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ハーフサイズフィルムカメラで綴る夏旅。

夏の旅
束の間の。

ずっと自分の中で抱いていたくて
書かねば前に進めず囚われたまま

それくらい大事な時間でした。

宝珠のような蓮の花。

半分食べてもらったラーメン。

はるかなる。もう遠い。
確かにそこで見た物。

夜、星の綺麗なところ。
朝、水の清きところ。

山の植物の逞しさ可憐さ

山百合の、朝香る。

朝陽に透けた蜻蛉の翅

白に沈む山々の柔らかさ

沼に映る翡翠の木々が水に溶けてゆくこと


竹馬に乗ったりブランコを漕いだこと。

蒸せるような、執務室の暑さと。

そこだけ時を止めている中庭

白昼夢 幻日

夏。

涙を止められなかったこと


言葉が、出てこなかったこと。

ひんやりとして、暑かった。

その人に向けて、何度かシャッターを切りました。撮り損ねませんでした。捉えて写って、透明で。

何度代替を探して求めても、見つかるはずがないことを悟りました。こりゃ無理だわと代替を使ったり探すことをやめた夏。

詩集の挿絵のような風景ばかりの旅でした。

言葉を受け取ることも、姿を見ることも、声を聞くこともないかもしれないけれど

半分のサイズのフィルム写真の中、その瞬間だけが鮮やかです。
撮れてよかった。

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ミルメルモ。
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