川のほとりで。
朝
ぼーっとしてたら京王線なのに小田急線に乗ってる感覚になっていて明大前で降りそびれる。笹塚で降りて明大前まで戻って井の頭線に乗り換えて下北沢。
何気なくイヤフォンを外したら、カランと軽い音。プラスチックパーツが外れていた。これ接着剤とかでつけられるのか?と思いながらケースに仕舞った。
初めて下北沢駅前のシアターK2に。
「うんこと死体の復権」2時間弱
ハンディーカメラでの撮影パートが多くてフォーカスがめちゃくちゃ迷ってて途中酔う。
内容は『知っている』ことを改めて確認できたということと、『やっぱり土って自然の巡り巡る循環ってすごいの感動が半々ずつ。頭では、知識としては知っていることをまとめて映像として見ると、ものすごい。
伊沢さんは有名だけど(自然環境業界ではかも)ビジターセンターでたまたま手に取って引き込まれた『しでむし』の作者の舘野さんのパートが好きでした。はぁ、、胸いっぱい。
ところどころ危ういところもあるけれど、概ね良かったです。
普通の人におすすめか?と問われたら「観てほしいけど、どうかなぁ…」という感じ。
あなたには「大丈夫!余裕でしょ!」と思うのでそちらで上映があったらぜひ観てみてください。
最寄駅でご飯食べて帰る。この後お迎えで、少し時間があるので川のほとりに座って川を眺めていた。
翡翠が一羽、水に突っ込んで行ってパッと出てきた。対岸のたおれた葦に留まる。嘴には銀色の小魚が咥えられていて、見事なものだと思った。
ここのところ晴れが続いていたから、水量は少なく、流れ穏やか。水面に反射する日の光が明るく、星の形にきらきらしている。
チィーッと鳴きながら飛び去っていった、下流の方にももう一羽。飛ぶ時に羽を広げると、腹のオレンジが鮮やか。今朝自転車で坂を降りる時に見た、ジョウビタキのオスのオレンジ色とよく似ているなと思い出した。
川の中を見ていると、小魚や鯉など。山形に行ったり、丹波に行った時に見た川とは比べ物にならない街中の小さな小さな川だけれど、
河辺にはミゾソバが咲いて、イネ科の植物たちがわっと茂り、羽虫や蝶がよく飛んでいる。
この街に引っ越してきた時、まだ子どもたちもオムツの取れていないくらいで、実家から初めて出たようなわたしは土曜日とか日曜日の朝辛くなるたびに夫に子どもたちを預けて、この川まで歩いてきていた。
途中でカフェオレを買って、川を見て飲んで、ぐるっと歩いて頭を冷やして帰る。その繰り返しで遠く遠く泳ぐための、息継ぎの場所だった。
いつの間にかそれは必要なくなって、もう二人も大きくなって、この街に知り合いが増えて、いく場所もできたからか、もうしばらく来ていなかった。
思い詰めたように眺めた川は、全くもって穏やかに静かで、光はあたたかく風も優しく、たったの数年、もう数年もたって、ずいぶんと遠くに来た気がするし、もっと遠くまで行くのだろうと思った。
それと同時に、わたし自身何も変わっていないのにな、とヘンテコな、お腹のところがもにゃっとする気持ちになった。
光の波が川底を滑るように揺らめいて、綺麗。
今ふと、わたしはこういう感覚を誰かにずっと知っていてほしくて、伝わる相手を探していたんだと思って、今こうして書いて送れる先があって幸せだな、と思った。
送らせてくれて、読んでくれて、ありがとう。