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(今回のテーマ、なんか前書いたよな、と思いつつあれこれキーワード変えて検索したけど出てこない。なので書く。重複してたらごめんよ)

まず、思い出していただこう、Arkadiaのトイレがどうなっているか。

Arkadiaのトイレはこうして水洗になった。

だがこれは家の敷地の外に出ることはなく、バイオトイレとして発酵、液肥と反固形堆肥となって畑で使われる。よってトイレットペーパーは便器には流さず、トイレ内の屑籠に捨てる。これはメキシコ全土でいまだによく見られる光景。メキシコの保健省からは「不衛生だから紙は流すように」と通達が数年前にあったが、流すことができないバイオトイレなので仕方がない。不衛生にならないようにすればいいだけ。
 その紙は、まとめてゴミに出せばいい。だけどできればゴミには出したくない。なので、2週間に一度程度、それをまとめて燃やすために外の薪ストーブでスープを煮る。紙を燃やすためと、スープ煮ることで調理時間短縮、2日ぐらい料理しなくて済むし、何よりスープが美味しいから。

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豆も煮る

 そして、この「隔週恒例スープ」の大半が、メキシコのお袋の味ポソレ(Pozole)になる。ポソレとは、メキシコ各地で色々と異なる材料や味のスープで、でも共通しているのが「ポソレ用トウモロコシ」の入っているものを指す。
 ポソレ用トウモロコシとは、ミックスナッツに入っているジャイアントコーンのようなどデカいトウモロコシ。乾燥したものと、すでに半分調理されているものがある。この半分調理したものが便利でして、真空パックだったり缶詰だったり。うちではその後の空き缶も重宝するので缶詰を使っている。安いのよ、水分抜いて1.8kgで400円しないぐらい。

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どーーーーーーーん

 ポソレの基本形は「豚さんの頭」。メキシコの肉屋さんで普通に売っている豚さんの頭をニンニクや玉ねぎとグツグツと煮込んで、豚のもも肉も一緒に煮込んで、煮込んで、煮込んで。プロ(メキシコのおばちゃんのこと)になると、中庭でガスボンベとかで弱火を保ちながら火にかけて、そのまま市場に買い物に行っちゃったり。
 最低でも8時間は煮込まないと、美味しいポソレにはなりませんのよ、あーた。
で、もちろんその長時間グツグツの間は家づくりの作業。

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↑隣の鍋でトウモロコシ別立てです

 ポソレ用のトウモロコシと肉類は別々のお鍋で煮るのが定番。じっくり出汁をとりながら味を決めていく「肉の鍋」と、ゆっくりトウモロコシがポップコーンみたいに開くまで煮る「トウモロコシの鍋」。最後に1−2時間、両者を合わせて煮込み、味をまとめていく。
 豚肉のポソレの場合、この「合わせる」タイミングでお肉を外に出します。食べる各人の好みで、どの部位のお肉にするか決め、食べるときにトウモロコシ入りスープと好きな部位のお肉を乗せて。

ポソレにも、豚だったり、鶏だったり、エビのポソレもある。
 
 私はずっと豚のポソレ。それも、一度取り出して冷ましたお肉は手で骨から外し、細かく裂いて再びスープの中に戻し、そこからさらに2−3時間の「ごちゃ混ぜポソレ」。Arkadiaから車で3時間ほどの湖近くの村の名物です。これが美味しい。コッテリ(時間のある時には一晩寝かせて、冷めたスープに浮く脂を取ってから)。食べるときに、キャベツやレタスの千切り、赤蕪の薄切りなどを乗せて。

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 鶏のポソレも確実に美味しい。
 骨つきのもも肉を、数羽分の鶏ガラと一緒にニンニクも入れて煮ます。むしろこのために鶏肉はいつもお肉屋さんで骨つきのまま買い、自宅で骨を外して鶏ガラはスープ用にいつも冷凍庫に入れて取っておく。
 鳥のポソレはあっさり、でも鶏出汁しっかり。

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 作る時は例の「1.8kgトウモロコシ」の缶詰そのまま一つ全部使って。時間のかかる料理ほど、分量多く作った方が美味しい。多く作って、4〜5食分は冷凍保存しておけば、忙しい時でも「過去の自分に感謝」ができる。
 
薪ストーブで数時間調理するわけだから、もちろんトイレ紙だけでは済むはずがない。乾季の間に周辺の木々の枝を落とした時に集めておいた間伐材を使って、その燃やした後の灰もちゃんと畑に撒いて。

 お肉を外して出汁ももうスッカリ出切ってカッスカスになった豚さんの骨は、ライチの宝物。いつまでもコリコリコリコリ、嬉しそうに遊んでるので、捨てるところはありません。

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ありあわせで、砂肝とひよこ豆のトマトスープだったりもする

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(元週刊) Casa Arkadia の作り方  〜メキシコで、家を作っています〜
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