作品展のお手伝い
作品展のお手伝いと書きましたが、実際は作品展に出展する作品の額装を
させていただきました。
今回は、4作品のお手伝いをさせていただきました。
そのうちの1作品についてご紹介させていただきます。
まず、作品の仕上がりイメージを話し合い、使用したい額を預かりました。
この時点では作品が仕上がっていなかったので、額装にかかる時間などを
ご説明し、作品が完成したら送っていただくようにお願いしました。
これが1か月半前くらいのお話です。
イメージを聞いていたので、こんなマッティングにしようかなと
裂地の裏打ちをして少し準備をしてみました。
とはいえ、作品によっては無駄になる可能性もあったのですが…。
作品が来るまでに窓マット、台紙マット用の中性紙ボードを準備しました。
窓サイズは大体決めてはいたのですが、実際の作品を見てからカットしました。
作品をお預かりしたら、まずは作品の裏打ちです。
作品の乾燥中に、窓マットの準備です。
作品の寸法を確認し、窓をカットし、裂地を接着しました。
結局、準備していた裂地は作品の本紙(料紙)とは合わないと
分かり、無地の裂地に変更しました。
すでに裏打ちした裂地は、いつか出番が来ることでしょう…。
12点の作品に合う色を考え、また作品展後にご自宅で飾られるとの
ことでしたので、お家で飾るときに派手すぎず地味すぎず、見て
楽しめる作品になるように選びました。
額は一つでしたので、10月の作品を額に納め、残りの11点は保存用の箱を作成しました。
こうして作品をご依頼主にお渡ししました。
作品の展示
作品の搬入の日にお渡ししたので、展示の準備も少しだけ拝見させていただきました。
額に入っていない作品を壁に飾ると思っていなかったので、作品をお渡ししたときに急遽ブックマットに追加作業をすることになりました。
保存修復家なので、作品を作るときも長期保存を考えて材料や技法を選んでいます。
そのため、ブックマットの状態で壁に飾られるのは想定外でしたが、こういうことも考えて作業をしなくてはいけないのだと考えさせられました。
「12作品全部、額に入れたかった」とご本人はおっしゃっていました。
気持ちはわかります。
*ブックマットとは、中性テープや和紙を蝶番に使用し、作品に直接触れることなく安全に取り扱えるマッティングの1つ。
ご依頼から作品のお渡しまで、ざっくりとした作業の流れをご紹介させていただきました。
作品の形態や紙の種類などで、作業期間や作業内容は異なりますが、まずは
ご依頼主のご希望をうかがって、作品展後の作品の保存についてお聞きし、
できることをさせていただきます。
なにより、作品をより輝かせるための作業だと思っています。
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