マダインサーレ - Madain Saleh - (2)
以前書いた(1)からの続き。
正午近くの出発になったため8月22日はYanbuで一泊。翌朝は早朝からの出発でマダインサーレを目指す。
タイトル上の写真は2日目の出発の朝のYanbu。港町でもありコントロールタワー(?)が目立ちます。
目的地まで内陸に向け残り400kmほどの道のり。
砂砂漠というより砂礫。岩盤がそのまま隆起した印象の大地の造形が延々と続く。砂漠というと風紋映える砂丘が連なっている光景をイメージしますが、半島全域がそういう均一な砂漠なのではなくエリアにより表情が相当に異なる。
地質図に走行ルートを照し合せると、紅海に面したYanbuから内陸に向けて薄黄緑色に着色された先カンブリア紀岩層(Precambrian Rocks)を北上し、目的地はちょうど臙脂色の古生代岩層(Paleozoic Rocks)の地域に入った辺り。
- 先カンブリア時代: 約46億年~5億4100万年前
- 古生代: 約5億4100万年~2億5190万年前
先カンブリア時代は古生代よりも古く、地球上に「生命」が出現してから「エディアカラ生物群」までの時代、古生代は「陸上無脊椎動物」が出現したころ、という感じらしい。
古代の無脊椎動物というとアンモナイトくらいしか思い浮かばないが、アンモナイトは「古生代(シルル紀末期もしくはデボン紀中期)から中生代(白亜紀末)までのおよそ3億5,000万年前後の間を海洋に広く分布し繁栄した、頭足類の分類群の一つ」とのこと。
プレーンな砂漠の上を縫うように走る一本道もそうだけど、岩質地盤の上を車で走るのは最高に解放感がある。
都市では致し方ない人工のレイヤーを取っ払って、地殻の上をそのまま走っているような感覚がある。地球と直接に繋がる感覚というか。
ベドウィンの系譜に連なるこっちの人々が、週末や休暇にRVやSRVで砂漠へ行き、絨毯を敷いて火を起こしお茶を飲むのも、そういった感覚への郷愁なのではないかと思ったりする。
車窓から遺跡っぽい建造物を見つけた。車道を外れ近寄ってみる。
日干煉瓦を重ねたこの国の遺跡でよく見る造り。形態的に砦…?
「遺跡発掘エリアだから勝手に立入ると罰せられる」というようなことがか書かれた標識。AH1392だから7年前の日付。
礫砂漠に忽然と現れたこの遺跡、上記マップの一番北側の撮影地点がマダインサーレ、そのひとつ南側の地点がこの遺跡なので、マダインサーレまでもう少しの場所。