金言256:社員食堂
企業風土や業界のお約束などによって、従業員用食堂は個別企業の特徴がよく表現されています。ただし、これはビフォアコロナ時代のことで、現下のコロナ禍ではテレワークにより社員食堂で和気あいあいの環境は「待て」の状態かと思います。
もしかしたら、アフターコロナ時代には再現されることはない過去の事象になったかもしれません。
1)IT企業の社員食堂
IT業界で儲かっている米国系の会社は、バイキングスタイルの昼食を社員に無料提供しています。昼食代を会社が負担するか、社員の給料に含めるかの違いですが、この会社は、夜食も、自販機の飲料も無料となっています。飲食代を全額会社が負担することで、優秀な技術者が集まってくるそうです。また、仲間と楽しく食事をするなかで、斬新な企画(儲かるアイデア)が生まれることを期待しています。儲かっている会社は、社員の創造性を損なうようなコストカットをする必要がありません。経費節減で利益を出すのではなく、利益がでる事業を仕掛けることをねらっています。
2)百貨店の社員食堂
女性が多い職場なので、食が重要です。社員食堂の内容が従業員の勤労意欲に影響を与えるようです。それ以上のことは、わかりません。
3)都市ホテルの社員食堂
フロント、接客、経理、調理、営業などすべての従業員が同じ社員食堂で食事をします。フランス料理のコックも和食の板前もウェイターも同じメニューです。不思議なのは、ホテルのレストランとは違い、おいしくないことです。料理長などえらい人は、その日の食材の鮮度のチェック、味見などの目的で、職場で弟子が業務用の食材で調理した料理を食べていますが、修行中の人は「まかない」という社員食堂に行きます。食材は、営業用とは別ルート
です。社員食堂の運営をアウトソーシングしている事業所が多いとおもいます。社員の食事を作っても会社の営業に貢献しませんし、調理技術も学べないので、社員が社員食堂を担当することはないのかもしれません。
外のレストランでおいしい料理を、身銭を切って食べることは勉強になります。お得意様に喜ばれるサービスを提供することで、チップをもらい、それをためて、一流レストランを客として利用して、味・サービスなどを体験する(盗む)、これが、上を目指す若者にとっての先行投資です。
4)オーナー会社の本社の社員食堂
オーナーは、会社のものは自分のものと思っています。社員食堂で食事をすることは当然のことです。会食の予定がないときは、ふらっと、社員食堂で女子社員と並んで食事をすることもあります。男性社員は、呼ばれるまで、まわりのテーブルで待機します。
オーナーがいつ来てもおかしくない社員食堂です。オーナーは先代に厳しく躾けられたで、粗食です。社員食堂のメニューはオーナーの嗜好にあわせていますので、社員は毎回、完食します。
いいなと思ったら応援しよう!
