猫×2のための猫柵⑤/和室入口の格子引戸[序]
兄妹猫が家に来た日。
一向にケージ(の中のトイレ)から出てこない二匹を見ながら、これからのこと想像した。
猫のケージは、リビングにつながる和室に設置した。段階的に猫の行動範囲を広げていくつもりなので、ケージの中で落ち着いたら、次は和室の中を自由にさせてあげる予定だ。
この時、しばらくはリビングには出てこれないよう、和室とリビングの間にある襖(ふすま)を閉めなくてはならない。
だがそうすると、和室の中の様子がわからなくなる。
相手は子猫だ。
もし何かあった時に、直ぐ駆けつけられるよう様子は常にチェックしたいし、何より、襖をちょっとだけ開けて隙間から覗くように猫を見るのは、何だかあまり楽しくない。
そしてこれはかなり重要なことだが、和室にはエアコンが無い。
襖を閉めてしまうと、リビングの暖かい空気が流れて行かないので、これは良くない。(当時は年末で寒さが厳しくなり始めていた)
そこで、妻にこう提案した。
この襖、格子の引戸にしよう。
リビングと和室は三枚の襖で遮られている。
全部開くと二部屋が繋がって解放感もある。
和室に猫を解き放す時は、この三枚の襖を閉じることになるが、その内の一枚を格子戸にすれば、リビングから中の様子がわかるし、何より、暖かい空気も流れ込む。
そして例えば、急な来客時や掃除の時などに、ちょっと猫を和室に避難させたとしても、中の様子を襖を開けずにわかるのはかなり便利だ。
不要な時は、襖のようにスライドさせて仕舞い込むこともできる。
メリットしかない。
問題があるとすれば、果たして私に、障子がわりになる格子戸が作れるのか、ということだ。
開け閉めできるということは、立て付けがかなりしっかりとしてなくてはならない。障子の敷居(レール)の幅は決まっているので、サイズなどもかなり正確性が求められる。
恐らくこの格子戸は、初めて作った玄関の格子扉と同等、あるいはそれ以上の難易度だろう。あちらが西の横綱なら、こちらは東のヘビー級チャンプだ。
だが、未だ日曜大工三級とはいえ、猫柵に関してはレベル2くらいにはなっている私。何とか行けるかもしれない、という自信もあった。
私の提案に、ボスであるところの妻はちょっと驚いたようだったが、それでも心良くゴーサインをくれた。
やってやるぜ、ボス。
まってろよ、猫×2。
なお、この時点で、ここに作る格子戸の猫柵のプランはほぼゼロだった(自信って何……?)。勢いとはおそろしい。
というわけで、脱走防止の為とはまた違う、猫とヒトとの生活のための猫柵作りがはじまる。