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商業出版における企画とプロットとは! 役立ち情報一覧

こんにちは、翁まひろです。
7月25日に角川文庫より中華風ブロマンス『牡丹と獅子 双雄、幻異に遭う』が発売されますが、こちらは俗に言う(?)「受賞後第一作目(二作目)」となっております。

ということで、今日は、創作界隈の方ならもしかしたら聞き及んだことがあるかもしれない魔の二冊目――「二冊目の壁」に挑んだお話です。

といっても、私自身にはノウハウを語るほどの技術はありません。
なので、私自身が実践してみて「役立った」と心から感じたnoteの記事を、僭越ながらまとめさせていただきます……!


九年間、投稿をつづけたのちに受賞したのですが、その間に色々としんどいこともあり、なかば「自分が受賞することはないだろう」とあきらめていました。それもあって、デビューした作家が受賞後にどうなるのかをきちんと調べたことがありませんでした。
それが思いがけず賞をいただき、情報のなにもない中、出版に向けた膨大な作業を必死にこなしていきました。精神的にも肉体的にもギリギリの状態での作業、解放、そして発売日が決まり――ふと猛烈な不安に駆られた。

このあと……なにがどうなるの?

夢の中でも改稿にいそしみ、校正ゲラにかじりつき、それらすべてを終えて、ふっとやってくる静寂。
出版前、すべての作業が終わったあとの、なにもやることのない空白の時間。
まずは体を休めよう、書店に本が並ぶのを待とう、それで、それで……そのあとは?
無我夢中で長年の夢に挑んできたけれど、それが叶った、そのあとは?

超のつくネガティブ人間なので、初出版自体も恐怖でしたが(もちろん嬉しいのですが、喜びと恐怖は表裏一体)、出版後のことも不安しかありませんでした。
作家デビューというからには、二冊目がある……と思っていいのかな? とすると、その二冊目はどうやって進行していけばいいのか。いや、そもそも発売後初週の売上次第と聞いたことがあるから、それによっては今後の展開も大きく変わってくるのでは。それはどうやって知ればいいのか。誰に聞けばいいのか。もしかしたら二冊目はなく、これで終わりということもあるのかな。
不安。猛烈に不安。不安しかない。
「こんなに不安ばかり抱えて、ようやく掴んだ小説家デビューを楽しめないなんて、向いてないんじゃないの?」と内なる声が囁くほどに、不安。

ということで、不安を払拭するため、ひたすら調べまくりました。
そして、本当に多くの情報に助けられました。
それらの情報を活用しながら、初出版後、二作目の製作に挑んだのですが、そのどれもが有益な情報であり、大いなる糧となってくれました。
とくに、noteの記事の中にたくさんの救いを見出しました。
以下は、私自身が実際に「ありがとうございました!」と泣いてひれ伏したいほど感謝している記事たちです。

私のように途方に暮れて、メンタルやられそうになっている、どこかのどなたかのお役に立てますように。

①受賞作出版直前、直後の動き方

新人賞を受賞した! 受賞作を出版した!
ここまでは、もうベルトコンベアーです。編集部の担当さんがスケジュール管理も含めて、出版まで導いてくれます。
「改稿終わるかな」「自分にできるかな」といった底なしの恐怖はあれど、不安の正体ははっきりしているので、もう腹をくくって戦うしかありません。

たとえ体を壊そうとも……!!(嘘です。健康第一)

問題は、出版直後でした。
「今後ってどうなるんだろう。自分から連絡したほうがいいのかな」などといったいろいろな不安が襲いかかってきました。
そうしたときに心を救ってくださったのが、『わが家は祇園の拝み屋さん』シリーズをはじめ、多くの著書をお持ちの、望月麻衣先生の記事です!

出版前の宣伝活動なども含めて、色々とアドバイスをくださっています。正直、この記事を見つけていなかったら、もっと途方に暮れていたかと思います。
本当にありがとうございました…!

②企画書について

順調に話が進み、もし「二作目がんばりましょう!」となったらどうなるか……。
受賞作がシリーズ化した場合は別ですが、新しく物語をつくっていく場合は、基本的に「企画書」の提出から始まるようです。
出版社やレーベルによっても色々のようですが、各出版社の大御所作家さんたちが同じような話をされているので、これがスタンダードと思われます。
中には、企画書のテンプレートの用意がある出版社もあるようですが、「自由で」と言われたらどうするか。

私はこちらの岡田勘一さんの企画書を購入し、自分なりに項目を取捨選択しつつ、提出しました。結果、担当さんも「編集が欲しい企画書」と言っていただけました!(と言いつつ、このとき提出した企画自体はボツってますが! 単に、企画書構成の評価は高かったという話です。笑)

企画書の内容はもちろんのこと、企画に向けた考え方、書き方の解説もしてくださっています。
これは正直、商業出版でなくても、趣味、公募においても役立つ情報だと思いました……!(もっと早くに知りたかった)

そしてもうひとつ、今度は作家側からの目線として、児童書をはじめ多くの著書を出されている神戸遥真先生の記事も、とても勉強になりました!
企画書だけでなく、企画書の前段階であるネタ一覧や、企画書のあとのプロットの話もされています。
実際に提出された企画書・プロットそのものを見ることもでき、「こう書くのか」がよくわかりました。
ぜひぜひ、実際の先生の著書とともにご覧ください!

③プロットについて

企画書が通ったら、プロットを提出します。
(企画書=プロットという場合もありますし、企画書とプロットが別の場合もあるようなので、どちらも編集さんに要確認です)

公募時代も、プロットはほとんど作成したことがありませんでした。(ざっくりと「あらすじ(梗概)」を作り、それに沿って執筆する、という形をとっていた)
ですが、商業においてはプロットを提出しないことには始まらないようです。
そこでノウハウ本なども読んだりしたのですが、いちばん「うおおお!」と感動したのが、『宮廷神官物語』シリーズの榎田ユウリ先生の記事でした。
実際のプロットも写真で拝見できるので、目が興奮で血走りました。

もうひとつ、『大阪マダム、後宮妃になる!』シリーズの田井ノエル先生の『執筆中につき後宮ではお静かに』のプロットです。
実際に、提出されたプロット(リテイク前後)そのものを拝読できる……!
また、こちらでも、企画書前の打ち合わせや、企画書段階での話、プロットのリテイクの話なども読むことができます。
実際に著書も拝読し、純粋に物語として楽しむのと同時に、「あのプロットが、実際にはこうなるのか!」と二度おいしい感動を味わいました。

プロットはともかく作家さんによって、まったく形が異なるようですが、いろいろな方のプロットを見て、自分なりのプロットを製作できてよかったです。
……ただちょっと、私のプロット、短編かなーってぐらいに長すぎてですね……次はそこを修正していきたく……担当さま、その節は本当にお手間をとらせてしまいまして……っ(平伏)

こうして二冊目の壁を突破する

これらの情報を武器にして、二冊目の壁をどうにか突破することができました。

ここでご紹介した記事は、どれも先駆者の皆さまが血を吐く思いで掴みとってきた知識です。それを惜しげもなくさらしてくださったおかげで、私はとても救われました。
この場を借りて、諸先輩方に敬意と、深い感謝を……!

もちろん、これらの情報があってなお大きな壁を感じたし、「ダメかも」と思ったことは数知れずでしたし、突破するには途方もない労力と精神力を必要としました。
それでも「皆さんも、この苦しみをくぐりぬけてきたんだ」と思えば、心も励まされました。
右も左もわからずに、孤独を感じている方がいましたら、「世の中には手を差しのべてくださっている方々がこんなにもたくさんいるんだ!」と知っていただけたら、同じ挑戦者としてとても嬉しいです。

以上、素敵なnoteの記事たちをご紹介させていただきました。
皆さまに幸あれ!

お知らせ

そんなこんなで、七転び八起きの精神でがんばった二冊目が、7月25日に発売されます。

イラスト:カズキヨネ様
装幀:AFTERGLOW様


もう二度と誰かに心を預けたくない――。

美貌の毒舌道士・洛宝と、豪放磊落な便利屋・英傑。
ともに過去に傷を抱えたふたりは、「期間限定」のバディとして、三つの怪異に挑む。
水神の祟り、泊まると死ぬ宿、招魂の真偽――そして……。

中華風ブロマンス怪異譚『牡丹と獅子 双雄、幻異に遭う』。
どうぞお楽しみに!

そして二冊目の壁を越えて、次は……三冊目の壁……そ、それは……それ……それをどう私は……げふごふ。

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