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モロッコ旅行記⑪ 7日目「アトラス山脈で雪合戦!?」

砂漠と雪合戦とイフランの街

サハラ砂漠の極寒の夜。
日の出前の6時頃、ハマドに起こされ、駱駝に乗って、まだ暗い砂漠へと漕ぎだす。


砂漠で拝む朝日と、影絵となった友人
オーベルジュへと戻る途中で、サハラ砂漠二度目の日の出を拝む
赤い砂漠に点々と生える草と、その間をうろちょろした様子の獣の足跡
わずかに草の生えたあたりに獣の歩いた痕跡
赤い砂漠と二頭のらくだ、すこし離れた場所に立つハマド

小高い丘に立って、朝日が昇っていくのを見つめる。
黄金に染まる砂地には、夜のうちにつけられた獣の足跡が。
狐、ネズミ、トカゲ……獣たちの姿はやはりどこにもなく、ただ痕跡だけがそこにある。

砂漠に身を伏せて休憩する二頭のらくだと、寝転がるハマド、立ったまま休むモハ
砂漠に刻まれた細かな風紋
肉球のあとが残る砂漠
砂漠の尾根に残るのはらくだの足跡か
恐竜の背中のような棘を生やした砂漠の尾根
砂漠に伏せる途中のらくだとハマド、モハ
器用に前肢を折って身を伏せる駱駝
白い砂漠に落ちる青い影
青と白の砂漠

見る場所を変えると、砂漠は途端に色を変える。
カメラだと、肉眼よりもはっきりと色の違いが出た。

赤く照らされた砂漠に伸びるらくだの影

すっかり日も昇りきり、ふたたび駱駝に乗って出発。

砂漠の奥にはオーベルジュ、それに向かって歩くらくだの影

およそ2時間の航海を終え、ふたたびオーベルジュに到着する。

次なる目的地はイフラン

預けておいた荷物を受けとり、朝食を食べていると、1日ぶりの運転手オマルが登場!
楽しかったサハラ砂漠と、駱駝ドライバーのハマドさんに別れを告げて、ふたたび私たちは車に乗る。

次なる目的地は、世界遺産の古都「フェズ」。まずはその中間地として、「イフラン(イフレン)」と呼ばれる街を目指す。

モロッコにおけるイフランの位置(白地図専門店さま)

荒野と緑の渓谷

テーブル型の山々とその谷間に広がる緑の渓谷
蛇行する渓谷にはあふれんばかりの緑

車はあっという間に、砂漠地帯から山岳地帯へと入っていく。
途中、緑でいっぱいの渓谷を見わたす。

緑の中にある田畑から煙があがっている

赤い砂漠ばかりを見続けた目には、緑のある光景というのは、なんとも奇妙に映る。

巨大な岩壁をくりぬいたトンネル

フランス軍が作ったというトンネル。掘りっぱなしの古い隧道だ。

ヤシの森と川にかかる立派な橋、遠くには鉄塔も見える
川に架けられた立派な橋。遠くには鉄塔も見える

雪山を見晴らす街で昼食を

西洋風の街並みの先には雪をかぶったアトラス山脈

途中、車窓から王様が作ったというダムを見ながら、車を走らせること4時間半。お昼すぎに、アトラス山脈を見晴らす町に到着する。
そこのレストランで昼食をとることに。

透明なグラスに、ミントの葉と砂糖が豪快に詰められている
ミントの葉と砂糖が豪快に詰められている
皿にオムレツとレタス、トマトが盛られている
モロッコではたびたび目にする、モロッコオムレツ
魚料理とサフランライス、野菜の炒め物
魚だ! 久しぶりに目にする魚。淡水魚だろうか
ティラミスの上に甘くに詰めたりんご、その周囲にはみかんが四房
やっぱり果物でデコレートされた洋菓子。今日はティラミス
POMSと書かれたアップルジュースの緑色の瓶
おいしいリンゴジュース

ミントティーのような香りの強いものが得意ではない私は、オレンジジュースや、リンゴジュースにたびたびお世話になる。味は日本と大差なく、安心して飲むことができる。

まさかの雪合戦!?

昼食を食べたあとの道中、私たちはとんでもない光景に出くわすことになる。このときの私は、モロッコという国の多彩さを、まだまだ理解しきれていないのだった。

アトラス山脈の山肌に落ちる雲の影
アトラス山脈と雲の影

15:30頃、車窓を見ると……。

青い空の下に雪の斜面が広がる

雪だ―――――!?

白雪の上に人間が大の字に倒れこんだあとがある

モロッコといえば、乾燥した砂漠地帯、アラビアンナイトの世界といったイメージがある。けれど、アトラス山脈の標高の高いところ(このあたりは標高1,500m)では雪も見かけるのだ。
当たり前といえば当たり前なのだが、朝まで真っ赤な砂漠にいたというのに、この突然の雪景色にはただただびっくり!

「雪合戦をするぞー!」

全員、大はしゃぎで、おもわず白熱の雪合戦をはじめてしまう!

赤いボックスカーの屋根の上には檻がつけられ、羊がいっぱいのせられている
どこかへ運ばれていく羊たち
青い湖面と雪の岸辺
白雪の中に、しんと現れる鏡面のような湖

雪遊びはモロッコ人にとっても娯楽らしく、ところどころでたくさんの車が止まり、雪ぞりを楽しんだり、雪合戦をしたりしている人々を見かけた。

フランス保護領時代の保養地「イフラン」

赤いとんがり屋根の家々が並ぶ通り

それから一時間、車はとある町へと立ち寄る。
ムーミンでも現れそうな小川の流れる森林の中に、突然現れる、赤い尖がり屋根の家々。
モロッコとはとても思えない、スイスかどこかのような雰囲気の町、イフランだ。

赤いとんがり屋根の家々が並ぶ通り
日の暮れはじめたイフランの可愛らしい街並み

標高1,650m。フランス保護領時代の1929年に保養地として作られた町。
現在は、王様や富裕層の別荘地になっており、途中、厳重に警備された王様の別荘を見ることができた。
ヨーロッパ風の館は、お伽話の中のように美しかった。

赤いとんがり屋根のカフェ
赤いとんがり屋根のカフェの入り口

カフェで休憩。

パンやクッキーの並ぶショーケースの前で男性客が商品を選んでいる

中はこじんまりとしているものの、アットホームな雰囲気が漂う、居心地の良いカフェになっている。

ショーケースの中に並ぶクッキーやパン
どれもおいしそう!

立派なガラスケースの中には、クッキーやケーキ、贈呈用のリボンがかけられた箱などがおさまっている。

ショーケースの奥の壁には軍人が映った写真や、開店当時と思われるカフェ外観の写真が飾られている

歴史のあるカフェなのだろうか、壁には開店当時のものと思われるお店の外観を写した写真がかけられていた。
その隣には、ふたりの軍人らしきひとの姿も。

テーブルにのせられたクッキーの盛りつけられた皿、ノスノス
窓際の席につき、クッキーやノスノスをいただく

この日も私と友人はジュラバを着ていたのだが、イフランでは浮いてしまっていた。

Forest Restaurantと書かれたレストランの外観と、黒っぽいアンティークな車
映画の舞台になりそうなお洒落な街

イフランの町には、あちこちにカフェがある。
オードリー・ヘップバーンのような素敵な女性が現れても不思議ではない雰囲気だ。

雪の残る赤いとんがり屋根のてっぺんに鳥の巣と鳥

尖がり屋根の上に、大きな鳥の巣を発見する。

赤いとんがり屋根の煙突の上にコウノトリが二羽

コウノトリだ。マラケシュでもたびたび見かけた鳥だが、イフランでも定番の住民らしい。

ライオンの巨大な石像

イフランの象徴である、ライオンの彫像。
かつてモロッコにはライオンがいたと言われている。

暮れはじめたアトラス山脈を越えて、夜遅い時間になって、ようやくフェズに到着する。
フェズは大渋滞で、ホテルにつく頃には夕飯の時刻を超えてしまっていた。

次回予告

モロッコ旅行記⑫ 8日目「青の街シェフシャウエン」

青い家から元気いっぱいに飛びだしてくる子供

本日の目的地は、友人に「どうしても行きたい」と頼んで、オプションで増やしてもらった場所「シェフシャウエン」だ。
マラケシュが赤の街なら、シャウエンは青の街。
この日、また新たなモロッコの顔を見ることになる……。


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