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映画「生きちゃった」は生きる覚悟を問われるとんでもない映画だ(感想・ネタバレあり)

◆はじめに 石井裕也最新作の「生きちゃった」。とんでもない映画だった。  公式のあらすじを読んだ段階では、奈津美(大島優子)の不倫を発端におさなじみ達(仲野太賀、若葉竜也)の人間関係が狂っていく”様相”についての話だと思っていたが、全くそうではなく観客に「生きる覚悟」を問うてくるとてつもない力強い映画のように感じた。その問いは強く心に突き刺さり、私は私の人生を全うしているのだろうかとしばらく考えてしまった。  もっと多くの人にそんな映画体験をしてほしいので感想を記す。 ◆一

    • 夜明けのすべてを見てふと思ったまとまりのない話

      「夜明けのすべて」面白かった。 三宅唱さんの作品はいつもどこかあったかくて本当に好き。 ざっくりどんな話かといえば、 PMSやパニック障害といった自分のカラダなのに理解もコントロールもできない症状に向き合わないといけない主人公2人が、なんてことはない日常の中での気づきを通して、他者へ慈愛の気持ちを表したり他者へ助けを出せるようになっていく話。 他人に自分の症状を言えなくて、理解もしてもらえなくて、悩む。 そういった状況もあり、考えの主語が自分偏重で視野狭窄的だった2人が、

      • 『花束みたいな恋をした』30歳独身婦人の感想垂れ流し

        『花束みたいな恋をした』を鑑賞した。心底1人で観に行ってよかったけど、そもそも観にいかなければよかった……、と後悔するくらい自分の決定的な欠陥を突きつけてくる映画でとても辛かった。2021年トラウマ映画トップ3入り確定ではないでしょうか。30歳独身婦人としての感想を垂れ流しこの感情を成仏させてくれ。 普段こんなド真ん中ストレート恋愛映画なんて見ないのだが、友人に「お前は絶対これを観ろ、そして過去を振り返れ」と言われたのでそこまで言うなら……と思い渋々映画館に赴いてみたら、読

        • 映画「妖怪人間ベラ」は考察厨歓喜の最強B級映画だ!!(ネタバレあり感想・考察)

          ◆はじめに オリジナルアニメが放映されてから50年以上リメイクなどされて続けるほど愛されている妖怪人間ベムシリーズ。本作は「ベラ」(3人のうちの女の妖怪)に焦点を当てemmaちゃんを主役にホラー仕立ての一作となっている。emmaちゃんの可愛さはさることながら、B級好きとして個人的にヒットだったので感想を記す。ポイントは桜田ひよりと森崎ウィン。そして考察厨歓喜の伏線の残し方。全国民に見て欲しいくらいだ。 ◆あらすじ うだつの上がらない広告代理店のサラリーマン新田康介(森崎ウィ

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          ホムンクルスの実写化を妄想する

           誰得の極みだけど大好きな山本英夫の漫画「ホムンクルス」が実写化するということで、キャストと監督を妄想してみようと思う!  ①興収狙い、②手堅さ狙い、③ミニシアター狙いの3パターンで妄想する!ちなみにどちらかと言えば②と③に想いこめて書いてます。 ◆ホムンクルスとは? 「殺し屋1」や「のぞきや」シリーズ、最近は「HIKARI-MAN」で有名な山本英夫によって手掛けられた作品。  とあることをきっかけに主人公・名越進は額にトレパネーションを施されたことで、周囲の人間の全身や一

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          「狂武蔵」坂口拓の圧巻の斬りザマだけ見とけ!(感想・ネタバレあり)

           ”77分ワンカット”と”山崎賢人出演”で話題の「狂武蔵」を鑑賞してきた。9/10が武蔵野館の最終上映日とのことだったので駆け込んだのだが、どうやら1週間上映延長になったくらい好評のようだ。  もともと園子温が別作品の撮ろうとしてたところ企画が頓挫しちゃって紆余曲折あって9年かかって「狂武蔵」の上映がかなったそうな。 ◆一言でいうと ストーリーもクソもねえからとにかく坂口拓だけ見てろ!  ◆ワンカットは目的じゃねえ、手段だ 鑑賞し初めて序盤は、正直クソつまらないものを見

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          映画「ファナティック」、ファンを呪わば穴二つ。ジョントラボルタの怪演を刮目せよ(ネタバレあり)

          ◆はじめに ファナティックを公開日に見てきた。ジョン・トラボルタ御大の気持ち悪い演技目当てだったけど、全体的にシンプルな構成で、オチが個人的に好きだったので感想を書く。 ◆一言でいうと ファンを呪わば穴ふたつ。 「ファンがいなければ、俺は無に等しい」という、作中に出てくる主人公が憧れる俳優ハンター・ダンバーの名言があるのだが、この言葉に始まりこの言葉に終わる映画だ。 ◆あらすじ 冴えない映画マニアのムース(ジョン・トラボルタ)は、ある日行きつけの雑貨屋に憧れの俳優ハンター

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          「ブックスマート」はなんて見ていて気持ちのいい映画なんだ!!

          ◆はじめに 注目の女優オリビア・ワイルドの監督デビュー作「ブックスマート」を見てきたのだが、これがまあとにかく見ていて気持ちの良い映画だったので感想を記す。どぎつい下ネタに腹抱えて笑った後、不意に泣かせてくる本作、最高だったよ・・・・・・。 ◆一言でいうと ああ親友の絆最高!!!ああ見ていて気持ちいい!!!ああ人間賛歌!!!ていう映画。  (要約雑だけど、もはや感情発露させる形でしか一言で伝えられない) ◆あらすじ モリーとエイミーは高校で互いに唯一の友人だ。2人とも遊び

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          映画「僕の好きな女の子」はめちゃくちゃキモい映画だった(褒めてる) ※ネタバレあり感想

          ◆はじめに 又吉直樹原作×「あの日々の話」玉田真也監督×渡辺大知主演で見ないことがあるか?というわけで「僕の好きな女の子」を早速鑑賞。  予告動画や雰囲気的に「愛がなんだ」のようなエモ散らかす映画だと思っていたら、思いもよらずめちゃくちゃ良い意味でめちゃくちゃキモい映画だったので、感想を早速書きますね。いやー気持ち悪かったー!最高だよ! ◆一言でいうと 非モテ男がファムファタールに片思いし続ける青春恋愛モノ、ではない。 ◆あらすじ 内向的な男子・加藤(渡辺大知)は、親友・

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          リー・ワネル最新作「透明人間」はデートでおすすめのホラー映画(感想)

          ◆はじめに リーワネル最新作「透明人間」を鑑賞した。リーワネルといえば、「SAW」シリーズの脚本で名高いクリエイター。  個人的には「SAWと書いて怖いと読む」、みたいな作品を作った人の映画なんて怖くて見れない・・・・・・スンスン・・・・・・って思ってたけど、自分の映画情報摂取源の人たちがこぞって勧めていたので即刻映画館へ。むちゃくちゃ怖くてむちゃくちゃ面白かったので感想書きますね!!! ◆あらすじ 光学研究の第一人者の彼氏エイドリアン博士(オリバー・ジャクソン=コーエン)

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          映画「アルプススタンドのはしの方」は令和の「桐島、部活やめるってよ」だ。(感想)

          ◆はじめに 先日飲み会で友人に映画を勧めていたところ、友人に「お前が勧める映画はいつも暗い、それかバイオレンス」と言われ、事実なので何も言い返せなかったのだが、本作は全く異なるテイストの大傑作としてお勧めしたいと思う!まごう事なき「激烈青春映画」だ。  原作は東播磨高等学校の演劇部の脚本で、舞台化を経て今回映画化に至ったそうだ。監督は城定秀夫監督。演劇部の脚本が映画化することも少ない気がするし、ピンク映画の巨匠の城定監督がR指定のない映画のメガホンを取ることも珍しいだろう。

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          映画「マザー mother」で長澤まさみは日本アカデミー賞にノミネートされるだろう(感想)

          ◆はじめに 大森立嗣監督最新作「マザー mother」を見てきた。ぶっちゃけ、「しみったれたこの感じ、面白いかわっかんねーなー、まあ長澤まさみが毒親役やってるから見てみるか」くらいのモチベーションで鑑賞したが、長 澤 ま さ み が す ご い。  見終わって知ったのだが、実際に起きた「川口祖父母殺害事件」にまつわる取材を書籍にした「誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか」を原案に作られたのだとか。 ◆あらすじ 母・秋子(長澤まさみ)と息子・周平(奥

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          映画「アングスト / 不安」は観客を徹底的に犯人視点に立たせる恐ろしい映画や

          ◆はじめに 「アングスト/不安」を見てきた。  1980年にヴェルナー・クニーセクによって実際に引き起こされた一家殺害事件を元に、オーストリアで1983年に公開されるも、その残虐さから1週間で上映中止になった幻の作品。  そんな作品がこの度日本でリバイバル上映に至ったなんて言われたら、ミーハーな私が行かないわけがない。  公開翌日、シネマート新宿の21時台にいったのだが、満員御礼状態。気になった方は是非前もったチケット予約必須だ。 ↑シネマート新宿のエレベータ。頭おかしいw

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          片山慎三新作短編映画「そこにいた男」感想

           個人的オールタイムベスト「岬の兄妹」の監督である片山慎三監督の新作短編映画「そこにいた男」を鑑賞した。 ◆はじめに クラウドファンディング支援した人に対してのみ1週間だけオンライン上映なされる作品のため、全員が今見られるわけではないのだが、大変面白かったため感想を記す。  ぜひ、劇場公開を懇願したい一作だ。 ・クラファンサイト ・公式ツイッター https://twitter.com/sokootoko ◆あらすじ 男はエレベータホールの前で血まみれ裸で横たわってい

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          映画「許された子どもたち」は今年1番の傑作かもしれない(ネタバレ・感想)

          ◆とんでもない映画を見てしまった。  終了後も鳥肌が立ち続け、しばらく席を立ち上がれない状態が続く、そんな映画だ。賛否両論で物議は醸すだろうが、日本人全員に見て欲しいと声を大にして言いたい。  本作は「先生を流産させる会」で話題を呼んだ内藤瑛亮監督の最新作だ。自身が学生だったときに起きた山形マット死事件から、少年犯罪に課題感を抱き、公開まで2011年から約9年間の時間をかけた作品である。 ◆あらすじ 同級生である樹(イツキ)を日常的にいじめていた中学生男子4人グループの絆

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          映画「初恋」に三池崇史をみとめた(感想・ネタバレあり)

           三池崇史監督最新作「初恋」を鑑賞した。三池色全開のバカ笑えてバカ最高な作品だったので感想を書く。 ◆あらすじ 余命いくばくもないボクサーのレオ(窪田正孝)と父の借金の肩代わりを余儀なくされたモニカ(小西桜子)の偶然の出会いをきっかけに、ヤクザとチャイニーズマフィアと狂った女(ベッキー)による血みどろバトルが巻き起こる・・・・・・。 ◆一言で言うと シャブ漬け女と諦念観にまみれたボクサーのカタルシス映画である。また、「生命力」がテーマだろう。 ◆人物相関図 ・葛城レオ

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