結婚式帰りに待合せ(ショートエッセイ)
ジムからの帰り道、ラジオを聴きながら信号待ちをしていると、助手席に置いていたスマホの画面が光った。
以前連れて行かれた合コンで会って、2週間くらい前には2人で食事に行った女性からのラインだった。
予約したカジュアルめなバーの前で待っていると、濃紫色のドレスを着た彼女がやって来た。
「綺麗だね」と無意識に言っていた。
バーではお酒とおつまみ的なものを頼んで、新婦との関係性や式の話をした。
座った席がガラス張りの壁際のハイスツールだったこともあり、店員さんから渡された膝掛けをかけている姿も、色っぽかった。
予定通りお互い1杯だけ飲んで、改札口まで見送りをしてその日は解散。
なんかオトナみたいだなと思った。当時は。
今となっては、大きなミスをしていたことに後悔。
お店のチョイスも、「綺麗だね」「ドレス似合ってるね」という言葉も、予定通り1杯で解散したことでもない。
『可愛いね』って言ってない。
P.S.
個人的な田舎あるあるとして、会話に出てくる「駅前」が指す駅は一つしかない。
県内・市内に駅がいくつあっても、「駅前」の駅は県庁所在地や第二都市の駅なのである。
東京や都心部に住んでいる人には全く分からない感覚だと思う。
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