日常にもどり一人取り残された空虚感
ようやくコロナから復活し、日常を取り戻しつつある我が家。
朝起きて、子供を起こし、お弁当を作り、バスまで送りに行く。
そんなルーティンを終え、静けさを取り戻した頃にいつもチリンチリンとやってくるご近所猫。
名前を『ルーファス』といい、飼い主さんに聞いて初めて知ったけど、もうおじいちゃんらしい。なるほど、いきなり噛んだり引っ掻いたりするのはそういう訳か…と静かに納得。
久しぶりに会いたいな〜、今日はいつ来るかな。と、いつ来てもいいように、今日も入口のドアを半開きにして待っているがなかなか音が聞こえず。
暫くすると主人から電話が入り、
「ルーファスのとこ、今日が引っ越しだって。〇〇(次女)が書いた手紙が机にあるから今から持って行ってあげて!」
とのこと。
え!?引っ越しするかもしれない、って言ってたけど今日??
と、在宅ワークの最中だったけれど、急いで机の上の手紙を主人の名刺と私のE -mailアドレスと一緒に封筒に入れて持って行った。
これが最後になるとは。と突然の別れにすでに泣きそうになるのをこらえながら行ってみると、
そこにはもうすでにルーファス家族は出て行っていて、メイドさんが引っ越しの見届けをしていました….
そのメイドさん曰く、昨日ルーファス家族は新居に移ったらしい。
確かに数日前に(私が隔離中で外の様子が分からなかったけれど)ルーファスの飼い主さんから有難うと、子供達にお菓子とルーファスと一緒に撮った写真をプリントアウトしたマグカップを貰っていたが、まさか昨日だったとは…
せめて最後にナデナデしながらバイバイが出来ると期待していたのに…
と、自分でもびっくりするくらいに悲しくなった。
コロナにさえかかっていなければ…
こもっている7日間、ドアの向こうには鈴の音と子供の声が聞こえていた…
もうルーちゃんと会えないんだ…(私はルーちゃんと呼んでいました)
勝手にやってきて、勝手に出て行く。時々ずっと家で寝てるから、22時過ぎに飼い主さんが心配して呼びにくる。そんな気まぐれ猫。敷地内を我がもの顔で歩き廻り、たくさんの人に愛されていた。
飼い主さんとはほとんど面識がなかったけれど、子供達はたまにお家に上がり込み遊ばせてもらっていた。
子供のいないルーファスの飼い主はルーファスが子供のようなものなんだろう。(他にも犬と猫が一匹ずついます)私と主人もだけれど、うちの子と仲良くしてくれて有難う、と思っていてくれたんだと思う。
ルーファスとは、時々、外でばったり会うとお互い「あ、こんなところでお会いするとは!」と他人行儀になったり、「あ!見つかった!?」と驚かれることもあったり、と。自分の家の猫じゃないのに、自分でも知らず知らずとっても愛着が湧いていたんだと思う…
あと1日早くコロナから回復できさえすれば…今もそう思うばかり….
もう居ないのは分かっているけれど、今でもチリンチリンと鈴を鳴らして、当たり前の顔でやってくる気がしてなりません。
暫くはルーファスロスが続くであろう私です。