テーマは“お祭り”。フルリモートワーク企業がオフライン展示会に出展した理由
こんにちは。キャスターは、4月24日〜 4月26日の3日間、東京ビッグサイトで開催された日本最大のIT・DX展示会「Japan IT Week【春】」クラウド業務改善EXPOに出展しました。
Japan IT Weekは、キャスターがこれまで出展してきた展示会の中で最大規模のイベントです。2014年に創業して以来、フルリモート経営を約10年続けてきたキャスターはオンラインには強いものの、オフラインイベントの経験・ノウハウはあまりありません。そのため、上手くオペレーションを回せるか不安もありました。
ところが、結果的に実りある形で展示会を終えることができました!
Japan IT Weekでキャスターが得たものは何か?デザイン制作と運営を担当したデザイン部の佐野 明稀さんにお話を聞きました。
展示会では異色の和風テイスト。キーワード選定で“人材系企業”であることをアピール
ーーまず、Japan IT Week出展にあたり、設定した目標とそれに対してどのように取り組んだのかを教えてください。
全体としては、2つの目標を設定しました。
まず、「キャスターの認知拡大、各サービスのリード獲得」についてお話しすると、企画運営およびデザイン担当として企画段階から重視してきたのは、「認知してもらう」ことでした。
通常、展示会では70〜80%の人はブースに立ち止まらずに通り過ぎていってしまうもの。
ただでさえ、キャスターは一見何の会社か分かりにくいので(苦笑)、パッと見で「どんな会社か」、「何をやっている会社か」理解してもらうことを意識しました。
どんなサービスかまでは分からなくても、“人材系の企業”だという認識まではしてもらえるように「人材不足」などのキーワードを目立たせました。
また、社名・ロゴ・コーポレートカラーが印象に残るよう工夫しました。
ーーコーポレートカラーの黄色と提灯が目立つブースでしたね。ブースのテーマを教えてください。
テーマは、“お祭り”です。
IT系の展示会では、青や緑を基調として綺麗にまとめられているブースが多いですよね。文字のフォントもゴシックが多く、明朝体は少ないように思います。
その中で、和風テイストのブースにしたら目立つのではないかと考えました。
灯のもとに人が集まるイメージで提灯をモチーフにし、日本のお祭りの雰囲気を演出しました。展示会場で「あの提灯をぶら下げているところね」と目印にしてもらうことを想定してデザインしました。当日は祭囃子のBGMを流したりもしました。
会期中には、ブースの写真を撮っている来場者が結構多く、参加メンバーからも「お客さんがデザインを褒めてました」というコメントを毎日聞くことができて嬉しかったです。
会場で「認知される」ことについては、成功したのではないかなと思います。
また、目に留まりやすいだけでなく、サービス紹介エリアと商談エリアをはっきり分けて、それぞれにある壁面のメッセージを工夫したことで導線づくりや、リード獲得にもうまくつながったと思います。
ーーノベルティも集客につながったように思います。特にコーヒーが人気でしたね。
ノベルティは、4種類を用意しました。
・インスタントコーヒー
・ミネラルウォーター
・マグカップ
・宮崎マンゴー/日向夏のキャンディ
フルリモートのキャスターがオフラインに存在していることをシンプルに表現するため、インスタントコーヒー・ミネラルウォーター・マグカップには、用途に合わせてキャスターおよびサービスのロゴを中心にデザインしました。
また、キャスターは宮崎に本社を構える会社なので、宮崎マンゴーと日向夏のキャンディをたくさん用意しました。
当初、コーヒーはブースでお話しできた方に差し上げる目的で用意していたのですが、好評だったので、途中からは通りがかった人などいろんな方にお渡しするようにしました。
コーヒーは、会場内で他にも3社くらいノベルティにしている会社を見かけました。軽くて荷物にならず、帰ってからも楽しんでもらえるノベルティ向きのアイテムだと思います。
北は北海道、南は鹿児島から。立候補したメンバーが集合!
ーー目立つブースと、喜ばれるノベルティで集客につながりましたね!2つ目の目標「オフラインの機会を活用し、メンバーが集まる“お祭り”感を醸成」この目標は、フルリモートワークの会社ならではかと思います。
キャスターで働く800名以上のメンバーが住んでいる場所は、国内47都道府県と海外に散らばっていて、オフラインで集まる機会は全くと言っていいほどありません。
ですが、今後は意図的に、オフラインで活動する機会も作っていきたいと考えています。Japan IT Weekもメンバー同士が会える場づくりという目的がありました。
今回、いろいろな部門から37名のメンバーが東京ビッグサイトまで来てくれました。職種もリモートアシスタントや人事企画、IRなどさまざまです。
実のところ、協力メンバーを募る前はフルリモートの会社なので、オフラインの仕事を億劫に感じる人が多いだろうと思い込んでいました。
ところが実際には、北は北海道、南は鹿児島とさまざまな地域から集まってくれました。
営業メンバーなど一部はマネージャーから推薦されての参加でしたが、ほとんどのメンバーが立候補して参加してくれたんです。
フルリモートワーク企業に勤める私たちは、会社がオンラインにしか存在しないかのように感じがちですが、今回、現地で協力してくれた人たちは、会社やメンバーの「実存」を現場で見て感じたいという気持ちがあったようです。
「メンバーに実際に会って、お互いのことを知れてよかった」という感想が多く寄せられました。
ーー「オンラインにしか存在しない」感覚というのも、フルリモート企業ならではかもしれませんね。
次に、展示会中の様子について聞かせてください。オフラインでの仕事に慣れていない人ばかりかと思いますが、オペレーションはうまく回ったのでしょうか?
オフラインワークの経験が少ないので、当日行ってみないと分からないことが多く、多少の不安はありました。
メンバー同士もこれまで会ったことのない人ばかりで、お互いのことを知らぬまま会場入りしました。「初めまして〜。○○部の○○です。」と挨拶しあう声が飛び交っていたのがキャスターらしい風景でした。
それにもかかわらず、チームワークが最高に良くて、またオフラインの機会があったら集まりたい!と思えるメンバーでした。
役割分担は、いくつかの役割をもうけ、各自が希望する役割を担当してもらうことにしました。みんな、予想以上に主体的に動いてくれました。
それから、こういう時って自分の持ち場以外のことは他人事になりがちじゃないですか。でも、担当以外のことも真剣に考えて動いてくれる人が多くて、驚きました。
ノベルティの同梱作業やマニュアル作成をしてくれたり、部署・職種関係なく当日スムーズに動けるように主体的に打ち合わせをしてくれたりと、依頼していた範囲を越えて自らやってくれていました。
どうやったらお客さんのリードを取れるかを展示会後に残って話し合ったりもしました。特に、初日は真剣に振り返りミーティングをして、2日目以降に活かしました。
メンバーそれぞれが気づいたことや反省点をSlackの展示会チャンネルに随時コメントし、関係者のみんなに情報共有をしてくれ、即時改善につなげていました。
3日間、自然と朝会もしていたんですよ。
ーーキャスターが朝会をやっていたと聞いたら、驚く人が多そうです。
代表取締役の中川さんも参加していました。
中川さんは、朝会だけでなくスケジュールが許す限り、ブースに立って、チラシ配りもしていましたよ。
ーー中川さんが、Japan IT WeekについてXに投稿したこのコメントが印象的です。
社内のメンバーも中川さんに会ったことがない人ばかりで、「まさか、中川さんに会えると思わなかった!」と言ってる人もいましたね。
オンラインだけでなく、オフラインでも成果が出せるキャスターへ
ーーイベントはハプニングが起きがちですが、順調な3日間だったようですね。
順調に3日間を過ごせた理由は、現地で協力してくれたメンバーのおかげというのはもちろんなんですが、オンラインでサポートしてくれたメンバーの力もかなり影響しています。
現地メンバーが名刺を獲得すると、現地にいないメンバーがリモートで「この後の商談化は私たちに任せてください!」と力強く言ってくれて、いい感じでパスができました。
気になることがあれば、随時アドバイスやフィードバックをSlackを通して送ってくれたりとリモートでサポートしてくれたメンバーにはかなり助けられました。
現場にいる37人の背後に、オンラインで100人くらいサポートしてくれているかのような心強さを感じました。リモートでのバックアップ体制が整っているのがキャスターの強みだなぁと実感しました。
もともとリモートワークは得意中の得意ですから、これにオフラインワークの経験値・ノウハウを掛け合わせて培っていくことができれば、最強の会社になるのでは?と思いました。
次回への改善点をあげるとすると、こんなにも主体的に動いてくれる人ばかりなら、もっと企画段階から参加してもらえばよかったということです。
この規模での出展が初めてで、現場のイメージができている人が少なかったですし、来られる人だけでも事前にオフラインで打ち合わせをするとか、もっとチームビルディングが必要だったと思います。
今回の出展では、普段、リモートでは気づきにくいメンバーの意外なキャラクターや強みを知る機会にもなりました。オフラインコミュニケーションや提案に強い人がいたり、営業とは全く分野の違う職種なのにめちゃくちゃ営業力のある人がいたりと...。
各メンバーが現場で感じたこと、発見したことは今後に活かせるとても貴重な財産になったと思います。何より事業部の垣根を越えて一致団結でき、とても良い機会になりました。
今後も積極的にオフライン企画を実施していきたいと考えています。このnoteを見て、次回は参加してみたいなと思ってくれる社内のメンバーがいたら、ぜひ声をかけてもらえたら嬉しいです。
ーーそうですね!ぜひ多くのメンバーに気軽に参加してもらえるといいですね。