大人へ絵本memo ~美しい瞬間だけをムシャムシャと~
ダイジェストのように
美しい場面だけを切り取って見てきた気がする。
きれいな街。道。食事。景色。
演劇。コンサート。お笑い。アイススケート。いろんなスポーツ。
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花が咲き誇り
見頃になった季節に足を運ぶ公園。
毎日繰り広げられているのに
自ら確かめないでいる
日の出前の水平線。
睡蓮の花の
変化の調べ。
綺麗な瞬間を切り取った景色を
私は頂く。
むしゃむしゃ むしゃむしゃ むしゃ
そして平気な顔で
「きれいなものがすき♡」
と言う。
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🗻
🌲
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美味しいレストランの開店前には、くまなく掃除して埃を拭う作業がある。美しいメニューの裏で厳しい鍛錬がある。
己の最高傑作を見せる瞬間まで
粘って這いつくばる姿を
微塵も見せないアスリート。
植物園の
見頃じゃない季節の地道な作業は
予定と不調和。
お米や野菜が出来るまでに通る大自然
天と地を恨みたくなる自分と戦ってくれる方。
それから
苦しみながら
もがきながら
命の時間を果てしなく彷徨いながら
生み出される絵画
誰か1人でもその絵の前にたたずんだときに
やっと
その人の仕事が完成するような。
何十年かかっても
立ち尽くす人を信じていた画家たちの。。
『にいさん』
いせ ひでこ (著)
2008年 偕成社
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホと弟のテオドロス・ヴァン・ゴッホの物語。
画家のいせひでこさんは、ゴッホへのオマージュを何冊も描かれています。
テオがゴッホへの想いを回想する形で兄の苦悩を描きます。
お互いを愛し尊重し補い合いながらも、人生を全うするのは自分自身でしかないことをそれぞれが理解していたのかもしれません。
弟テオに送った700通近くの手紙から、ゴッホが絵描きになるまでと、その後も続く孤独な人生の苦悩を受け取ったテオでしたが、画商として兄の絵を売ることは出来ませんでした。
真実の絵として売ることの意味を考えさせられました。
同じ時代に生きていたモネの。。
『リネア―モネの庭で』
クリスティーナ ビョルク (著) レーナ アンデション (イラスト)
1993年 世界文化社
画家クロードモネの愛した庭を訪れる少女の話。
花の好きな少女リネアはモネも花を愛していたことを知り、その花たちを見るためにパリのモネの家を訪ねます。
少女のフィルターを通して、大きな筆のタッチや20年以上描き続けられた橋を眺めると・・・モネの人生と創作時の想いを感じる事が出来ます。
たくさん準備をして整えて、お客様を待っているお店の方。
通り道を歩きやすくして下さっている近所の方。
何年もの歳月をかけて一瞬を切り取り見せて下さる
カメレマンや絵描きさん。
良いところだけを喜んでもらえるように
この世界にはどれだけの人が
見えない訓練や仕事をして下さっていることでしょう。
これらを読んで皆さまへの感謝の気持ちが溢れました。
どうもありがとう。
いつもありがとうございます。
私は
呑気に面(おもて)だけを見てきました。
美しい景色の中の過酷な自然からも逃げています。
これからは
誰もが豊かな心で人生を送れるように
誰かに喜んで頂くための準備に
時間を使っていきたい。
(ちょっと重たいかな?)