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中小企業の非財務経営評価について

1)経営の振り返りをするに至った背景

独立開業してから2年が経過しました。ここまで黒字で順調にやってこれていますが、中小企業庁から発表されている「中小企業白書」では企業の約50%が開業3年以内に倒産しているという数値もあるように、船の舵取りをする者として中長期的な視点に立つ重要性を改めてヒシヒシと実感しているところであります。

とはいうものの、自社の強み弱みはなんとなく理解している。けどそれは一体いつからなのか?なぜ?どんな状況下で生じたのか?などの詳細については分析ができていない。よって傍から見ても場当たり的でムダな失敗が頻発…。これらは失敗から学ぶという取組みが根付いていない状況の裏付けである!という現状認識から、経営施策の振り返りを実施し、的確に現状把握をしようと思うに至りました。

このような背景から、振り返りから学びを抽出し経営施策に反映する取組みを強化することにしたので、一体何をやっているの?を以下に記載しました。

2)「Round Table」の取組み

まず、組織としての学びを振り返る活動自体に名前を付与して正式化する意味を込めて、この取組みを「Round Table」と呼ぶことにしました。
一方通行の情報伝達ではなく、活発な議論をしたうえで経営方針を打ち立てる。そのための思考の共有を通じて強化できるよう、円卓で会議することにしています。なのでRound Tableです。

そして「学習する組織」を構築すべく、5W1hで概要を以下のように簡単に整理してみました。

「Round Table」の取組み概要

次に大きく以下の2点を整理し内容の肉付けをしました。
・設計: 経営として何を評価するのか
・運用: どうやって評価するのか

3)設計:経営とは何を評価するのか

経営を評価するにあたり、下図のような軸を並べてみました。教科書をめくればそれなりにテンプレート的なものはありますが、「なぜ、今この時点でこれらの要素が振り返りに大事なのか?」に耐えうる要素を評価対象に据えるべきと思っています。要は教科書的に振り返る項目を用意しても、振り返るの対象(中身)がなければその作業の本質としては要らないので要るものだけで良いということにしました。

加えて仕組み構築の初期においては、学びの手触り感を大切にしたいので日々経営するうえで鍵となっていると感じる要素に絞っています。
FY21/Eはこれらの項目を用いますが、経営要素は動的に捉えて然るべきときに評価すべきなのでFY22 1Qは異なる指標が追加される可能性もあります。それだと過年度実績との内部ベンチマーキングができないじゃないか、という問題もありますが、遅かれ早かれ重要要素に収斂されていくと見込んでいるので今はこれでいきます。営業、調達、法務領域などの要素が入っておらず部分的に評価項目から抜け落ちていますが、その理由は前述の通りです。

経営評価軸テンプレート(excel)


3)運用:どのように評価するのか

次に、どのように評価するかを以下の通り定めました。

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