見出し画像

金言844:命がけで社業に励んだ証

明けましておめでとうございます。

ある年のお正月のことです。
ご家族からもう年賀状は不要になりましたという寒中見舞いが届きました。それっきりのご縁でした。後日、背景がわかりました。

役員に昇進してたくさんの意思決定をしたなかで、この人にとっては、おそらく役員最後の意思決定となった件です。もちろん会社のため、同族企業のカリスマオーナーに喜んでもらうための意思決定であったはずです。野次馬の後講釈では「調子に乗っちゃって」という評価になりました。
内容はともかく、この意思決定が会社にとって、周辺企業にとって計り知れない不利益をもたらしたため、オーナーからきついお叱りを受けました。通常のお叱りなら坊主になって反省を可視化することで勘弁してもらえます。今回は暴れん坊将軍が家臣に向かって「腹を切れ」というシーンになったのかもしれません。叱られた本人にとっては、回復不能な精神的なダメージとなり、体調を崩し亡くなりました。今ならパワハラとか不当何とかとかいって損害賠償訴訟に発展するかもしれません。

本件は、家臣が主君に代わり主君のために実行したことを主君が理解しなかったということではなく、家臣が忖度して決定したことが結果として会社に大きな不利益をもたらしたことが主君の逆鱗にふれたわけです。結果をだせということでだした結果がよくなかったのです。「結果だ結果だ結果だ」と10回繰り返しているうちに生きのびる道を見失ってしまったのかもしれません。命がけで社業に励んだ証にちがいありません。あらためてご冥福をお祈りいたします。

年賀状にまつわる悲話のひとつであります。年賀状をやめたので、もう次の悲話は届きません。

いただいたサポートはこれからやってくる未知のウイルス感染対策、首都直下型大地震の有事対策費用に充当します。