝えるとともに、きっとクリスチャンは覚えてないわ、と伝える。その旨をペレがクリスチャンに伝え、クリスチャンは苦し紛れにケーキを一切れプレゼントするのだった。
さて夏至祭2日目である。ホルガの住民は夏至祭のために全員全身白服である。所作も形式ばっており、不気味に心穏やかな人ばかり。何やら北欧神話を持ち出したりルーン文字を持ち出したりあやしさいっぱいである。
そしてあやしさフルマックスの儀式が始まる。72歳になった老人2人が、高尚そうなルーン石碑に手から流れる血を塗りつけ、崖のうえから自ら飛び降りて顔面ぐしゃぐしゃになって死ぬのであった。
グッシャグシャやぞ〜。
1人は綺麗に死ぬが、1人は落ちても死にきれなかったので村人がハンマーで頭かち割って始末する。
ヤベーヨヤベーヨ、ってなってるイギリス人のコニーとサイモンは途中でこの旅行から離脱。そんな事件があって心を乱すダニー。クリスチャンとも相変わらず心は通わない。
話は並行して、クリスチャンにちょっかいを出す村人マヤ。あいつ誰やねん?ってちょっと気になりだすクリスチャン。
村人が大切に崇めている木(おそらく世界樹)におしっこして老人に激昂される大学友人マークはマブな村人婦人に「ちょっと来て、見せてあげる」と誘われホイホイとついていき忽然と姿を消す。
論文の研究のために村のことを調べ尽くしていた大学友人ジョシュは絶対に写真をとってはいけない聖典の写真を撮ってしまう。すると突然ハンマーで叩かれて気絶する。その後しばらく物語から離脱する。
やべーよマークもジョシュもいないよ、ってなった時にクリスチャンがマヤの母親に呼び出される。
母「あなたマヤと相性いいからセックスして」
はっ?と混乱するも、まんざらでもない気分になるクリスチャン。
そんな中若い女子で誰が一番ダンスを長時間踊り続けられるかのバトルが繰り広げられる。なぜか参加することになったダニーは、ドラッグ入りのティーをキメ、ラリってるうちに1番になってしまう。1番になった暁にメイクイーンとなり崇められる。馬車に乗り五穀豊穣を祈る儀式に参加させられる。
さて別口でドラッグを飲ませられたクリスチャンは満を持してマヤとやってしまう。やってる周りには裸婦が13人。やれやれ〜って応援してる。
マヤは「やば〜い!子供できるきがする〜〜」って叫ぶ。
五穀豊穣祈りまくって帰ってきたダニーはうっかりクリスチャンとマヤが交わっている場面を目にしてしまい、過呼吸に。
コトが済んで裸で部屋を飛び出し逃げ惑うクリスチャンは謎の小屋に入る。するとそこには内臓が飛び出て目に花がぶっ刺さったサイモンがいたのだ(しかもご存命)。
これはたまらんすわ〜〜〜〜って焦ってるうちに村人に薬盛られてアイズ・シャット・ダウン。
次の場面で村長が言う。
「90年に一度のこの祭りでは9人の血を捧げなければならない。」その9人とは、崖から落ちた老人2人と、外から来た4人(サイモン・コニー・マーク・ジョシュ)と志願した村人2人。
あと1人はクジで当たり目だった村人か、クリスチャンか。
メイクイーンであるダニーは選択権がある。どちらを選ぶか。
ダニがー選んだのは、クリスチャンだった。
儀式の部屋に運ばれる9人。クリスチャンは熊の皮を着させられている。
儀式の部屋は轟々と燃え上がっている。
それを見ているダニーは微妙な顔から徐々に笑顔になるのであった・・・・・・。