人材紹介コンサルタントの育成について考える
皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
先日、弊社の取引先の社長から人材紹介コンサルタントの育成について相談したいとの連絡を頂きました。その会社は現在20名弱の会社ですが、採用も大変順調にいっており、社員の人数が増えてきた中でコンサルタントの育成が今後の大きなテーマになってきたというのが背景です。
弊社は主として人材業界に特化をして人材紹介事業を行っております。人材業界はここ数年、多くの企業で採用に注力をしており、中には1年間で100名以上のコンサルタントの採用を計画している企業もあります。一方で採用後のコンサルタントの育成がうまく回っている会社というのは意外に少ないと感じています。そこで今回は人材紹介コンサルタントの育成について取り上げていきたいと思います。
多くの会社での育成パターン
弊社では大手総合型から業界特化型、ベンチャー企業、エグゼクティブサーチファームに至るまで多くの人材紹介会社との取引がございます。それを踏まえて中途入社者の育成についてみていくと多くの会社では以下のような形で育成を行っている企業が多いのではないかと思います。
■中途入社者の育成パターン
・入社初日：オリエンテーション（職場挨拶、ウェルカムランチなど）
・２日目~2週間（1ヶ月）：人事（育成担当）による集合研修。会社の理念や大事にしていることなどの説明。業務面ではロープレなどを中心にして現場配属までに一通りの顧客対応ができるまでに仕上げていく。会社によってはコンプライアンスや社内システムなどの研修も含む。
・2週間（1ヶ月）後~：現場に配属されて、その後はOJT主体。企業によっては若手やリーダークラスの人材が教育担当として伴走し、1 on 1などのミーティングを実施しながらフォローをしていく。
つまりは最初は人事による会社や仕事の概要の研修を行い、その後は現場に配属されてOJTなどを中心に育成していくという流れが一般的かと思います。
もちろん、このような体制が組めない企業は現場でのOJT主体で育成をしていくという企業もございます。
大事なのは育成に誰が責任を持つのか？
今まで多くの人材紹介会社を見てきて、育成における体制やその進め方などについては概ね先ほど紹介したようにそれほど各社で大きな違いがないと思います。
しかし、企業ごとに最も差が出るのは育成について誰が責任を持っているのか？という点です。
例えば、年間に数十名から100名近いコンサルタントを採用している会社では毎月、現場に数名単位で中途入社者が入ってくることになります。そうなるとOJTを任されている現場のリーダーや若手社員は毎月毎月、新人のフォローに追われ自分の仕事どころではない、という話もよく聞きます。さらに言えば、彼らの評価が個人業績のみで評価される仕組みになっており、このような育成に関わることが評価にはあまり反映しないというケースも多々見られます。
あるいは人事側で教えていることが現場に配属後、全く役に立たないというケースがあり、人事と配属部門との間で連携ができていなかったり、そもそも育成における考え方が一致していないなんてことも聞いたことがございます。
これらの原因は育成における責任の所在が曖昧であることに起因しています。逆に言えば、育成がうまくいっている企業はこの責任の所在が明確です。
育成が上手い会社の特徴
それでは実際に育成が上手い会社はどのような特徴があるのでしょうか？
まず最初は、育成における責任の所在が明確な企業です。弊社の取引先には、社長が業務の90%以上を社員の育成のために時間を使っているという企業があります。その企業では社長が商談や面談のトークの仕方からロープレまで全て行い、一から育てていきます。当然ですが社長が社員の育成と即戦力化に責任を持っています。
ここで押さえておきたい大事な二つ目のポイントは実はこちらの社長はコンサルタントとしてもトップレベルの実績を持っているということです。つまりただ単に社長だから教えているということではなくて、プレイヤーとしても一流である社長が自ら教えているというところに意味があるのです。
また別のケースでは社内でトップレベルの実績を出している執行役員が明確に育成のミッションを持って新人メンバーの育成に関与している企業もあります。
以上のように育成に対して責任が明確でかつ、プレイヤーとしても高いパフォーマンスを出している人が教えているという企業が育成が上手く回っている企業の特徴の一つです。
続いての特徴は、再現性を持たせる仕組みを持っているということです。人材紹介の仕事は良くも悪くも属人的な部分がとても強いという部分がありますが、その属人的な部分を極力排除して、再現性を持たせる仕組みを持っている企業ということです。
例えば、顧客の商談履歴や求人内容、選考プロセス、面接情報（面接官・面接内容など）などがしっかりと社内のシステムに登録されており、誰が見てもクライアントの特徴や現状などが一目瞭然に整理されていたり、社内のベストプラクティスなどの事例が一覧で見れるなどノウハウや成功事例なども共有できる仕組みがあるなどがその例です。
この点は意外に重要で特に業界未経験者にとってはこの仕組みがあることで無駄な時間を使わずに一定のレベルを担保できることはとても大きなメリットだと思います。
以上、今回は人材紹介コンサルタントの育成についてみてきました。人材紹介の仕事の本質が紹介した方の入社後の活躍にある以上、育成がしっかりしている企業は弊社からも自信を持ってお勧めできる企業だと考えております。特に業界未経験の方には、そのような企業を選んでご紹介させて頂きます。
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