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夕方に、虹が出た日のこと
夕方5時半近く。日勤が終わるころ。
大雨が止んで、パーッと日が差して、大きな虹が出た。
虹を見るとうれしくなるのは私だけじゃないはず。
患者さんにも見せてあげたい。
看護師さんたちにも見てもらいたい。
でも、「虹が出てます」なんて言うのは子どもじみているかな。
うだうだ考えてしまったが、「言わない後悔より言っての反省のほうがまし!」と思って、看護師さん2人に声をかけた。
「虹が出てます」
2人とも窓部に行って、窓の外を見てくれた。
「ほんとだ!」
「出ると思っていたら本当に出た」
「患者さんにも見せたいね」
伝えてよかったな、と思った。
タイムカードを押して退勤してから、慌てて写真を撮って、患者さんの1人に見せた。
「大きな虹が出てるんですよ。実物をお見せできたらいいのですが、写真ですみません」
こちらの感動とはうらはらに、患者さんはあまり興味を示さなかった。