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大阪桐蔭 vs 聖望学園 どこよりも詳しく見どころ解説

第104回 全国高校野球選手権大会
大会9日目 第3試合
大阪桐蔭(大阪)vs聖望学園(埼玉)

接戦に持ち込めるか、横綱相撲か
手に汗握る好ゲームに期待

今大会、優勝候補の筆頭と言われる大阪桐蔭。
一方、聖望学園は埼玉大会の決勝でセンバツベスト4の浦和学院を破っての甲子園。

タイプは違うが両校ともに投打にまとまった好チームである。単純な戦力比較をすると大阪桐蔭が上回ると言わざるを得ないが、聖望学園が勝機を見出すにはどうすべきなのか?

そこを中心に試合の見どころを解説したい。

初戦の勝ち上がり

大阪桐蔭は初戦・旭川大(北北海道)と対戦した。序盤にホームラン等で3点を先制される苦しい展開となった。しかし3点を追う3回裏に3安打を集めて2点を返すと、6回には海老根がレフトにホームランを放ち同点に追いついた。続く7回には1番・伊藤のホームランからの4連打で一気に3点を挙げて勝ち越し、終盤は川原から別所へのリレーで旭川大の反撃を何とか凌ぎ、6-3で勝利した。

得点差こそ3点開いたものの内容は全く互角で、大阪桐蔭は苦しんで勝利したと言えるだろう。旭川大の山保・池田の両投手が非常に安定した投球を見せたのが苦戦の要因だった。劣勢の中、当たりは良くなかったものの3安打を放ったスラッガー松尾の打撃と、2本のホームランで突き放した長打力はさすがの一言である。

川原、別所の両投手は決して本調子とは言えない出来ではあったが、ピンチを作りながらも粘り強く凌いだ投球は評価出来る。ただ時折高めに浮いた球は捉えられていた為、次戦でどう改善されているかに注目したい。

一方の聖望学園は初戦で秋田の能代松陽と対戦。序盤からしぶとく小刻みに1点ずつ加点し、試合を優位に進めた。
試合のカギとなったのは聖望学園エース岡部の6回の投球だ。四球と3安打で2点を返され、なおも一打同点のピンチだったが表情を変えることもなく後続を討ち取った冷静さが光った。

その後7回に四球と4安打を集中させて3点を追加し、試合を決定付けた。結果的には8-2の快勝だった。
2番大橋以外は先発全員安打と打線の切れ目の無さが印象的だ。中でも下位打線のコンパクトなスイングが目についた。8番岡部、9番園山が2人で5安打3打点と大活躍を見せたのがチームの大きな推進力となった点は見逃せない。

またデータ班が能代松陽の配球を完全に掌握した事も大きい。「カウント2-2からは80%の確率でストレート」という情報を得た事で2-2からのエンドランがことごとく成功した。これも試合を優位に進められた要因だろう。

そして何より1番の勝因はエース岡部の好投だ。決して球速が速いわけではないが130キロ台後半のストレートと切れの良いスライダーを内外角に投げ分ける投球術で的を絞らせなかった。エースの安定した投球がチーム全体を落ち着かせたのは言うまでもない。

この試合のポイント

投打ともに実力では大阪桐蔭が上回る、これは致し方ない。

ただ聖望学園は埼玉大会の決勝で、下馬評では完全に格上と見られた浦和学院を1-0で破って甲子園に出場している。
聖望学園としては接戦に持ち込み、少ないチャンスを生かして勝機を見出したい。

その為に必要なのは何と言ってもエース岡部の好投が絶対条件となる。初戦以上に内外の細かいコントロールが要求される。

夏の甲子園は浜風の影響でセンバツよりもライトへのホームランは難しい。それを生かして、長打を恐れず谷口、丸山、田井、星子と言った左打者の内角膝もとを積極的に突いていきたいところだ。
また伊藤、松尾、海老根らの右打者に対しては外のスライダーを振らせる配球を心がけたい。
キャッチャー江口は非常にインサイドワークに長けている捕手なので、キャッチャーの配球にも注目したい。

そして攻撃面では大阪桐蔭の好投手3人に対して、16安打した初戦同様に低く強い打球を意識したいところだ。大振りになってフライアウトが続くようだと攻略はなかなか難しいだろう。

大阪桐蔭としては投手陣が初戦のような出来であれは、苦戦を強いられる可能性がある。聖望学園は徹底的なデータ分析で多彩な攻撃を仕掛けてくる。それだけに失策や四死球で無駄な走者を出さないようにしたい。特に初戦では内野手に大阪桐蔭らしくないエラーが2つ出た。
当然最善を尽くした末のエラーは責められないが、接戦になると1つのミスが致命傷になるだけに気をつけて臨みたいところだ。

聖望学園が接戦に持ち込めるか
大阪桐蔭が横綱相撲を見せつけるのか

夏の気温以上に熱い、手に汗握る好ゲームを期待したい

甲子園ラボ

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